悠久のインド〜サールナート
 
Sarnath
 
 
サールナート
 

 
寝台列車に乗る
 


   
三段(!)ベッド
乗ってみてビックリ! 何と三段ベッドではありませんか。外国人である私たちが乗るくらいだから一等車のはずなんだけど。さすがインド、と妙に感心しつつ車掌をつかまえ毛布をゲット。冬のインドの朝晩は冷え込むのです。昼間はベッドを跳ね上げるとご覧の通り普通に座れます。
   

     
世界の車窓から
気になる寝心地はというと、これが意外に快適。硬いマットが背中や腰に負担をかけないみたいです。あえて希望して三段ベッドの一番上にしてみました。昇り降りがちょっと大変でしたが、日本人でこんな経験をした人はそういないだろうと思うと、ほのかな優越感も湧いてきました。ところで、インドの鉄道は日本とは逆に右側通行。幹線でもあるせいか、連結車両は異常に長い。カーブでデッキに出てみると、前も後ろも見渡す限り客車が続いていました。当然、駅のホームもそれに合わせて長いんだろうな。
     

   
田園地帯
夜が明けて、列車はヒンドスタン平原を走ります。車窓は見渡すかぎり一面の田園地帯。素朴な風景に心が休まります。ところで、到着予定時刻を過ぎても一向にバラナシに近づく気配がしません。これがインド時間か。安全第一の運行なのでしょう。と思うことにしておこう。
   

 
ムガールサライ駅
 


   
行商
長距離列車が到着するバラナシの玄関口は、街の郊外にあるムガールサライ駅。列車が到着すると乗客めがけて一斉に人々が集まってきます。果物売りや荷物運びなど、みんな仕事にありつこうと一生懸命です。ハウラー駅とは逆で活気にあふれていてなかなかいい雰囲気でした。
   

   
牛と草
草ぼうぼうで廃線のようですが現役の線路です。面白いのはあちこちに牛がいること。ヒンドゥー教では牛は聖なる動物とされており、駅だからといって邪険にできないのです。列車が来たらどうするんだろう。さて、ここで車をチャーターしバラナシへ。玄関口というよりは隣街。けっこう距離がありました。
   

 
ガンジス河
 


   
広い!
東岸のムガールサライから西岸のバラナシへ。このあたりの川幅はざっと1kmといったところでしょうか。あまりの広大さに対岸が霞んで見えません。鉄橋の高さもかなりのもので、山間の峡谷を思わせるほどです。実際、この橋の手前まで山道を走っていましたから、あながち感覚に間違いはないのかも。
   

 
鹿野苑
 


  生誕の地ルンビニ、悟りの地ブッダガヤ、入滅の地クシナガルと並んで、仏教の四大聖地となっているサールナート。仏跡巡りの基本としてはぜひ押さえておきたいところです。  

   
釈迦の樹
釈迦の教えはやがて世界に広まり、多くの人々の心に染み込んでいきます。仏教の誕生です。それを聞いていたのかいないのか、枝の伸び方といい葉の茂り方といい、サールナートに生えている樹はどれもみな妙に年季を感じさせます。実際に釈迦を目撃した樹も何本かあるに違いありません。
   

   
ストゥーパ
インドにおける仏教の衰退によりサールナートは忘れられた地となっていきます。往時の繁栄を唯一伝えるのがダーメク・ストゥーパ。6世紀の造営と言われるこの建物は間近で見るとかなりデカく盛り土をした小山のようですらあります。それにしてもデカい。
   
根本香積寺
現地名ムルガンダ・クーティ寺院。堂内の壁は日本人画家、野生司香雪によって描かれた仏陀の生涯で埋め尽くされています。仏教ゆかりのものには漢字の名前がついていますが、でもどうやったら「ムルガンダ・クーティ」が「根本香積」になるの?
   

       
 
最初の説法
悟りを開いた釈迦は、ここで初めての説法を行います。最初の聴衆は5人の修行者と森に住む鹿だったと言われています。鹿野苑という地名の由来です。
 
少女
話しかけてもはにかむばかり。観光している間、少女は何かを売るわけでもなくずっと後をついてきました。私たち外国人が珍しくて仕方なかったのか。可愛いなあ。
 
読経
衰えたとはいえ、まだまだ世界の仏教センターです。この時も四人の僧侶が熱心に読経をしていました。見た目インド人っぽくなかったけど、チベット辺りから来たのかな?
 

 
絹織物工場
 


   
試着
特に絹織物が名産とのことで、直売工場の見学に出かけました。到着するなり女性陣の周りにはお店の人が集まり即席のファッションショーの始まり始まり。サリーは一枚の布から出来ており、それを体に巻いていくのですが、素人には意外に難しい。
   
完成
それでもどうにかこうにか完成にたどり着きました。簡易形としては片方の肩を出すスタイル、頭にも巻くと正装のようです。こうしてみるとなかなか決まっていますが、歩けと言われるとそれはまた別のお話。少し動いただけで崩れて脱げちゃうんですよね。
   

       
 
手作業
こちらは工場。昔ながらの織り方を見せてもらいました。生地に仕上げるまでにはとても細かい手作業が必要です。これじゃあ値段も張るわけだ。
 
アヤメとカキツバタ
絹製品の善し悪しは素人でもわかります。気に入ったものは値段も高い。プリーツの出方が違います。貧乏旅行者としては試着だけで我慢。服だけならみんなアヤメ?
 
マハラジャの帽子
マハラジャの帽子も売っていました。被るとそれだけで気が大きくなってくるから不思議です。誰の頭にも妙にフィットします。欲しかったなあ。もっとお金があったら……。
 


   

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