2010年5月の映画  戻る


冷たい雨に撃て、約束の銃弾を
2009年 仏/香港 108分
監督 ジョニー・トー
キャスト  ジョニー・アリディ(フランシス・コステロ)/アンソニー・ウォン(クワイ「インファナル・アフェア」)/ラム・カートン(チュウ)/ラム・シュー(フェイロク)/サイモン・ヤム(ジョージ・ファン「天使の眼、野獣の街」))/シルヴィー・テステュー(アイリーン「サガン -悲しみよ こんにちは-」)
メモ 2010.5.29(土)シネ・リーヴル梅田
あらすじ
マカオの高級住宅地で暮らす夫婦と子供ふたりが突如襲われる。奇跡的に助かった娘のもとに、仏から駆けつけた男親は、娘の願いをかなえることを誓う。その願いは「かたきをうって」だった。
感想
「ザ・ミッション 非情の掟」、「エグザイル/絆」と、この「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」は、香港の鬼才ジョニー・トー監督の「裏社会の男の美学」を描く3部作だそうです。この作品は「如何に筋を通すかという男の美学」が「約束を守る」ことになる物語が巧み。  なんやけど、「ザ・ミッション」や「エグザイル」に比べ、インパクトに欠ける・・・ように思う。洗練されスタイリッシュだからかもしれん。
 
朝日新聞の紹介記事では、ジャン・ピエール・メルビル監督の「サムライ」へのオマージュを感じると書かれてあった。
さぼてんは「西部劇だ」と思って見てた。たくさんの人が死んでしまう虚しい話なんやけどね。
海から亡くなった人があがってくるシーンが風変わりだったよ。「娘さんも亡くなってしまったのかいっ」とは思ったけど。
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パリより愛を込めて From Paris with Love
2010年 フランス 95分
監督 ピエール・モレル(「96時間」)
原案 リュック・ベッソン
脚本 アディ・ハサック
キャスト ジョン・トラヴォルタ(チャーリー・ワックス)/ジョナサン・リス・マイヤーズ(ジェームズ・リース「マッチポイント」「THE TUDORS 〜背徳の王冠〜」)/カシア・スムートニアック(キャロリン)
メモ 2010.5.22(土)梅田ピカデリー
あらすじ
フランス駐在アメリカ大使の覚えもめでたい大使館員のジェームズの裏の顔は、CIAのエージェント見習い。こまかい仕事ばかりの毎日に、やっとちょっと上の仕事を与えられた。それは、鎖をじゃらじゃらさせた黒ずくめのバイカーファッション、スキンヘッド男の世話係兼運転手。信じられないくらいナニでアレなこの蜂の巣頭の、ネジのはずれた男は、何かと言うと銃をぶっ放す。
感想
なにやら「007」のような題名のこの映画の見所は、56歳のジョン・トラヴォルタの毒舌とアクションの怪演。バズーカ砲を背負った晴れ姿に惚れ惚れ・・・まではしないが、かっこはいい! 次々料理人が銃を手に参戦するシーンは笑える。なーんも考えずスピードに身をゆだね95分楽しめる映画。まあ、遠おくーのお話のように思えて、日本は危機感が薄いっちゃあ薄いんだと思う。
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春との旅
2009年 日本 134分
監督・原作・脚本 小林政広(海賊版=BOOTLEG FILM
撮影 高間賢治
音楽 佐久間順平
出演 仲代達矢(忠男)/徳永えり(春)/大滝秀治(兄・重男)/菅井きん/小林薫/田中裕子/淡島千景(姉)/柄本明(弟・道男)/美保純/戸田菜穂/香川照之(春の父・シンイチ)
メモ 2010.5.11(水)梅田ブルク7 試写会
あらすじ
まだ寒い北海道の春。忠男と孫娘の春は、北海道から東北への旅にでる。親戚を訪ねる旅だ。
 
忠男と春は祖父と孫娘。北海道の寂れた漁村でのふたり暮らしやったんやけど、忠男は足を痛め、魚師ができなくなったん。学校給食で働いて生活を支えていた春は、小学校が廃校となるとともに職を失ってしまうねん。食い詰めつつある一家。春は、祖父を親戚に預けて、都会に出たいともらしたばっかりに、怒った祖父と共になけなしのお金を持って旅にでるはめに陥ってしまうねん。
感想
大滝秀治、菅井きん、淡島千景という日本映画界屈指の骨董至宝が、動ける達者な内に、この映画に出はってよかったな。日本の宝だけでなく、どの出演者も、主役ふたりと対じする演技を堪能する。庶民的な食べ物を食べるシーンが多くて、それも満足度高し。
 
     忠男「俺を捨てるのかっ」   春「そうですっ!!!」  
 
という激しい演技と、
蕎麦屋で「ここの蕎麦うまいだろ。(身分違いの家に)身重の娘を結婚させてくれと頼みに行ったら断られてな。帰りにここの蕎麦屋でお前のおっかさんとそばを食べた。」 と語る仲代達矢さんがいいよ。
 
香川照之は、子供に負い目のある父親役は絶品だな。市川猿之助さんとの名乗りはそんな風ではなかったらしいが。こうなりたかったのかな。役者が入れ込む映画だと思う。
 
さぼ母が、試写会に勝手に申し込んで、当たってしまい「いまいち人間ドラマは苦手やねん」(ブツブツ)と気が進まない中、「まあこれもそれも親孝行」としかたなく付き合いで見たんやけど、想像していたよりずっといい映画やった。そってみな、わからへんもんやねぇ。
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