2023年5月の映画  戻る
波紋 
2023年 日本 120分 
監督・脚本 荻上直子
出演 筒井真理子(須藤依子)/光石研(失踪した夫・修)/磯村勇斗(息子・タクヤ)/安藤玉恵(ご近所さん)/江口のりこ(宗教仲間)/平岩紙/ムロツヨシ(ホームレス)/津田絵理奈(タクヤのカノジョ)/花王おさむ/柄本明(スーパーの客)/木野花(スーパーの清掃員)/キムラ緑子(宗教家)
メモ 2023.5.27(土)TOHOシネマズなんば別館
あらすじ
東日本大震災直後、高校生の息子を置いて失踪した夫が姿を現す。息子はもう社会人だ。
感想
「かもめ食堂」の荻上直子監督、「淵に立つ」「よこがお」の筒井真理子主演作品。
芸達者がそろっていてどのひともうまい。父失踪時と父帰る後の時計が繋がっていて脚本もうますぎるくらい。
ひとつひとつは結構深刻な話やねんけど、ブラックユーモアがありクスクス笑えて楽しかった。
 
妻の強さに圧倒されぼろぼろになりながらも「お前にだけは負けたくない」って妻に対する男の意地もたくさんありの作品。ひとりで見に来ている男の人も多かったけど、見終わってどーゆう感想なんやろ。
 
ハブラシのシーンはオゾン監督の「海を見る」、主人公がプールで浮いているシーンはマリアンネ・ゼーゲブレヒトの「シュガーベイビー」が浮ぶ。ペットボトル、緑命水、ホースの水、プール、ラストの雨と水が多用された映画やったな
★★★★戻る

ソフト/クワイエット SOFT & QUIET
2023年 米国 92分 ブラムハウスプロダクションズ
監督・脚本 ベス・デ・アラウージョ
撮影 グレタ・ゾズラ
メモ 2023.5.25(木)シネ・リーブル梅田
あらすじ
幼稚園の教師をしているエミリーは教会の部屋を借り第一回の会合を開く。集まったのはエミリーを含め六人の女性たち。
顔見知りやないひともいるし初めての会合ということで、持ち寄りのドーナツやチェリーパイを食べながら会は自己紹介から始まる。
感想
”集団は(何かことがあると)バカに引きずられる”というのは男の人だけの話やなかったらしい。
 
手持ちカメラの撮影で見ているのはちょっとしんどかったけど、話す間合いや登場のタイミングなどなど俳優さんの緊張が伝わる。
初めての会合でみんな緊張ぎみという脚本も巧みやったな。
その中でもエミーが焼いた「パイ」を切り分けるシーンが印象的(手際よくせなあかんし失敗でけへんよね)切ったら赤いもんも出て来るし。
その後の展開を示唆しているのか
カメラも演技者の間をかいくぐり(であろう)、スタッフは絵に映り込まないようにとたいへん。
 
最近知ったんやけど「劇」と言う字は「虎」と「豚(ブタ/イノシシ)」が組み合わせられていて、その場面にリットウ(刀)が登場しているらしい。
虎とイノシシが争いそこに刀を持ったひとも現れ「激しい」という意味やねんて。
その字が派生して「演劇」とかに使われているとか。言葉の「音」から使われるようになったのかも知れんけどチャンチャンバラバラ、はらはらどきどき最後は となる。本作は舞台劇では「集団心理」の凡作となってしまい、この撮り方で生かされたと思う。
★★★1/2戻る