Ensamble Amedeo Mandolin Orchestra HOME  

mandolin


  メニューへ戻る


  表紙

  ごあいさつ

  プログラム

  曲目解説

 => 編曲ノート

  久我山小学校
      合唱団


  メンバー


  案内状

  チラシ

   

アンサンブル・アメデオ 第19回定期演奏会
パンフレットより

Ensemble Amedeo The 19th Regular Concert
〜未来のこどもたちへ〜
2003年1月18日(土)17時開演
於:大田区民ホール アプリコ
 


編曲ノート

日尾先生にお会いするきっかけというのは、かれこれ7、8年前に遡ることになります。子供の合唱とマンドリンアンサンブルとの共演なんてそれこそ夢みたいなことでしたから、なんとか実現したいという思いで、いろいろ調べていました。たまたま横浜のインターコンチネンタルホテルの開業パーティで「東京少年少女合唱隊」という、これはかなりメジャーな団体ですが、この団体をゲストで招待した経緯があり、そこで長谷川冴子先生にお会いしました。もちろん真っ先にこの団体に我々アメデオとの共演の可能性を打診しました。すると、さすがにメジャーなだけあってかなり活発に活動しているようで、「その頃は私共はヨーロッパ公演中ですの」ということできっぱり断られてしまいました。長谷川先生に「どこか紹介してもらえないでしょうか?」とお尋ねすると「練馬区の光和小学校の日尾先生はかなり熱心にされている」とご紹介いただきました。これがきっかけで光和小学校との共演が実現しました。「マザーグースファンタジー」はそのために書き下ろしたものです。光和小学校は毎年合唱コンクールで入賞するくらい素晴らしい合唱団で、ぼくもこのご縁で何回かNHKホールに聴きにいきました。光和小学校とは3回共演しましたが、その後日尾先生が久我山小学校に転校されることになり、しばらくは子供の合唱との共演から遠ざかっていました。もともと久我山小学校には合唱団はなかったようですが、一昨年ついに新たに合唱団を結成されたという知らせを聞きました。それで去年の3月に卒業演奏会に招かれて久我山小学校で久々の合唱との共演となりました。「ふるさと」「花束を空に捧げよう」そしてなつかしい「翼をください」を演奏しました。結成したばかりの、できたてほやほやと聞いていましたので正直なところあまり期待していなかったのですが、聴いてみるとびっくり!それは素晴らしい歌声でした。今回は、そのときの卒業生(いまの中学1年生)も参加してくれます。久我山小学校の光田校長先生はたいへん気さくで、おまけに音楽が大好きという方で、お会いしてアメデオ出演の意向を打診すると二つ返事で了解いただきました。練習にも来られて、自ら写真まで撮って小学校のホームページにも載せていただきました。合唱との共演以外にも練習会場として体育館をご提供いただくなど、ご支援いただきましたことに心から感謝の意を表したいと思います。

さて、「マザーグース」は2回目となりますが、今回はプログラムの構成上一部割愛しています。グリーンスリーブスは合奏だけのところなのでこれもカットしようと思っていたら日尾先生からのリクエストでこれは復活することにしました。編曲上の修正点としては、編成的にはピアノが入ったこと。全体的に音の響きに着目しながらオーケストレーションを微修正したことなどです。化粧直しみたいなことです。歌詞については光田校長先生の意向が加わり一部修正されました。一例ですが、マザーグースのうたは「高らかにうたうようなものではない」むしろ「優しいうた」なのだそうです。たしかに!それから、耳をすましていないと聴き逃してしまうかもしれませんが、いろいろな楽器を取り入れました。イマジネーションを一層高めようというのが狙いです。前回もリコーダーは登場していましたが、今回は笛ならばなんでもOKということになっています。ウクレレとバンジョーも登場します!村じゅうの楽器が集まってきて、マザーグースのなんともいえない不思議なメルヘンの世界を表してみようという感じです。

「子供部屋」もアメデオとしては再演になります。97年のサマーコンサートで取り上げました。そのときは「フランスの子供のうた」というタイトルにしましたが、そのあとこの曲集が音楽の友社から出版されて「子供部屋」というのはなかなかいいタイトルだということで今回は「子供部屋」ということにしました。今年は作曲者のアンゲルブレシュトさんの曲が演奏されているのを見てちょっとびっくりしたりしています。どちらかというと指揮者のほうで有名な方ですから。なにしろこの曲集は全部で36曲もあるので、どれを選ぶかというのが大変なことです。アンゲルブレシュトさん自身も自らオーケストレーションされているそうです。LPではレコードがあるようですが残念ながら絶版です。第3集(全6巻中)をオーケストレーションしていますが、これだけがなぜか出版社が違うようで、しかもこれまた絶版中のようです。それで今回取り上げたのは比較的後期のものになりました。ラベルの「マメールロワ」のようなファンタジーの世界が表せたらという願いみたいなものを込めました。

