2004年7月の映画  戻る


スパイダーマン 2 SPIDER-MAN 2

2004年 アメリカ 127分 コロンビア
監督 サム・ライミ
脚本 アルヴィン・サージェント
撮影監督 ビル・ポープ ASC
美術監督 ニール・スピサック
視覚効果 ジョン・ダイクストラ ASC
音楽 ダニー・エルフマン
出演 トビー・マクガイア(ピーター・パーカー/スパイダーマン)/キルスティン・ダンスト(メリー・ジェーン・ワトソン)/アルフレッド・モリーナ(Dr.オットー・オクタヴィウス/ドック・オク)/ジェームズ・フランコ(ハリー・オズボーン)/ローズマリー・ハリス(メイ・パーカー)
メモ 2004.7.22 千日前・敷島シネポップ
あらすじ
「スパイダーマン」グリーン・ゴブリンとの戦いから2年がたった。日々人々を助け、バイトをして、大学で物理も学んで超いそがしい。こんなに働いているのにバイトはクビになるし、家賃は滞納しているし、教授からは怠けていると落第だぞと告げられる。・・・・これで生きているっていえるんだろか。その上伯母さんちは銀行に取り上げられそうだし、あこがれの君・メリー・ジェーンは手の届かない人になりかけている。僕の人生っていったい・・・・要領の悪いスパイダーマンはうじうじ悩みはじめるのである。
感想
おっきくて黒い悪いクモよい子のクモの戦い。
正義の味方は、ほんとお人よしでいい。悪役がまたよくてね。同じ科学者やねんけど、今回は「1」のそげた顔と違っては太め。でぶっちょ。アレをタコ(オクトパス)と見るか、蜘蛛と見るか、はたまたヤマタノオロチ・メカニック版と見るかは、悩むなあ。しかしあの昆虫的・爬虫類的動きはすごい。「1」を越えたね。
高架電車の暴走を止めて気を失うスパイダーマンを見て、「息子と同じくらいだ」という乗客の言葉がイタイ。こういう演出がうまいねんなあ。ハートがうるる。泣きそう(泣かへんけど)。
ただ、ラストがねえ。「足手まといやゆーてるやろー」と内心わめいていたさぼてんですが。あれはないやろ、ばちあたるデと思うけど、まあ、、、好きやねんからしゃーないか(大人の結論)。
 
うっとこのクモについて−2
先代は役目をおえられたみたいなんですけど、2代目か3代目が元気で。先代はベランダのクーラーのうしろに細々と巣をはってはったのに、若いのはどうどうとさぼてんの目の前の柵のところに網目をつくっているんですよ。大胆不敵と思いません?
おすすめ度★★★★★
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ウォルター少年と、夏の休日 SECONDHAND LIONS(中古のライオンたち)

2003年 アメリカ 110分
監督・脚本 ティム・マッキャンリーズ
撮影監督 クアッィ・N・グリーン,ASC
音楽 パトリック・ドイル
出演 ハーレイ・ジョエル・オスメント(ウォルター)/マイケル・ケイン(ガース)/ロバート・デュバル(ガス)/キーラ・セジウィック(メイ:ケビン・ベーコンずwife)/ジョシュ・ルーカス(ウォルター「アメリカン・サイコ」)
メモ 2004.7.18 心斎橋ビッグステップ・バラダイス スクエア
あらすじ
1960年代初頭のアメリカ・テキサス中部、母親に厄介払いされようとしている男の子がいた。14才のウォルターだ。母は自立しようとせず、男から男の暮らし。ウォルターは孤児院に入れられたり母親に引き取られたりどこかに預けられたりを繰返している。ハハも息子がかわいくないわけではないが、何しろ男好きでしかも男の好みが最悪。夏休みだけと預けられた大叔父ふたりはど田舎にTVも電話もない暮らしをしている変人だった。頭のねじが外れたふたりの楽しみと言えば、金を溜め込んでいるという噂にひかれてやってくるセールスマンをショットガンで追い返す事。
感想
まあ、赤毛のアン物というか・・・・<ちゃう、ちゃう。
少年をあずかる事で退屈しきっていた男の中の男たちは晩年の刺激と生きがいを得るし、よるべない身の上の父のいない少年は「男の中の男<男に必要なものは、名誉と勇気と高潔さだ」を教えてもらうのである。しみじみ地味地味とした”よい”映画と思いきや、俺達は若い頃アフリカで勇猛果敢ロマンあふれる大冒険やんちゃをつくしたのであった。とガース大叔父(マイケル・ケイン)が語るのである。嘘かまことかほら話か。少年にとってもこの夏休みは冒険に満ちていた。
 
