2009年5月の映画  戻る


インスタント沼
2009年 日本 
原作・脚本・監督 三木聡
撮影 木村信也
助監督 中里洋一
コスチュームデザイン 勝俣淳子/山瀬公子
美術 磯見俊裕
出演  麻生久美子(沈丁花ハナメ)/加瀬亮(ガス)/風間杜夫(電球)/松坂慶子(沈丁花翠)/ふせえり(市ノ瀬)/ 相田翔子(飯山和歌子)/笹野高史(部長)/白石美帆(立花まどか)/松岡俊介(雨夜風太)/温水洋一/宮藤官九郎/松重豊/岩松了/渡辺哲
メモ 2009.5.30(土)晴れのち曇り雨 テアトル梅田(ロフト)
あらすじ
出版社に勤める沈丁花ハナメは、編集長をしていた雑誌があえなく休刊。好きな男と欧州に住んで、海外のファッション事情を伝える直輸入雑誌の編集長になって、の夢もついえてしまう。会社を辞め、心機一転のためCDからなんから一切合財売っぱらい、人生リセット。のはずが、沼にカッパを探しに行っていたらしい母が、雷にうたれ意識がもどらない。その沼から赤ポストが見つかり、昔の昔の手紙が多数見つかる。その中にハナメの母、沈丁花翠が出した手紙があった。手紙を読むと、どうやら8歳の時に家を出て行った父は、実の父ではなく、「沈丁花ノブロウ」という人物が父らしい。手紙の住所を尋ねると、怪しげな骨董屋があった。
感想
「時効警察」、「転々」の三木聡監督作品。あのノリで、じんわりと奇想天外に話は進む。
「思ったようにいかへんのが人生やけど、とりあえず元気やったら、なんとかなるんとちゃうのん。」という映画だった。
このとりあえず元気やったらというのがミソで、ブルーな気持ちやったら、幸運も近寄れへんの。という事だと思う。
 
古いポストに入っていた手紙を、警察の鑑識がひとつひとつ並べていくんやけど、俯瞰図がピカソのゲルニカになっていた。
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天使と悪魔 ANGELS & DEMONS
2009年 米国 
監督 ロン・ハワード
原作 ダン・ブラウン
脚本 アキバ・ゴールズマン/デビッド・コープ 
キャスト トム・ハンクス(ロバート・ラングドン)/アイェレット・ゾラー(ヴィットリア)/ユアン・マクレガー(カメルレンゴ)/ステラン・スカルスガルド(「マンマ・ミーア!」)/アーミン・ミューラー=スタール(「イースタン・プロミス」)/ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ/ニコライ・リー・コス
メモ 2009.5.16(土)曇り雨 TOHOシネマズ梅田(HEPナビオ)
あらすじ
科学と宗教には、長い対立がある(らしい)。突然、教皇が亡くなりヴァチカンでは全地球上の枢機卿を集め、教皇選挙(コンクラーベ)が行われる。決まれば白い煙があがり、待っている10億人の信徒にすぐにわかる仕掛けになっている。しかし、コンクラーベを行っているはずの最有力候補の枢機卿4人が、誘拐される。そこで呼ばれたのがハーバード大学のロバート・ラングドン教授(トム・ハンクス)。誘拐したのは、秘密結社イルミナティ。17世紀に科学者達により組織されるが、宗教に弾圧され滅亡したと思われていた。1時間ごとに枢機卿を殺害すると予告され、夜のヴァチカンをラングドン教授が走る。
感想
「反物質の爆発」ってあんなもんなのかな。空気がなくなるんじゃないかと思ったんやけど。科学の事はさっぱりわからん。
映画全体ちょっと怖い(おどろおどろしいのかも)。闇が深い。宗教の事はわからないが、コンクラーベも含めて雰囲気が密教っぽく作ってあるの。
前編の「ダヴィンチコード」に比べわかりやすく、スピーディでサスペンスフル。特に後半はたたみかける展開でよく出来ている。キャストもみなさんヨーロッパ風で(トム・ハンクスを除く)、映像はヴァチカンの名所案内にもなっている。
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7人目の陪審員 Le septieme jure
2007年 仏国 
監督 エドアール・ニールマンズ
脚本 ディディエ・ルペシュール
キャスト ジャン=ピエール・ダルッサン(「サン・ジャックへの道」)/イザベル・アビアーグ/パスカル・エルソ
メモ 2009.5.10(日)晴れ ミステリチャンネル録画
あらすじ
1962年のフランス。アルジェリア独立でもめている頃、田舎町で若い女性が首を絞められて見つかる。犯人は薬屋のグレゴワール(ジャン=ピエール・ダルッサン)だ。憲兵隊長の友人ヴァラールと魚釣りの最中、言い争う声を耳にして様子を見に行き、男と別れた後の女にちょっかいを出して騒がれ、口を封じたのだった。ヴァラールは居眠りをしていたので、事の顛末は知らないはず。
娘と別れ話でもめていた男カデールが、容疑者としてつかまってしまう。まんの悪い事に、カデールはアルジェリア人だった。
自白することもできず、かといって無実の若者が死刑になるのを見過ごすことにも耐えられず、悶々とするグレゴワールは、あろうことか事件の7人目の陪審員に選ばれてしまう。
感想
「国際テレビ映像フェスティバルで金賞を獲得したフランス作品」らしい。TV映画。
いやはや、苦い結末だった。
おそろしい話なんだよ。判事も最初から有罪にするつもりだし、世論も後押ししているし、弁護士は「有罪を認めて死刑を回避する」という手しかない。そんな「アラバマ物語」のような出来レースもこわいけれど、主人公以外に真実を知る人がふたりいて、口をつぐんでいることにどちらもまったく罪の意識がないの。このふたりは、死ぬ時にこわくないのかな。墓場まで秘密を持っていくの?
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チェイサー
2008年 韓国 
監督・脚本 ナ・ホンジン
撮影 イ・スンジェ
キャスト キム・ユンソク(ジュンホ)/ハ・ジョンウ(ヨンミン「絶対の愛」)/ソ・ヨンヒ(ミジン「連理の枝」)
メモ 2009.5.3(土)晴れ シネマート心斎橋
あらすじ
元刑事のジュンホは、頭が痛い。経営しているフーゾク店の女の子が次々どこかに逃げてしまって、供給がおっつかない。客の需要に応えるため、病気で休ませてほしいというミジンを無理やり仕事に向かわす。ジュンホが逃げた女の子たちを探すうち、最後の客の電話番号が同じなのに気づく。ミジンにあてがったのも同じ客だ。あわてるジュンホだが、ミジンのケータイは通じなくなっていた。