2010年1月の映画  戻る


ラブリー・ボーン THE LOVELY BONES
2009年アメリカ=イギリス=ニュージーランド  135分
監督 ピーター・ジャクソン(「ロード オブ・ザ リング」「ミート・ザ・フィーブル/怒りのヒポポタマス」
原作 アリス・シーボルド
音楽 ブライアン・イーノ
キャスト シアーシャ・ローナン(スージー・サーモン「つぐない」)/マーク・ウォールバーグ(スージーの父ジャック「フォー・ブラザーズ/狼たちの誓い」 「ビッグ・ヒット」)/レイチェル・ワイズ(スージーの母アビゲイル)/スーザン・サランドン(スージーの祖母リン)/スタンリー・トゥッチ(ミスター・ハーヴィ(「Shall we Dance?」の竹中直人役)/マイケル・インペリオリ(刑事)/ローズ・マクアイヴァー(スージーの妹リンジー)/クリスチャン・トーマス・アシュデイル (スージーの弟バックリー)/リース・リッチー(レイ)/キャロリン・ダンド(ルース)
メモ 2010.1.30(土)梅田TOHOシネマズ
あらすじ
14歳で殺されたスージは、静謐な美しい不思議を世界にさまよう。ここはどうも天国ではないらしい。
時たま、生きていた場所に魂が惹かれるらしく、父とも触れ合いそうになる。なんとか犯人を示そうとするがままならない。
この世では、スージを失った家族が崩壊寸前。踏みとどまるのは、幼い弟バックリーと派手で好きで勝手気ままに生きてきたような祖母リンの姿。そして、時はかかるが父ジャックと妹リンジーは、一歩づつ犯人に迫っていく。
感想 <ねたばれ>
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
こういう顛末なんだ(驚!)。体は閉じ込められようと魂は自由・・・・という事なのか。
哀しい。
・・・戦争では、たくさんの兵隊さんが、潜水艦とともに暗い海に沈んだままなんだな。
 
 
ピーター・ジャクソンが撮りたかった映像は美しい。 ミスター・ハーヴィは気持ち悪いし、「つぐない」のシアーシャ・ローナンは薄幸な美少女全開。そういうキャスティングもいいと思うねんけど。ただ、マーク・ウォールバーグが14歳の子供の父親とは・・・アクションを離れ、「ハプニング」「ラブリー・ボーン」と、いったいどこへいくつもりなの。
お薦め度★★★1/2戻る

おとうと
2010年 日本(松竹) 106分
監督 山田洋次
出演  吉永小百合(吟子)/笑福亭鶴瓶(鉄郎)/蒼井優(小春)/加瀬亮(長田亨)/小林稔侍(庄平)/加藤治子
メモ 2010.1.22(金)梅田ピカデリー試写会
あらすじ
高野吟子は、東京郊外で小さな薬局を営んでいる。夫は娘の小春が小学生の頃に亡くなった。それからは、夫の母と娘の女三人暮らしだ。娘の小春は、玉の輿に乗りエリート医師と結婚が決まる。豪華なホテルの披露宴に突如現れたのは、吟子の弟の鉄郎だった。音信不通になっていた鉄郎は、住吉のおばちゃんから名付け子の小春が結婚すると聞いて、大阪から紋付袴姿で駆けつけたのだった。
鉄郎は、ひとはいいのだがお酒が入るとわけわからなくなり、披露宴でマイクを奪い「王将」を歌いだす傍若無人ぶり。
という、いつまでもごんたでやんちゃな困った弟なのだ。
感想
さぼてんは、山田洋次監督も、吉永小百合さんもあまり惹かれる事がないので、期待せずに見るが、予想より良かったよ。
一緒に行った連れは、泣いていた。笑えるし泣ける。
吉永小百合さんの汚れなき小綺麗な演技も、あざとさ(大阪みやげが551の蓬莱の豚まんなのだ)を感じさせる演出も好みではないけれど、しっとりした良い映画だと思う。
お薦め度★★★1/2戻る

