ここでは、1歯ごとの診断について説明します。
歯肉炎
支持組織の喪失はみられない(仮性ポケット)。プロービング時の出血。Levis型歯周炎
Gravis型歯周炎
歯根長1/3未満の支持組織の水平的喪失。プロービング時の出血。
歯根長1/3以上の支持組織の水平的喪失。プロービング時の出血。Complicata型歯周炎
楔状骨欠損(=けつじょうこつけっそん)(歯間部の骨クレーター、骨縁下ポケット)、根分岐部病変2度と3度。
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levis | gravis | complicata |
Complicataは補足的な診断になります。すなわち、支持組織の喪失している位置から、levis et complicataまたはgravis et complicataとなります。
楔状骨欠損については、歯槽骨の高さが隣接歯間において2mm以上の差があるものを指します。
診療計画と重複するかもしれませんが、なぜ、上記のように1歯ごとの診断を行うのかについても記載しておきます。それは、診断がその後の処置と結びついているからに他なりません。
抜歯する歯(extraction)
X線写真上で明らかに歯槽骨が認められず、歯が浮遊している状態、または動揺度3度で垂直的な動揺が認められ、根管治療の適応とはならないもの。補綴上の理由から戦略的に抜歯が必要なもの。抜歯か残すか疑問な歯(questionable)
gravis診断がつけられたもので、歯槽骨の吸収が著しいもの。またはcomplicate診断がつけられたもの。特に、complicataは歯周外科手術や根分岐部病変の処置の対象となる。確実に残せる歯(remained)
levisまたはgravis診断がつけられたもので、歯槽骨の吸収が著しくないもの。スケーリング・ルートプレーニングで治癒可能な範囲となる。
Extractionの歯は早期に抜いて、questionableとremainedの歯を対象に治療を進めていき ます。再評価ごとにquestionableの歯をextractionかremained(場合によってはquestionableのまま)に振り分け て、修正治療計画を立て直します。
ちなみに、訴訟大国のアメリカではquestionableに該当する歯は早期に抜歯します。なぜなら、治療途中で抜歯に至ったら訴えられるから…。
最終更新2013.1.7