1997年5月

デビル(THE DEVIL'S OWN)

1996年米
監督 アラン・J・パクラ(「レッド・ムーン」「推定無罪」「ペリカン文書」)
脚本 ロバート・マーク・ケイマン
撮影 ゴードン・ウィルス
出演 ハリソン・フォード/ブラッド・ピット/マーガレット・コリン/ナターシャ・マッケルホーン
メモ 1997.5.1 ナビオ阪急北野劇場
あらすじ
IRAの戦士フランシス(暗号名エンジェル/ブラピ)は、武器調達のため米国に潜入し、NY市警察官のトム(ハリソン・フォード)の家に居候となる。
父親のいないフランシスと男の子のいないトムの間に、男同士の絆がうまれていく。
感想
ブラピは、もの静かなで寂しそうな感じが「セブン」「12モンキーズ」に比べ自然体でよかった。
う〜んハリソン・フォードは引き立て役になってしまったかも。
ストーリーにひねりがないのが残念。特に「内通者」の話はどこにいったのだ?IRAの彼女が内通者だったらもっとおもしろかったのに。中途半端でした。
ラストシーンの海と船の俯瞰シーンはよかったです。
おすすめ度:★★
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傷だらけの天使

1997年日本118分
監督 阪本順治
脚本 丸山昇一
撮影 笠松則通
演奏 井上堯之バンド
出演 豊川悦司/真木蔵人/原田知世/余貴美子/類家大地/菅原文太/三浦友和
メモ 1997.5.2 第七芸術劇場(ななげい)
あらすじ
探偵兼何でも屋の満(豊川)と相棒の久(真木)のふたりが、父なし子になってしまった蛍(類家)をひょんな事から母のいるみちのくへと送っていくロードムービー。
感想
最初はフラフラしている2人が蛍をいれて3人になり、あっちにベタリこっちに ベタリとしたお話でしたが、「みちのくプロレス」でプロレス興行をするあたりからこの監督のペースにまきこまれ、おかしいやら、悲しいやら、見終わったら とてもいい映画でした。
・・・・かっこいいやら、悪いやらの男の美学の映画だと思います。
おすすめ度:★★★★
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狂へる悪魔(DR.JEKYYLL&MR.HYDE)

1920年米 63分
監督 ジョン・ロバートソン
原作 ロバート・スティーブンソン
撮影 ロイ・オーバーボウ
出演 ジョン.バリモア/ニタ・ナルディ
メモ 1997.5.4 IMPスタアシアター
あらすじ
10回以上映画化されている「ジキル博士とハイド氏」の中でも屈指の傑作といわれるサイレント映画
感想
当時の美男J.バリモアのノーメイキャップでのハイド氏への変貌は、評判どおりの傑作でした。瞳に宿る狂気は、一見の価値大いにありです。
おすすめ度:★★★
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ダークスカイ(Dark Skies)

1996年米 NBC放映 第1話
監督 トビー・フーバー(「ポルターガイスト」「スペースバンパイア」他)
脚本 ブライス・ゼーベス
出演 エリック・クロース/ミーガン・ウォード/J.T.ウォルシュ
メモ 1997.5.7 海遊館ホール
あらすじ
1961年ケネディ政権下のワシントンで2人の恋人たちは生活を始める。ジョンは地球外生物の地球侵略とそれを調査する秘密組織MJの存在を知る。
感想
「ボディスナッチャー」「インベーダ」「エイリアン」「ヒドゥン」をごちゃ混ぜにしたような展開で、わりとおもしろかった。
ただ、秘密を知った大統領は暗殺され、危険分子の一般市民の主人公が始末されないのは何故? 今後に説明がちゃんとあるんやろね。「主人公だから」なんてのはなしよ。
1963年からキリスト再臨前夜の2001年までの40年間を5シーズンかけて制作するという構想だそうです。ビデオは1シリーズ全10巻7月1日からリリース開始とのこと。
おすすめ度:2話以降に期待して★★1/2
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301・302