いいよ、ロバート・デュバル、サー・マイケル・ケイン。もう73歳と71歳なのか。「ゴットファーザー」のマーロン・ブランドは亡くなったけど、トム(ゴットファーザー)とマイロ(探偵スルース)、後20年はじい様長生きしてどんどん映画に出て欲しい。
おすすめ度★★★★
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スイミング・プール

2003年 フランス 102分 日本語字幕:松岡葉子
監督・脚本 フランソワ・オゾン(「8人の女たち」「海を見る」 「ホームドラマ」
脚本 エマニュエル・ベルンエイム
撮影 ヨリック・ルソー
音楽 フィリップ・ロンビ
出演 シャーロット・ランプリング(サラ・モートン)/リュディブィーヌ・サニエ(ジュリー)/チャールズ・ダンス(出版社社長・ジョン・ボスロード「獣人伝−FIRST BORN」 「アクシデント」
メモ 2004.7.11 心斎橋シネマ・ドゥ
あらすじ
セックス、金、殺人、、そして警察の捜査というわくわくする小説を書いているサラ・モートン。シリーズは快調だが本人いささかよどんでいる。オールドミスハイミスいまだ摘まれざる花でありロンドンの気候は陰鬱だし年老いた父との生活は単調だし、出版社の社長ジョンは新人作家にばかり肩入れしているし、そのクソ新人作家に「母があなたのファンなんです。」と3回も言われるし。面白くない。 そんなサラにジョンは「南フランスの私の別荘でゆっくりしておいで。私も後から行くかもしれないしぃ。」と厄介払いをする。明るい南フランスの陽光の中気持ちがほぐれ始めた頃、ジョンの娘ジュリーが現れた。それはそれは奔放なブロンド娘だった。静かな生活を乱され心を乱されるサラだが、ただでは起きない作家魂。ジュリーの夜を覗き見日記を盗み読み小説を書き始める。
感想
期待たがわぬ傑作・・・という事はなかったかな。「8人の女たち」でも思ったけれど監督はミステリにはそれほど思い入れはないみたい。風来坊みたいな女の子がやってきて奇妙な女ふたりの生活が始まるのが「海を見る」にちょっと似ている。プール、窓からじっと見つめる女がアンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督の「悪魔のような女」かな。
ねたばれ
ラストおいてきぼりになった観客は、結局のところ「どこまでが現実でどこからが創造の世界だったのであろうか」と思う。思うはず。ジュリーは別荘に来ていたのか? 殺人はあったのか?
さぼてんがずばり真相を語りましょう。ジュリーは別荘にこなかった。殺人はあった。いかに田舎で若い男ひでりかもしれんけど、ジュリーが連れ込む男達がいやにおじさんだと思うんだな。つまりアバンチュールを毎晩楽しんでいるのは実はサラなわけだ。そしてある日男ともめて殺してしまった。ひぇーどうしよう。人のせいにしようー。というわけだな。母を事故で無くしたというジュリーのトラウマも実はサラの過去の話なんだな。いやもしかしたら「こんな娘が欲しい」というサラの願望が実体化したのかもしれん。多重人格物でしかもそれをちょっと高みから小説に書き、ついでに憎い人のはなをあかしふっきれてみずみずしくなって微笑むという詰め込んだ複雑なプロットなのである。両極端だったふたりの人格は徐々に歩み寄りちょうどいい所で融合する。
おすすめ度★★★1/2
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