山岸誠くんと山本貴志くんは今年桜井小学校に入学したばかりのピカピカの一年生。
二人は同じクラスで、名簿の順番で席が並んでいる上にどういうわけか、お互いとっても気があって、何をするのもいつもいっしょ。 体型は貴志君のほうが一回りくらい大きいけれど、いつもいっしょにいるせいか、顔はなんとなく似ていると、クラスでも評判だ。 山本貴志君は、両親が働いているので、学校の授業が終わったあと、学童保育所に通っている。
ある日、授業も終わり、いつものように学童保育所に行こうと靴箱のところに行くと、貴志君の靴がなかった。
良く見ると、自分の靴箱の上のまこと君の靴箱に「やまぎしまこと」とかかとのところにネームが書かれた靴が残っていた。
ちょっと、小さいけれど、自分の靴と色もデザインも同じだった。
「これで、いいや」
たかし君は、「やまぎしまこと」と書かれた黒い靴をはき、いつも通り学童保育所へ向かった。
|