1996年韓
監督 パク・チョルス
脚本 イ・スォグン
出演 パン・ウンジン/ファン・シネ
メモ 1997.5.10 シネ・ヌーヴォ
あらすじ
301号室=過食症の女 302号室=拒食症の女 正反対だけど、同じように孤独なふたりのお話
感想
コメディと思って観に行ったのですが、ぜんぜん違っていました。淡々とした展開ながら、極端に突き進んでしまうふたりでした。ジャンル分けできない斬新な異色映画と思います。
調理するのシーンがいっぱいで楽しかったけれど、だんだん「過ぎたるはおよばざるがごとし」の諺が頭に浮かんできました。
ふたりの過去の色々な事情を言葉で語らせずに、映像でみせていくのがとてもうまかった。(「私の気持ちはこうなの、ああなの、ペラペラペラ・・・」がなくてよかった)ただ、何も食べられないはずの302号室はナイスバディ過ぎる・・・
おすすめ度:★★★1/2
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ロング・ライダーズ(THE LONG RIDERS)

1980年米
監督 ウォルター・ヒル
脚本 ステーシー・キーチ/ジェームズ・キーチ
出演 ステーシー・キーチ/ジェームズ・キーチ/ランディ・クエイド/デニス・クエイド/デビッド・キャラダイン/キース・キャラダイン/ロバート・キャラダイン/ニコラス・ゲスト/クリトファー・ゲスト/パメラ・リード
メモ 1997.5.11 TV
あらすじ
南北戦争(1860年〜65年)で負けた南軍兵士くずれが銀行強盗や列車強盗を繰り返す。
感想
渋い映画でした。見所は、4組の兄弟を実際の兄弟俳優が演じている所です。やっと、デビッド・キャラダインとキース・キャラダインがわかりました。
ジェームズ兄弟:兄フランク・ジェームズ(ステーシー・キーチ)弟ジェシー・ジェームズ(ジェームズ・キーチ)
ミラー兄弟:兄クレル・ミラー(ランディ・クエイド)弟エド・ミラー(デニス・クエイド)
ヤンガー兄弟:長男コート・ヤンガー(デビッド・キャラダイン)次男ジム・ヤンガー(キース・キャラダイン)三男ボブ・ヤンガー(ロバート・キャラダイン)
フォード兄弟:兄ボブ・フォード(ニコラス・ゲスト)弟チャーリー・フォード(クリストファー・ゲスト)
おすすめ度:★★★1/2
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スリーパーズ(SLEEPERS)

1996年米 147分
監督・脚本 バリー・レヴィンソン(「ダイナー」「グッドモーニング・ベトナム」「レインマン」「ジミー・ハリウッド」「トイズ」)
出演 ケヴィン・ベーコン/ロバート・デニーロ/ジェイソン・パトリック/ブラッド・ピット/ダスティ・ホフマン/ブラッド・レンフロ/ジョー・ペリーノ/ヴィットリオ・ガスマン/ミニー・ドライバー
メモ 1997.5.14 ナビオ阪急 スカラ座
あらすじ
N.Yのヘルズ・キッチンと呼ばれる移民の町で育った4人の少年たちは、ちょっとしたいたずらから事故をおこしてしまい、少年院に送られてしまう。そこで待ち受けていた日々とは・・・。スリーパーズとは、少年院に9ヶ月以上収容された人々をさすスラングの事なり。
感想
少年時代と大人になってからの2部構成ですが、少年たちが頑張っていました。特にリーダーのマイケル(「依頼人」のレンフロ)、シェイクス(「「陪審員」のペリーノ)がよかったです。でも全体的に、なんか少しづつ不満の残る映画でした。特に法廷シーンに丁々発止の緊迫感やひねりのなかったのが残念。「被告人の幼なじみを告発しているように見せかけながら、実は無実になるよう画策している」はずの検事補(ブラッド・ピット)は、まるで勝とうという気のない”やる気なしモード”に見えてしまった。また、元看守は法廷ですぐメロメロになっちゃうし、悪らしくもっとしぶとく追いつめられて欲しかった。
看守のケビン・ベーコン、町の顔役のヴィットリオ・ガスマンは好演です。
大人になったシェイクスを演じるジェイソン・パトリックは「スピード2」の主役に決定なんですね。「ハスラー」の名ハスラーを演じたジャッキー・グリースンがおじいちゃんなのかあ。
少年院で映画を観ているシーンがあります。ポール・ニューマンの「動く標的」みたいでしたが、どうかなあ。
おすすめ度:おまけの★★★
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グレイス・オブ・マイ・ハート(GRACE OF MY HEART "私の心を支えて")

