2019年7月の映画  戻る


よこがお 
2019年 111分 日本 KADOKAWA
監督・脚本・編集 深田晃司
原案: Kaz
出演 筒井真理子(訪問看護師:白川市子/リサ)/市川実日子(大石家の長女:基子)/池松壮亮(基子の恋人:米田和道)/須藤蓮(鈴木辰男)/小川未祐(大石家の次女:サキ)/吹越満(市子の婚約者)
メモ 2019.7.28(土)テアトル梅田
あらすじ
訪問看護師の市子は有能で真面目で誰にでも優しく、訪問先の大石家で信頼されていたが、大石家の次女が行方不明になる。
一週間後無事に戻った次女を誘拐したのは市子の甥だった。
加害者とみなされおもしろおかしく追い詰められていく市子。
感想
「淵に立つ」
の深田晃司監督作品
またしても、不安感をあおり苦い味の映画。
市子は決して加害者じゃない。
にもかかわらず悪意とマスコミと世間の言葉の集団暴力により仕事も住むところも友達もすべてを失う。
 
日経新聞に深田晃司監督の「誰もが加害者になりうる」という記事が載っていた。
「悪意も動機も目的もないのに加害者の立場に立ってしまう。それは誰にも起こりうる。被害者と加害者をくっきり分けようとする社会で、加害者の周辺にいる家族はどんどん追いつめられていく」
「誰もが被害者になっていまう可能性よりも、だれもが加害者になってしまう可能性の方に関心があった。日本の歴史は被害者の視点があまりに強すぎるから」
 
そうなん。
問題は
「加害者と被害者をくっきり分けようとする社会」やなくて「加害者の家族も同罪とみなす社会」にあるんやないの。
動機を安易に生い立ちやらに求める事にあるんやないの。
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ゴールデン・リバー THE SISTERS BROTHERS
第75回ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞<監督賞>
第44回セザール賞
2018年 120分 仏/西班牙/ルーマニア/白耳義/米国
監督 ジャック・オーディアール(「リード・マイ・リップス」
原作 パトリック・デウィット『シスターズ・ブラザーズ』
キャスト ジョン・C・ライリー(兄イーライ・シスターズ)/ホアキン・フェニックス(弟チャーリー・シスターズ)/ジェイク・ギレンホール(ジョン・モリス)/リズ・アーメッド(ハーマン・ウォーム「ヴェノムの大金持ちドレイク」「ナイトクローラー」)/ルトガー・ハウアー(提督)
メモ 2019.7.14(日)大阪ステーションシティシネマ
あらすじ
1851年の米国。ゴールドラッシュの頃のオレゴン準州。提督と呼ばれる悪の大物に雇われている兄弟がいた。
仕事は提督のじゃま者を始末すること。「殺し屋」シスターズ・ブラザーズの名は知れ渡っている。
弟は殺しを厭わないが兄は潮時、そろそろ足を洗いたいと思っていた。
こんどの提督の仕事はウォームという男を捕えることで仲間のモリスが斥候としてウォームを追っている。。
感想
花火のような大きな音と火花の銃撃戦で幕が上がる。解説によるとカートリッジ以前の銃を表しているそうです。
パトリック・デウィットという方の『シスターズ・ブラザーズ』(シスターズという名前の兄弟)の映画化で映画は原作とは違い兄と弟を反対にしてあり、ラストも違っているとか。監督さんは「リード・マイ・リップス」のジャック・オーディアール。フランスの方です。
 
西部劇に詳しくないんやけど、いい映画やった。
三者三様でね。科学者のウォームは理想主義者で早く生まれすぎた人。モリスは大金持ちのぼんらしいけど父親に反発して出奔している。学があるけど自分が何がしたいのかわからずさまよっている。
シスターズ兄弟は過酷な人生を、まあ獣のように生きている。お兄ちゃんの方はあんまり頭は回らないんやけど、生きる力があって荒くれ者ながら馬とか装備とかに常に細かく気を配っている。警戒もおこたらない。その用心深さに感心した。無法地帯で頼みは自分たちだけやもんね。
「思っていたのと違った」という感想もあるようなので普通の西部劇とは少し違うようです。
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