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渡合温泉宿泊の2日目ですが、梅雨前線の本州停滞に伴い大雨に祟られました。
前日の猛暑を考えれば恵みの雨ですが、度を越えると生命の危険を感じる豪雨とも言えます。
この日の雨は、そんな境界線上の雨でした。
豪雨の中の撮影のため、デジカメを保護するために薄暗くなっていたり、焦点がボヤけている物が多いですが、そんな事情をご理解下さい。
怒涛の付知川西俣(Prodused By渡合温泉)は、下のワン・ショットで幕開けです。
何の変哲も無い渓流の落ち込みの写真ですが、ここには壮大なドラマがありました。
この落ち込みに至るまでに、土砂降りの林道を小1時間ほど彷徨い、蚊の猛襲を避けてヤブを漕ぎ、ぬかるんだ斜面を転げ落ちました。
その苦労の果てに、同行者の林君がこの落ち込みに記念すべき 第1投をしたのです。
すると、いきなり竿が弓なりに曲がり、かなり大きな魚が掛かったことを視認できました。
魚は暴れまわって、なかなかその姿を現しません。
見ている僕もヒヤヒヤする中を、岩に登っていた林君が思い切って魚をゴボウ抜きに引き上げました。
魚は茶褐色の丸々としたイワナで、余裕で30cmは越えています。
1投目から尺物なんて、これはツイていると思った瞬間
ブチッ!!!!
無常な音が豪雨の中を引き裂きました。
岩の上には立浪選手にサヨナラ満塁HRを打たれた上原投手の如く、頭を抱えてうずくまっている林君の姿がありました。
林君、立派なイワナだったよ。
僕の記憶の中では、こいのぼりのようにアノ尺上イワナが泳いでいるからね。
そう落ち込むなって。
幻の尺上イワナのネタで随分と引っ張ってしまい、申し訳ありません。
でも、こんな調子で魚の活性はかなり高かったです。
20cm程度のイワナはウグイのように釣れます。25cmクラスも計測するまでもありません。
こんな状況では、狙うは尺上(30cmオーバー)のみです。
滝壺から出た推定27cmのイワナ
魚の活性は良好のため、ポイントらしいところでは頻繁にアタリが出ます。このまま距離を稼げば、尺物を数本上げることはたやすいという感触はありました。
しかし、折からの豪雨の影響で、刻一刻と水かさが増し、水勢が激烈になっていくことに恐怖を感じました。
付近には林道はなく、鉄砲水が出れば即死です。
ここで死んでしまったら、毎日当サイトを閲覧して頂いている推定800人の皆様に更新情報を提供できなくなってしまいます。
この釣りサイトの更新はライフワークですから、例え仕事用のホームページを更新しなくなっても、本サイトの更新停止はありえません。
つまり、死んでも死に切れないってことです。
このまま釣り上がりたい衝動を抑え、林君と相談をして濁流に変わる前に撤収することにしました。
(その判断は正解でした。現に大雨洪水警報が出て、半日後には濁流と化した源流から生還できたのですから。)
轟音を立て、前方に立ち塞がる滝。
そして、比較的平坦な流れの本流に移動しました。
前日 はチャラ瀬だった場所が、水深のある淵に変わっていたのは驚きです。
この本流部では、アマゴが爆釣でした。
そんな中で、27cmの鼻曲がりアマゴが釣れました。
痩せていますが、精悍な顔立ちの27cmアマゴ
しばらく釣り進むと、淵で待望の大型イワナの力強い引きがありました。
林君の失敗を教訓に、慎重に引き寄せてネットに収めました。
大型イワナをGET!!
このイワナをメジャーで計測すると、29.5cmでした。
うーーーーん、微妙なサイズです。
30cmに5mm足りません。いわゆる泣き尺サイズですね。
嬉しいのですが、悔しい結果です。
どうも、尺サイズに見放されていますね。
ちなみに釣ったポイントはこんな所です。
悔しさに涙でかすんでいますね。(ウソ)
結局、27cmのアマゴと29.5cmのイワナのみキープし、他の魚は全てリリースしてきました。
尺上のGETは果たせませんでしたが、とても楽しませて頂きました。
渡合温泉の情報を教えて頂いた渓龍さん・テツさん、ありがとうございました。
また、付近の情報を詳細に教えて頂き、釣りに合わせた接待をして頂いた渡合温泉の皆様には、とても感謝をしております。
喧騒から離れてのんびりしたい方は、渡合温泉はお勧めですよ。
最終日の3日目は、河川が台風並みの惨状となったので釣りどころではありませんでした。
あんな濁流の中を、どうやって渓流魚が生き延びているか不思議です。
台風等で崩壊した付知の支流に岩魚を放流し、地道に渓流魚の棲息を手助けされているのが渡合温泉のご主人だと知って、頭が下がりました。
そんな個人の献身に支えられて、渓流魚の棲息が確保されている川も多いものだと再認識しました。
もちろん、漁業組合の努力が無くては、渓流釣りというレジャーは日本から即時に消滅してしまいます。
そんな環境で遊ばせて貰うという実態を考えたら、釣り人は謙虚にならなくてはいけないと思いました。
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