2017年6月の映画  戻る


セールスマン FORUSHANDE
カンヌ国際映画祭脚本賞、男優賞、米国アカデミー賞外国語映画賞
2016年 124分 イラン/フランス
監督/脚本 アスガー・ファルハディ(「彼女が消えた浜辺」「別離」「ある過去の行方」
キャスト シャハブ・ホセイニ(エマッド・エテサミ)/タラネ・アリドゥスティ(ラナ・エテサミ)
メモ 2017.6.24(土)シネ・リーブル梅田
あらすじ
イランの都市に住むエマッドとラナの若夫婦は、隣の工事現場の掘削によりアパートが傾き住むところを失う。夫婦は小さな劇団に所属していてその劇団仲間からアパートを紹介され引っ越したが、その部屋は前の住民の荷物が残ったまま。近所の人も意味深な言葉をかける。夫は教師。妻は美人。劇団はアーサー・ミラーの戯曲「セールスマンの死」の練習中。劇中内でもふたりは夫婦の役だった。
感想
トランプ政権の「入国制限命令」に抗議して、監督さんと女優さんが米国アカデミー賞の会場にやってこなかった作品。
 
お酒もギャンブルも禁止の厳しい戒律のイスラム教。
それでも若い教師はだいぶリベラルで生徒の人気も高い。当局の検閲を受けながらも劇団員は工夫して「セールスマンの死」を上映しようと頑張っている。
しかしやはり夫はムスリムなのか男なのか「妻への暴力」への怒りがだんだん「自分の男としてのメンツ、誇り」を傷つけられた事への憤りに変わっていく。
「妻の裸を見たのか?」と何度も聞く。文字通りの意味なのかそれ以上の事を示唆しているのは不明やけど、その一線がそれほど違う事なのか?
 
劇中劇ありの凝ったつくりで、夫がひとりで犯人を探し追い詰めていくところは「取り返しのつかない事をしてしまうんじゃ」と緊張し、とってもハラハラ。
おすすめ度★★★1/2戻る

映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ 
2017年 108分 日本
監督/脚本 石井裕也
原作 最果タヒ(さいはてたひ)「夜空はいつでも最高密度の青色だ」
衣装 立花文乃
撮影 鎌苅洋一
エンディング曲 The Mirraz(ザ・ミイラズ)「NEW WORLD」
出演 石橋静河(美香)/池松壮亮(いけまつそうすけ・慎二)/松田龍平(慎二の同僚1・智之)/田中哲司(慎二の同僚2・岩下)/ポール・マグサリン(慎二の同僚3・アンドレス)/大西力(慎二のお隣)/市川実日子(いちかわみかこ・美香の母)/三浦貴大(美香の昔の恋人・ 牧田)/佐藤玲(さとうりょう・慎二の同級生)/野嵜好美(のざきよしみ・路上の歌手)
メモ 2017.6.17(土)テアトル梅田
あらすじ
昼間は看護師をして人の死を身近に感じ、夜はガールズバーでバイトをしている美香と、工事現場でその日暮らしの日雇い仕事をしている慎二は、ガールズバーで知り合う。それからふたりは大都会東京で何度も遭遇する。
感想
「ぼくたちの家族」「舟を編む」「川の底からこんにちは」の石井裕也(いしいゆうや)監督作品。原作は最果タヒ(さいはてたひ)という方の詩集だそうです。
 
様々な人がいなくなっていくお話。
ヒロインの根っこはまだ故郷にあるがそれももろい。うつろい流れていく東京でヒロインはこの世は不確かと感じている。石橋静河さんはぶすっとした愛想のない顔で雰囲気のある女性を好演。笑わない方がいいと思う。
 
何ゆえこの映画を観たかったかというと、石橋凌さんと原田美枝子さんのお譲さんの石橋静河という方を見たかったから。DNAって不思議。どちらにも似ているような気もする。でもお父さん似かな。遠くを見ているようなさめたまなざしはお母さん似かもしれない。
おすすめ度★★★★戻る

ろんぐ・ぐっどばい〜探偵 古井栗之助〜 
2016年 73分 日本
監督 いまおかしんじ(今岡信治)
脚本 川崎龍太/中野太
撮影 鏡早智(かがみさち)
編集 蛭田智子
音楽 下社敦郎
出演  森岡龍(古井栗之介・主題歌「ろんぐ・ぐっどばい」/蜷川みほ(スナックのママ・沙織)/手塚真生(医者・沢口ゆかり)/松本紀代/仁科あい/諏訪太朗(柚子の父)
メモ 2017.6.3(土)第七芸術劇場(ナナゲイ)
あらすじ
施設育ちの探偵、古井栗之介はいわくつきの物件の履歴をきれいにするため1か月住むバイトをしている。施設長のババア(今日子)の紹介だ。こんどの部屋は二十歳の女の子がドアノブで首つりしたという。またまたババアの紹介で、自殺した女の子の父親から依頼が入る。中学からグレだし家出を繰り返した娘の事はいいから、娘が持ち出した500万円を探してくれという内容だった。
感想
監督さんがロバート・アルトマン監督、エリオット・グールド主演の「ロンググッドバイ」にオマージュを捧げた作品・・・とか。猫に猫缶のエサをやるところが同じ。