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「ただいま・・・」 「おかえりなさ〜い」
玄関に迎えに出たお母さんは、貴志君の靴を見てビックリした。
「誰の靴?」
「うん・・・僕の靴また無くなっちゃった・・・。」 「学童に行くのに靴を探してたらね、学童のお姉さんが来て一緒に探してくれたの。」 「横の模様が似てるからこのくつかなぁ〜と思って・・・。」
貴志君は一生懸命言い訳をした。
「この靴かなぁ・・って、あなたが履いて行った靴は黒い靴だったでしょう?」 「この靴は白だよ〜、それに大きさだって全然ちがうじゃない。」
貴志君が履いて帰ってきた靴は朝履いていった靴とは似てもにつかない靴だった。
サイズもふた周りほど大きく、3年生くらいが履くような靴だった。 靴の横には「神田 明」と名前が書いてあった。
「どう、しちゃったの?まこちゃんに靴、変えてもらってなかったの?」
お母さんは、あきれると同時になんだか大変な事になってしまった予感がした。 やっぱり、1年生に任せてしまったのが悪かった、最初から先生に言えば良かった、と後悔した。
それにしても、まこちゃんの靴もなくしてしまったとなると大変。
お母さんは、担任の先生に最初に貴志君の靴が無くなったときに子どもにまかせっきりにしてしまったこと、今度はマコちゃんの靴もなくしてしまったこと、そして、誰かわからないけれど他の子の靴を履いて帰ってきてしまったことなどのことを手紙に書くことにした。
(その子はどうやって帰ったんだろう・・・と思い悩みながら・・・)
次の朝
「貴志君、このお手紙と昨日履いて帰った靴を先生に渡してね」
と、手紙と白い大きな靴を貴志君に渡した。
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