1996年米 116分
監督・脚本 アリソン・アンダース(10代にママとなりそれから映画を学び始めた。「ガス・フード・ロジング」の監督)
製作総指揮 マーティン・スコセッシ
撮影 ジャン・イブ・エスコフィエ(「ボンヌフの恋人」)
出演 イレーナ・ダグラス/マット・ディロン/エリック・ストルツ/ブルース・デイビンソン(「いちご白書」)/パッツィー・ケンジット(「リーサル・ウェポン2」)/ジョン・タトゥーロ/ジェニファー・レイ・ウォーレン/ブリジット・フォンダ
メモ 1997.5.17 シネマアルゴ梅田
あらすじ
ポップミュージックが輝いていた1960年代、音楽に情熱を捧げた人たちのドラマ。
感想
好みがあると思いますが、音楽もストーリーもよかったです。目も口もおっきいイレーナ・ダグラスは、オシャレで、でっかい才能がある上にふところの広さが感じられました(ああ羨ましい)。どの役者さんもそれぞれ個性がはっきり出て好演です。タトゥーロは、アル・パチーノ似でした。ブリジット・フォンダはパンフを見るまでわかりませんでした。この人は意外に、やっぱり、ジェニファー・ジェイソン・リーに似ている!
おすすめ度:★★★★
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小間使

1946年米 
制作・監督 エルンスト・ルビッチ
脚本 サミュエル・ホッフェンシュタイン/エリザベス・ラインハート
撮影 ジョゼフ・ラシュル
原作 マージェリー・シャープ
出演 シャルル・ボワイエ/ジェニファー・ジョーンズ/ピーター・ローフォード/リチャード・ヘイガン
メモ 1997.5.22 BS録画
あらすじ
ヒトラーに追われてチェコからイギリスに亡命した大学教授ベリンスキーと配管工の姪で「詰まった配水管をみると直さずにはいられない」小間使のクルーニー。型にはまらない二人とイギリス階級社会とのゆったりした軋轢コメディ
感想
シャルル・ボワイエが、とてもステキです。「幸せにも色々ある。リスにクルミをやる幸せもあれば、クルミにリスをやる幸せもある」のセリフは忘れないと思う。薬屋ミスター・ウィルソンのお気に入りの絵には、開いた口がふさがらなくなりました。あの絵は一見の価値ありです。
チョーカーをしたジェニファー・ジョーンズもかわいい。「ジェニーの肖像」も好きな映画ですが、こんなにカワイイとは思わなかった。「風と共に去りぬ」のセルズニックと「見知らぬ乗客」のロバート・ウォーカーとの悲劇の3角関係(ウォーカーが若死にした原因と噂された)を読んだ後だったので、あんなにかわいいのに幸せにはなれなかったのかと思う。輝くような笑顔を見ると少し悲しい。
ルビッチの遺作です。お弟子さんのビリー・ワイルダーの「昼下がりの情事」のラストシーンは師匠への賛辞だったのですね。
おすすめ度:私は好き★★★★
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無頼の群(THE BRAVADOS)

