2008年5月の映画  戻る


アフタースクール
2008年 日本 102分
監督・脚本 内田けんじ(「運命じゃない人」
撮影 柴崎幸三
音楽 羽岡佳
出演 大泉洋(神野)/佐々木蔵之介(北沢)/堺雅人(木村)/田畑智子/常盤貴子(美貴)/山本圭(郷田)/伊武雅刀/北見敏之
メモ 2008.5.30(金)梅田ガーデンシネマ
あらすじ
木村(堺雅人)は会社員。妻は臨月だが美しく優しい。今朝は新しい靴を、プレゼントしてくれた。義父が家の中をうろうろしている。出産間際の娘に大事があってはと、来ているらしい。お母さんはいないのかな?
木村には中学時代からの友人神野(大泉洋)がいる。母校の中学の教師をしている神野は、夏休み中でまあ暇にしている。その神野に妻のことを頼み、車も勝手に借りて、木村は出勤した。それからなんやらあやしげな北沢(佐々木蔵之介)と色々あって、神野は木村の知らない面をつきつけられ戸惑う。出産した妻の元に駆けつけることもなく失踪した木村は、どうかしちゃったのか? それとも元々俺は木村の事を知らなかったってことなの?
感想
さぼてんが騙されていたのは、大きく4つかな。
山本圭が義父ではなく、美貴は木村の妻ではなく、美貴が好きだったのは神野(大泉洋)であり、友達の知らない秘密が暴かれていく話では、なかったこと。
何故義父がうろうろしていたのかの謎が、面白かったな。また、誕生日でもないのに、新しい靴をプレゼントされた謎が(映画の都合上)よくできていた。そうかい、惑わすために必要な小道具だったのかい。最初の違和感にはそれぞれ理由があって、よく出来た脚本だったよ。やさぐれモードの佐々木蔵之介さんもそれはそれ、よかったのにな。最後の監督の持っていきようは残念。
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ブラックサイト
2007年 米国 100分
監督 グレゴリー・ホブリット(「オーロラの彼方へ」「悪魔を憐れむ歌」「真実の行方」)
キャスト ダイアン・レイン(FBIジェニファー・マーシュ)/ビリー・バーク(警察官エリック・ボックス「24シーズン2メーガンのパパ」)/コリン・ハンクス(FBIグリフィン・ダウド)/ジョセフ・クロス(オーウェン・ライリー)/メアリー・ベス・ハート(ジェニファの母・ステラ・マーシュ)
メモ 2008.5.16(金)晴れ 梅田ブルク7
あらすじ
オレゴン州のFBI捜査官ジェニファーの仕事は、サイバー犯罪者を懲らしめること。夜のシフトでネットでさんざん人の欲と戦った後、朝、母と一人娘8歳のアニーのいる家に帰る。娘は学校に行き、母は庭を耕す平和な生活。そんなある日、猫が身動きできず衰弱死していくライブをさらしているサイトが現れた。
感想
ああぁぁぁぁぁ、、、、またしてもグロい映画を観てしまった・・・・。さぼてんのバカたれ。。公開処刑なんて・・・あぁ。
良心的に真面目に作られている。そして誰でも情報発信できる無法地帯 Webの残虐性の問題提起もされている。また、人々の感心を呼ぶには扇情的になるのも、いたしかたないかも(この辺りで、もはや、この映画自身がメディアのパラドックスに陥っておりますな)のもわからないではないが。残酷残虐 言葉も無い。よく考えつくよなぁ。
 
しかし、ラストの潔さはいい。くどくど説明しないところが、映画として良くできている。
 
ジェニファー(ダイアン・レイン)のはママがメアリー・ベス・ハート(ウィリアム・ハートの元妻。ポール・シュレイダー監督の現妻)だったのに驚ooooo。「ガープの世界」の人よね。あそこを噛み切った人よねぇ。アンチエイジングなんぞしないで自然体で生きてはるのね、きっと。
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サン・ジャックへの道
2005年 フランス 112分
監督・脚本 コリーヌ・セロー(「赤ちゃんに乾杯!」「女はみんな生きている」
撮影 ジャン=フランソワ・ロバン
キャスト アルチュス・ドゥ・パンゲルン(長男ピエール)/ ミュリエル・ロバン(長女クララ「「ビジター」)/ジャン=ピエール・ダルッサン(次男クロード「百貨店大百科」
メモ 2008.5.3(土)晴れ WOWOW録画
あらすじ
ピエール、クララ、クロードの母親が亡くなる。遺産は100万ユーロと70万ユーロのお屋敷(1ユーロ160円として、約2億7千万円!)だったが、相続には条件が付いていた。3兄弟そろって、フランスのル・ピュイからスペインの西の果て聖地サンティアゴ(サン・ジャック)までの1500キロを、徒歩2ヶ月かけて、巡礼の旅をまっとうせよというものだった。「お袋の強制だ。死んでもこれだ!」と長男のピエールは怒り狂う。出世フリークの兄、歯に衣着せぬ厳しい妹、アル中の弟の3人組だ。
しかし金のため犬猿の仲の3兄弟は、ガイドのギイ、キリストの聖地になぜかイスラム教徒のサイードとラムジィ、フランス人の女の子カミーユとエルザ、そして頭にネッカチーフを巻いた謎の女性マチルドの総勢9人で旅に出発する。
感想
映画冒頭、3兄弟のところへ黒枠のついた手紙が別々の電車に乗って、旅をする。手紙ひとつでも手元に届くまでは、大変なんだな。仕分けしたり配達したりの色々な人のおかげで、目的地にたどりつくのだ。この最初のシーンが映画のすべてを凝縮しているようで、そのシャレたテクに感心した。
 
恐いお顔のクララは、公立高校の先生。最初は「コワイセンセやろな。こんな先生に習うのいややなぁぁ」と思っていた。ところが彼女はとっつきにくく頑固だけれど、以外に愛情深いのだ。最初は拒否っていたが、失読症のラムジィに字を教え始めるのである。それがまた忍耐強く良い先生なのだ。クララ自身も、荷車に家族を乗せてひとりでひっぱっている夢を見るほど、失業中の夫と子供達の生活に疲れきっていた。が、徐々に回復し、家族と歩く夢に変わっていく。
 
長男のピエールが変わっていき「俺たちは兄弟なんだ。」という所で思ったんやけど、兄弟仲のよさというのは、上の子の性格に左右されるところが大きいんじゃなかろか。小さい頃は力があるもんな。かわいげのある弟妹か? 親の兄弟に対する姿勢は? 年子は軋轢が大きいやろなという所もあるけど。上の子の度量が広く、愛情深く面倒見がよければ、そこそこ兄弟は仲は良いのかも。ところが上の子は、一人っ子でしばらく育っているからムツカシイのよねぇ。
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