トップページ > ページシアター > 背中のイジン > シーン24|再演版 【公演データ】
南浅草署、取調室。
周作 「ですから、本名だと言っております!」
浜崎 「そんな訳があるか!誰が本物の瀬名周作だなどと…」
周作 「私の周りの者はみんな信用して下さいました。」
浜崎 「どんな手を使った?あぁ?」
周作 「とにかく早く帰して下さい!私の子孫が死にかけてるんだ!」
浜崎 「そうはいかん。一晩は付き合ってもらうぞ!」
浜崎の携帯が鳴る。
浜崎 「なんだ…まだ仕事中だ。…何だって?!そんな馬鹿な…一度戻る。(電話を切り)待ってろ。しばらく担当を変える。」
浜崎、走り去る。
周作 「…周人君…」
部屋の外から声がする。
後藤 「失礼します。」
後藤が入って来る。
周作 「君、お願いだ。僕をすぐ帰してくれ!」
後藤 「はい。」
周作 「え?…いいんですか?」
後藤 「はい。」
後藤の後ろから典子、花音、潤が入って来る。
花音 「周作さん!」
周作 「君達!」
潤 「上着を取り替えて下さい。早く!」
周作 「これは?」
潤 「僕が身代わりになります。」
後藤 「やばいっすよ。これ、マジやばいっすよ。」
典子 「大丈夫、大丈夫。」
後藤 「いや、全然大丈夫じゃないっすよ。」
花音 「裏にみっちゃんさんが車で来てるの。」
典子 「さっ、行きましょ。」
花音 「潤、頼んだよ。」
潤 「任せろ。」
花音、典子、周作を連れて去る。
後藤 「あぁ…俺って…俺って…」
後藤、潤に肩を叩かれ励まされる。
(作:松本仁也/写真:広安正敬)