△ 「背中のイジン(再演)」シーン34


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明転すると瀬名家の前。周人が歩いて来ると後ろから花音が追って来る。

花音 「周人。」写真
周人 「おう。」
花音 「月刊レムリア見た?今月号。」
周人 「見た見た。あれ、今までのみっちゃんの作品の中で一番面白い。」
花音 「花村さんもやるよね。周作さんの事記事にしないでフィクション小説にしちゃうなんて。」
周人 「でもあれ、事実を元にしてるんじゃないかって都市伝説にもなってるらしいよ。」
花音 「都市伝説?それも花村さんが仕掛けてるんじゃない?」
周人 「かもな。」
花音 「でも、都市伝説くらいにしておいた方がちょうどいいかも。」
周人 「うちらにとって事実ならそれでいいよ。」
花音 「そうだね。あ…そう言えばこないだのレポートはどうだった?」
周人 「それがさ、めちゃくちゃ評判良くってさ、もういろんな研究室から引っ張りだこ。」
花音 「へぇ。でもさ、それってインスピレーションくれてるんじゃない?背中の人が。」
周人 「え〜っ、そんなこと…いや、そうかもしんない。」
花音 「そう言えばあれからどうなの?(幽霊のポーズ)こっちの方は?」
周人 「ああ(幽霊のポーズ)これ?それがさ、全然見えなくなった。」
花音 「なぁんだ。残念。」
周人 「え?なんで?」
花音 「だって見えるなら…どうしてるかなって…」
周人 「ああ、そういう事か。どうしてるんだろね…」

潤が息を切らして駆け寄って来る。

「ちょっと大変だよ大変!」
周人 「なんだよ潤。」
「写真だよ写真!こないだみんなでピューロランド行った時の集合写真!」
周人 「ああ、データ送ってもらったやつ?」写真
「そうそう、あれ、爺ちゃんに頼まれて大きめにプリントしたんだけど、そしたらなんと、データには映ってないものが映ってんだ!」
周人 「は?」
「いいか、度肝抜くなよ。せ〜のっ、(写真を見せる)ジャン!!」

周人、花音、写真を覗き込む。

周人・花音 「うわああああああっ!!!!」
花音 「こ、これって…」
「だろ…?」

間。3人笑い出す。

周人 「ははははははは!!ありえねぇ〜〜っ!!」
花音 「ははははは、こんなに笑える心霊写真見た事ない!ははははは!」

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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