1958年米 99分
監督 ヘンリー・キング
脚本 フィリップ・ヨーダン
撮影 レオン・シャムロイ
原作 フランク・オローク
出演 グレゴリー・ペック/スティーブン・ボイド/ジョーン・コリンズ/リー・バン・クリーフ/ヘンリー・シルバ
メモ 1997.5.23 CS
あらすじ
銀行強盗の罪で捕まった4人組が死刑直前に脱獄する。殺された妻の復讐のためにペックが追跡する。
感想
「レッド・ムーン」では追われていたペックが、この映画では追う側です。普通の西部劇かと思っていましたがサスペンス仕立てでひと味ちがった異色西部劇でした。宗教がでてくると「ちょっとわかんないなあ」と少し引いてしまうのですが、この映画では気になりませんでした。でもりっぱな教会だったなあ。「チャック・ノリスの野獣捜査線」の悪役ヘンリー・シルバが4人組の1人インディアン役で光っています。
おすすめ度:★★1/2
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再会の時(THE BIG CHILL)

1983年米 104分
監督・制作・脚本 ローレンス・カスダン(「わが街」)
脚本 バーバラ・ベネディック
撮影 ジョン・ベイリー
出演 ケビン・クライン(ハロルド)/グレン・グローズ(サラ)/トム・ベレンジャー(サム)/ジェフ・ゴールドブラム(マイケル)/ウィリアム・ハート(ニック)/メグ・ティリー(クロエ)/ドン・ギャロウェイ(リチャード)
メモ 1997.5.24 ビデオ
あらすじ
20年前の1960年代に反体制運動にのめり込んだ学生だった8人が、1人の葬式で再会する。
感想
ああやっぱりいい映画でした。出演者をみてください。すごいですね〜。男女、夫婦を超越した連帯感!「俺達の愛情は永遠だ」というどっかの監督みたいな言葉を、テレもなく言える!羨ましいです。思わず、気のおけない仲間さえいれば、他になにもいらないと思ってしまう映画でした。
メグ・ティリーが自殺したアレックスの恋人役で「新しい世代」の代表として出演。好きな女優さんです。「鬼警部アイアンサイド」のエドが8人の内の1人カレンの夫役でびっくり。
おすすめ度:★★★1/2
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殺人幻想曲(UNFAITHFULLY YOURS)

1948年米 
監督 プレストン・スタージェス
出演 レックス・ハリソン/リンダ・ダーネル/ルディ・バリー/カート・クリューガー
メモ 1997.5.24 BS録画
あらすじ
美人の若い妻が浮気をしていると思い込んだ指揮者が、殺人の幻想に取り付かれる。
感想
笑った。これこそ一人芝居ですね。レックス・ハリソンがぶきっちょで、さわるもんみ〜んな壊れるのよね〜私と同じやね〜。84年にダドリー・ムーア主演で再映画化
おすすめ度:★★★1/2
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影なき男(THE THIN MAN)

1934年米 91分
監督 W.S.バン.ダイク
原作 ダシール・ハメット
脚本 フランシス・グッドリッチ/アルバート・ハケット
出演 ウィリアム・パウエル/マーナ・ロイ/モーリン・オサリバン
メモ 1997.5.25 大阪OBPスタアシアター
あらすじ
探偵家業を引退したニックとノラが、発明家の失踪事件に巻き込まれる。3つも殺人事件があったよ。
感想
しゃれていて、おもしろかったんだけど、古い映画という感じはしました。ぬいぐるみのような犬のアスタがかわいい。ミア・ファローのママのモーリン・オサリバンが発明家の娘のドロシー役
「影なき男」を原案としたマキノ正博監督の「昨日消えた男」の方が私はおもしろかった。
おすすめ度:★★1/2
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レリック(The Relic)