幸福
1981年 日本 106分
監督 市川崑
出演 水谷豊(村上)/永島敏行(北)/谷啓(野呂)
メモ 2010.1.16(土)CS録画
あらすじ
女房に逃げられ一ヶ月、小学生の娘と息子を育てながら刑事をしている村上(水谷豊)。いっぽう、若い北刑事(永島敏行)は、恋人が出来て嬉しハズカシの毎日だ。そんなこんな日、古書店で銃撃があったと一報が入る。店に入ると血の海。そこで悲痛な声を上げる北刑事。
感想
新聞に市川崑監督の幻の映画復刻と書いてあった。CSで放映を録画して見る。
前知識なしで見たため、古書店で倒れている女の人の上にかぶさっている本を、北刑事がおそるおそる取るシーンで、やっと気づく。
これって、エド・マクベインの87分署シリーズの「クレアが死んでいる」やん!
 
「シルバーカラー」という技法を使ったフィルムだそうです。白黒ともカラーとも違った、けぶるような銀色だった。現場は50度を越す暑さだったと水谷豊さんが証言されていました。復刻されたことで『やっと、20代最後の作品は市川崑監督の「幸福」ですと言えます。』と笑っておられたよ。
 
水谷豊がよかった。まだ29歳なのに疲れた感じがよく出ていた。妻が去ったことで、父親はふたりの子供との仲が、濃くなっていく。ただの娘、息子ではなく、お互いを理解しあい力を合わせて、この世界で生きていく同志になっていくんだ。
お薦め度★★★★戻る

ロフト.
2008年 ベルギー 117分
監督 エリク・ヴァン・ローイ
キャスト ケーン・デ・ボーウ(精神科医クリス)/フィリップ・ペータース(建築家ビンセント)/ブルーノ・ヴァンデン・ブルーク(病弱な妻を持つルク)/マティアス・スーナールツ(クリスの弟フィリップ)/ケーン・デ・グラーヴェ(医師マルニクス)
メモ 2010.1.9(土)天神橋六丁目ホクテンザ
あらすじ
建築家のビンセントは、マンションの完成披露パーティにクリス、マルニクス、ルク、フィリップを招待し鍵をひとつづつ渡す。それは、ロフトの鍵だった。妻達には秘密の部屋を、共用しようと言う悪だくみ。それは家庭持ちの男の夢。そして使い道はただひとつ。あとくされの無い一夜限りの享楽に使うものもあれば、女に深くのめりこむ男もいる。
そしてバチはあたる事件は起こった。ルクがロフトに来て見れば、おんながベットで血まみれになって死んでいる。しかもベットと手錠でつながれているというスキャンダラスさ。
感想
ベルギー発ミステリ。九州ほどの大きさの国、ベルギー王国の人口が1100万人で、そのうち10%の110万人が見たとか。
 
鍵を持っているのは5人だけ。犯人はこの中にいるはず。しかし秘密を共有している友人同士は、だれが犯人でもあって欲しくはない(はず)というジレンマに陥る。。あっと驚く真実はさらりと過ぎ、「えっ、どうしたって?」状態。最初から頑張ってしっかり見よう。暗い目の映像で、地味に物語りは進むし、現在と過去が錯綜するため睡眠を十分にとって見られることをお薦めする。近くの老年のカップルは、映画が終わると「あぁー、よく寝た。」と言って帰られた。
 
「自殺への契約書(1958)」、「殺しのリハーサル(1982)」、「ユージュアル・サスペクツ(1995)」、「キサラギ (2007) 」と傑作も多いジャンルだが、作るのは難しいらしい。昨年見た「十三通目の手紙(2003)」は「助けて〜何とかしてぇ〜」状態だった。元は舞台劇らしいが、限られた人物と空間しか使えないからか、人も時間も持て余している。使えてないっ。あー今思い出してもイライラするぅ。
お薦め度★★★★戻る