トップページ > ページシアター > 背中のイジン > シーン27|初演版 【公演データ】
照明上手のみ。取り調べ室。周作が椅子に座り、浜崎が立って周作の後ろをうろうろしている
周作 「ですから本名だと言っております!」
浜崎 「いい加減にしろ!そんな戯言誰が信じる?!」
周作 「とにかく早く帰して下さい!家族が死にかけているんだ!」
浜崎 「だめだ!何を企んでいやがるか吐くまではここから一歩も出すわけにはいかん!」
浜崎のスマホが鳴り、渋々電話に出る。
浜崎 「何だ…まだ仕事中だ。…何だって?…写真を?…そんな馬鹿な事…一度戻る。(電話を切り)待ってろ。しばらく担当を変える。」
浜崎、走り去る。
周作 「周人君…すまない…」
後藤が入って来る。
後藤 「失礼します。」
周作 「あぁ君!お願いだ!僕をすぐ帰してくれ!」
後藤 「はい…」
周作 「え?…いいんですか?」
後藤 「はい…」
後藤の後ろから典子と潤が出て来る。
典子 「グッドタイミングじゃん。」
潤 「超ラッキー。」
周作 「典子さん?!潤さんも!」
潤 「上着を取り替えて下さい。早く!」
周作 「これは?」
潤 「僕が身代わりになります。」
後藤 「やばいっすよ。これ、マジやばいっすよ。」
典子 「大丈夫、大丈夫。」
後藤 「いや、全然大丈夫じゃないっすよ。」
典子 「潤、頼んだよ。」
潤 「任せろ。」
典子 「後藤さん、ホントにありがとう!」
後藤 「いえ…」
典子、周作を連れて出て行く。
後藤 「あぁ…俺って…俺って…」
後藤、潤に肩を叩かれ励まされる。
(作:松本じんや/写真:はらでぃ)