1997年米 110分
監督・撮影 ピータ・ハイアムズ(「2010年」)
原作 ダグラス・プレストン/リンカーン・チャイルド
制作総指揮 マーク・ゴードン(「スピード」)/ゲーリー・レビンソン(「12モンキーズ」)
出演 ペネロープ・アン・ミラー(「カリートの道」)/トム・サイズモア(「ヒート」)/リンダ・ハント/ジェームズ・ホイットモア
メモ 1997.5.26 大阪毎日新聞オーバーホール 試写会
あらすじ
「スピーシーズ」&「ポセイドン・アドベンチャー」&「○゛.○○イ」みたいなお話です。進化中の生物レリックが人間を襲います。ある理由で。
感想
あんまり怖くないなあと思いつつ、最後は大音響とともにド迫力で思わず引き込まれてしまいました。思わせぶりな所がなくて好感が持てます。裏を返せば、単純でひねりがないという事かな。ほぼ全編暗黒画面でした。試写会だったので、「遊べるレリックちゃん」は付いてなかった。
おすすめ度:★★★
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ロング・キス・グッドナイト(The Long Kiss GOODNIGHT)

1996年米 121分
監督 レニー・ハーリン(「ダイ・ハード2」「クリフ・ハンガー」)
脚本 シェーン・ブラック
スタント・コーディネーター スティーブ・M・デイビソン
特殊視覚効果 ジェフリー・A・オークン
出演 ジーナ・ディビス/サミュエル・L・ジャクソン/クレイグ・ビアーゴ/イボンヌ・ジーマ(「ERのねむた目のレイチェル・グリーン」/デビット・モース/トム・アマンデス/ブライアン・コックス
メモ 1997.5.29 大阪千日前 東宝敷島
あらすじ
8年前浜辺で見つけられ、それ以前の記憶をなくしているサマンサは、クリスマスイブにTVに写ってしまったため、失った過去から命を狙われる・・・というあらすじは、あるのですが、要するに愛妻とアクションシーンを撮りたかったのでしょう。
感想
おお味、ザツ、笑ってしまうご都合主義の映画ですが、いっぱい爆発して迫力があって結構面白かった。「これは、ダイ・ハードか?」「テルマ&ルイーズか?」「007か?」というシーンも沢山あって、監督が好きなシーンを切りばったような脈絡のない映画です。悪役に迫力がなかったですね。ジーナ・デイビスはアクションに向いていないと思う。ナタの切れ味というか、ドタドタしてた。最後の倒れるシーンには笑ってしまった。でも、タダだったし、大衆娯楽活劇好きだし。1000円だったら、お薦め。
おすすめ度:★★★
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キートン将軍(THE GENERAL)

1926年米 
監督 バスター・キートン/クライド・ブルックマン
脚本 アル・ボーアズバーグ/チャールズ・スミス
出演 バスター・キートン/マリアン・マック/グレン・キャペンダー
メモ 1997.5.31 大阪OBPスタアシアター
あらすじ
愛する機関車"将軍号"と恋人を北軍から取り返すため、猛烈に奮闘する機関士ジョニー・グレイ
感想
面白かったし、すごかったです。観に行ってよかった。機関車が橋から落ちるところや、エキストラの数の多さ、機関車同士の追いかけっことかスピーディで迫力のある画面が続きます。
それだけではなく、こまかいところの"くすぐり"も満載でした。恋人のキャラもおかしい。敵軍に追われて大取り込みの真っ最中に箒で掃除を始めたり、燃料の薪に穴が開いていたら、「虫食いね」とばかりに、ほっちゃったり(料理やないねんから)。チマチマしてかわいらしい。キートン大好きです。
おすすめ度:★★★★★
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涙のマンハッタン

