Angkor Wat |
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アンコール・ワット |
言わずと知れたアジアの至宝。カンボジアの代名詞とも言えるこのヒンドゥー教の壮大な墳墓は、12世紀、スルーヤヴァルマン二世によって建造されました。 |
環濠 |
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西塔門
シェムリアップから来た道がぶつかるT字路を左折し、一周5kmに及ぶ堀沿いを南から西へと回り込む。アンコール・トムとは正反対に西側が正面入口となります。往時と変わらずとうとうと水を湛える環濠越しに見る遺跡は「まるで皇居みたい」。とすると、ここが二重橋なのか、おっかさん。
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憩いの場
西側の堀沿いは市民の憩いの場になっていました。ベンチも設けられていて、夜は若いカップルが鈴なりになるとか。遺跡を見ながら月夜のデート、ってお洒落なのかな。
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二本の橋
堀を渡っていざアンコール・ワットへ。長い年月の間に壊れた橋はフランスの援助により右半分だけが修復されています。視点を低くして見るとその違いが歴然とわかります。
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ゴムボート
堀に目を向けると大きなタイヤをそのまま利用したゴムボートがプカプカ。乗っているのはみんな現地の人だけど何をやっているんだろう。魚釣り?ゴミ拾い?物売り?
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参道 |
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まだまだ遠い
西塔門をくぐると、そこからまた長い参道が始まっていました。何しろ1.5km×1.3kmの敷地ですからね。規模が違います。簡単に着いちゃったらありがたみも薄れるしね。
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経蔵
参道を歩いていくと両脇に経蔵がありました。左のものは修復中。足場が組まれていて見栄えはしないものの、壊れ具合が美しくつい撮ってしまいました。
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聖池
五つの塔の重なり具合、池に映る逆さまの姿、このアングルに見覚えのある人も多いことでしょう。カメラマンの腕が良ければ、さらに素晴らしい眺めになります。
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江沢民の階段
テラスに登る木製の階段。新しそうだなと思ったら、中国の江沢民主席来訪に合わせて造られたものだとのこと。現地では「江沢民の階段」と呼ばれていました。ここまでくるとさすがにアンコール・ワットの全貌がかなり明らかになりますが、近すぎるため塔が重なり合って三つしかないように見えます。
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回廊 |
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西塔門
長かった参道が終わり、ようやく寺院本体にたどり着きました。塔門をくぐったところで振り返ると、今まで歩んできた道のりが夢幻のように霞んでいました。って、さすがに大げさですが、でも、けっこう彼方に見えるでしょ。タイムスリップしたような感覚にもなりますよ。
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第一回廊
アンコール・ワットの見どころといえば、なんと言っても第一回廊のレリーフ。ふと見上げると、天井にも装飾が刻まれていました。ハスの花をモチーフにした幾何学文様。目立たないところにも手を抜かない。こんなところにも王朝の底力を感じます。見習いたい態度ですね。
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マハーバーラタ
それでは代表的なレリーフを順次紹介していきましょう。まずは有名なヒンドゥー神話の「マハーバーラタ」から。戦闘の様子が写実的に描写されています。ほんの一部ですが完成当時の色も残っています。舞台はインドのはずなんだけど、誰か実際に見たのかというほど細かいです。
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チャンパ戦争
繰り返し描かれているモチーフに、当時の隣国チャンパとの戦争があります。昔からベトナムとは仲が悪かったんですね。さすがにこれは実際に見たんだろうな。それにしても、アンコール・ワットって赤かったんですね。意外です。ひょっとして建物自体も赤かったんでしょうか。イメージ狂うなあ。
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地獄絵図
これはちょっと面白い。当時の人々が考えた地獄のイメージです。磔になった上で全身に釘を打ち込まれるのだそうな。そりゃ確かに地獄ですね。見るからに痛そう。他にも舌抜き、火責め、むち打ちなど、閻魔大王によるありとあらゆる責め苦が展開されています。日本人にはわかりやすいですね。
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乳海攪拌
数あるレリーフの中で最も有名なのがこれ。神々と阿修羅たちが蛇を綱引きし、その泡から天地が創造されたというお話。ピントが合わせづらく撮影は困難です。
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日本人最初の足跡
石壁に書かれた毛筆の落書き。江戸時代にアンコール・ワットを訪れた森本右近太夫という人が残したそうな。しかしこれって、暴走族の「何とか見参」と同じじゃないの?
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第二回廊
第二回廊の内側。クメール遺跡特有の、あのそろばんの玉を重ねたような嵌め殺し窓が並んでいました。窓といっても背景に壁があるので風通しはゼロ。Just a 装飾。
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中央祠堂 |
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史上最強の階段
メキシコのチチェンイツァにも、ミャンマーのバガンにも、エジプトのピラミッドにだって登りました。でも、この傾斜は角度が違う。ほとんどロッククライミングだよ、こりゃ。
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ジャングル
祠堂からはアンコール・ワットを取り囲む密林が360°見渡せます。なるほど、これならしばらく発見されなかったのも納得がいきますね。
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黄昏
片隅でひとり佇む白人の旅行者。傾きかけた陽の中で何を思っているのでしょう。それとも実は疲れただけなのか。ここに来るまでかなり歩いたからな。
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スルーヤヴァルマンの宇宙観
庶民の救済を重視したバイヨンとは異なり、アンコール・ワットは徹頭徹尾「王のため」に建てられました。大海を象徴する環濠と山脈を象徴する回廊に囲まれて建つ中央祠堂は宇宙の中心であり、そこに葬られる王はヒンドゥーの主神ヴィシュヌと一体化する。古代エジプトにも見られる神権政治、そしてそれを支える神王思想の具現化です。スルーヤヴァルマン二世の時代、アンコール王朝は必ずしも磐石ではなく、歴代の王は前王よりも壮大な寺院を造営し、自らの権力を民衆に誇示しなければならなかったのです。逆説的な歴史があったんですね。
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降りるのも大変
階段がいかに強力なものか、このアングルならわかってもらえるでしょう。狙って撮ったわけではありません。見たまんまです。高所恐怖症の私にとってはほとんど拷問。手すりに掴まってても怖いんだから。階段の上で立ち上がったりしたら自殺行為です。昔の人はどうやって降りたんだろ。
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