クラインスペース

   木星における機界31原種最終作戦において肺原種が他の16原種の協力をもって形成した脱出不能とまでいわれた異空間のこと。構造概念図にドイツの数学者クリスティアン・フェリックス・クラインの考案した「クラインの壷」が用いられたことから命名された。「クラインの壷」とは円筒を一回ねじり、その端と端を繋いだ壷型の管で、三次元では実現できず「メビウスの帯」と同様に裏表の区別が出来ない曲面の一例とされている。
   このクラインスペースは強力なレプリションフィールドにより目標物の周囲の空間を湾曲、アレスティングフィールドにより内部を最低限保護しつつ空間を縮小湾曲させ肺原種の体内に取り込んで封印する。追撃してきたジェイダーを封印し、更にジェイダーの救出と原種への奇襲作戦のため出撃してきたGGG艦隊をも封印することに成功する。しかし強襲偵察艇ムラクモの複合型特殊センサーによりレプリションフィールドとアレスティングフィールドの最大曲率が一致する特異相克点を発見され、ダブルヘッドドライバーが生み出した空間の裂け目からジェイダーが脱出。Jアークとの合流に成功し肺原種を撃破。それに伴ってクラインスペースも消滅し、GGG艦隊も異空間からの脱出を果たした。
   周知の通り湾曲空間はその復元の際に内部に異物が存在した場合、膨大な反発エネルギーが生じ周囲の事物を消滅させるほどの爆発を引き起こす。(これは第17話を参照してもらいたい。)   機界31原種がこの方法を用いればジェイダーやGGG艦隊を瞬時の内に葬ることも可能だったはずである。しかし結局この作戦がとられることはなかった。これは機界31原種がGGG艦隊のクルーたちはゾンダー素体として、ジェイダーは戒道少年Jアーク・キャリアーモードを破壊した後、ソルダート・J−019のようにゾンダーとして利用するつもりであったためと推測される。
 一般的には物理的に脱出が不可能な閉鎖空間をさす。