「おもちゃの交響曲」は、ソロがなかなか決まりませんでした。希望者を募るということを試みましたが結局これはうまくいきませんでした。「子供たちがやる」というのは企画としては素晴らしいことでしたが、ちょっと間に合いそうもないということで却下。それで結局パーカッションのみなさんが引き受けてくれました。いつもは後ろの方でいろいろな楽器をやっていますが今回はソリストとして登場します!ひとりだけ子供が登場しますが、亮君はいつも練習に来ていますので特例ということになりました。(最近アメデオも子連れで練習に来る方が増えています。亨君が指揮をしているときは、ぼくは子供の相手をしています。この間の久我山小学校のときなどスターウォーズごっこをやってしまいました。秘密の宝物を探しに出かける探検隊みたいな感じです…。)それで亮君はトライアングルの予定です!自宅で猛特訓してくれたそうです!がんばってね!そう、この曲はじつは不思議な編成で原曲にはヴィオラとチェロがありません。その点はちょっとやっかいでした。最近ブームになっている古楽器アンサンブルを意識して編曲することに。ギターは通奏低音のチェンバロみたいに。ですから、できるだけ歯切れよく颯爽とした演奏になるといいなと思っています。

「時の踊り」は一昨年慶應義塾マンドリンクラブのために編曲しました。アメデオは編成が大きいのでオーボエとピアノを加筆しました。この曲はイタリーの方でもビリーという作曲家がマンドリン合奏用に編曲しています。マンドリンでは比較的よくやる曲です。最後のギャロップも痛快ですが、前半がいいですね。うっとりするような旋律、たまりません!

「魔法使いの弟子」は、そもそもディズニーのファンタジアを意識して選んでしまいました。もちろんプログラムとしては素晴らしい締めくくりだとは思うのですが、これがかなりの難曲でした。始め作ったときは元調f-minorで編曲したら、これはフラットだらけで音にならないとマンドラの山田君から提案があり半音下げることになりました。昨年終曲で演奏した「1812年」のときもそうでしたが、やはりマンドリンオーケストラですといろいろ制限がある。本来ならばその制限を踏まえて弾けるように編曲しなければならないのだと思いますが、このあたりはいろいろとご異論のあるところかもしれません。しかし、フレーズそのものが、なんというか、えぐいですね。じつに厳しい。なにが厳しいかというと、メロディとトレモロの関係が極めて超絶技巧であります。しかし、その苦悩ぶりそのものがどうにも止まらなくなってしまった箒の水汲みのもどかしさ、悪魔的な形相を演出するにはまさにもってこいなのでありましょう。む、む、む、これはいかに!しかし魔法使いの弟子というだけのことはあって、さながらハリーポッターのようですね。そうか、ハリーポッターか… それでも、一旦木っ端みじんになったと思いきや箒のかけらがビ、ビ、ビっと復活するところのギターは結構いけるのではないかと悦にいっていたりして。今年はマンドラが元気がいいのでパパーラ、パパーラのホルンやトロンボーンの叫び声のようなフレーズはちゃんと聴こえてくるようです。

今回のプログラムにはいろいろと仕掛けがたくさんあって、つまり何が出るかわからない的なこともあります。予測不能状態でひょっとしたらパニックに陥ってしまうかもしれません。しかし構想としては、まず子供部屋にはいる。子供部屋にはおもちゃがたくさんころがっている。そしてマザーグースのうたが歌われる。ここまではロンパールームの世界で、まさに子供の領分というところ。2部に移って、時の踊り。これも相変わらずファンタジーの続き。そしてシューマンの「トロイメライ」。ここで深い眠りにつくのです。ここが総べてのプログラムの重心になっているつもり。そこでいったいどんな夢をみようというのでしょう!もちろん夢の原則として、理屈ではどうしようもないもどかしさ。これはつきものです。不思議の国のアリスで兎が穴に落ちていきますね。落ちるというのもよくあるパターン。そしてとりとめもなくだらだら次から次へと話しが展開するというものです。さて、魔法使いの弟子のあとは何がおこるのでしょう?そのあたりが暗闇の向こうの世界ということで、まぁ、ヒントはこのくらいにしておきます。

というわけで、毎年、盛り沢山で消化不良気味な点はご容赦ください。やりたいものがまず来て、それで楽譜がないから編曲する。そういうことになっています。未熟な譜面にもかかわらず演奏していただける幸せ。メンバーのみなさんに感謝したいと思います。
2003年1月
小穴 雄一


HOME | アメデオについて | 笑顔! | 歩み | 活動 | 演奏会案内 | パンフレット | CD販売 | 試聴室 | 写真館 | 掲示板 | リンク
Copyright(C) 1998-2007, Ensemble Amedeo All rights reserved.