ナンシー・ピカード作 1996年
あらすじ
ジェニー・ケイン・シリーズ7作目。前作で、市民財団の所長を辞めたジェニーは、N.Y.の路上で殺害された友達の仕事を一時的に引き継ぐためN.Y.へ出かける。
感想
なんだか、「ハーレー・クィーン・ロマンス」物のような題名ですが、シリーズ中一番おもしろかった。おのぼりさんジェニーと、怪物のよう(に思われる)ニューヨークの関係がおもしろい。ニューヨークに行った事のある人ならとても楽しいと思う。
このシリーズは、キャロリン・G・ハートの「アニー・シリーズ」やシャーロット・マクグラウドの「セーラ・ケリング・シリーズ」に比べて、作を重ねても勢いが落ちない。
おすすめ度:★★★1/2
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図書館の死体

ジェフ・アボット作 1997年 1995年度アガサ賞 マカヴィティ賞最優秀処女長編賞受賞
あらすじ
アルツハイマーを患っているママの面倒をみるため、テキサスの田舎町に帰ってきたジョーダン・ポティートが主人公。
ジョーダンが館長を務める図書館で、”天敵”の女の人が殺されてしまった!。容疑をはらすため、解決に乗り出す。
感想
こういう”ミス・マープル物”のような、ちっちゃな町でおこる殺人事件は、色々な人間模様が書かれていて好きなんです。読まずにいられない。ユーモアがあっておもしろかったですが、途中はやはり、なかだるみでした。シリーズ化されているそうです。
おすすめ度:★★1/2
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カノン

篠田節子作 
あらすじ
小学校の音楽教師瑞穂の周りで、学生時代の恋人が亡くなった頃から、不思議な出来事が起こるようになる。
感想
人生の折り返し地点にさしかかった頃、今までしてきたことは何だったのか?という”中年の危機”のお話と書いてしまうと身も蓋もありませんが、こういう風にも書けるのかと感心しました。
ラストの瑞穂の選択は羨ましい。拍手。
おすすめ度:★★★1/2
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最後の訴え

リザ・スコットライン作 1995年 アメリカ探偵作家クラブ賞 ハヤカワ文庫
あらすじ
法廷弁護士でシングルマザーのグレースは、片思いだった上司のアルメンから愛を告白される。しかし、翌朝アルメンは自殺をしてしまう。本当に自殺なの?
感想
ちょっと前までは、女性探偵物が多かったのに、最近ママ、特にシングルマザーの奮闘記が多いです。まあまあでした。何がもうひとつかというと、文体がブツブツ途切れて流れず、読みにくかった。リーガル・サスペンスでは、読みやすい方かな。
おすすめ度:★★1/2
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定価200円の殺人

吉村達也作 1996年 角川mini文庫
あらすじ
主人公は、30代の大企業の独身サラリーマン。なのに、毎日のお小遣いが200円。200円が殺意を呼ぶ。
感想
「祝!角川mini文庫創刊」の”ちょうちん小説”ではありますが、面白かった。ひょっとしたら、この作者で一番面白かったかも。最後はフレドリック・ブラウン風。近所の公園で、この間の土曜日に紙芝居屋さんから600円分の「型抜き」を買った子がいたらしい。3枚50円で36枚!豪傑ですねえ。「型抜き」に600円使うような根性は私にはありません。この本は定価200円の所、消費税5%になり203円しました。ちょっと残念。(こまかい!)
おすすめ度:★★★
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ママは何でも知っている

ジェイムズ・ヤッフェ作 1996年7版 ハヤカワポケットミステリ
あらすじ
安楽椅子探偵<ブロンクスのママ>の短編集。殺人課刑事の息子夫婦との毎金曜日夕食の席で、"長年ごまかし上手な肉屋や食料品屋相手に鍛えた"眼力で、難事件を解決する。
感想
1950年代のお話ですが、古さは全然感じられない。8編すべて面白い。ちょっと口うるさくて、世話好きなユダヤのママです。いくつかは他の短編集に収録されてたのを読んだことがあったのですが、今回復刻されたので、ポケミスは高いけど買いました!小尾芙佐さんの訳もいい。
おすすめ度:★★★★
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