『S−Report』  6/23 市民がつくるメディアと市民発信  − 愛・地球博「市民発信(市民メディア)デー」 


 5月5日、愛・地球博(2005日本国際博覧会)の瀬戸会場市民パビリオンの対話劇場で「市民発信(市民メディア)デー」が開かれた。

 このイベントでは「アクセスグリッド」というインターネットTV会議システムを使い全国5ヶ所を映像で結びながら、その様子をインターネット中継で一般に公開した。
 アクセスグリッドを使った「アクセスグリッドプロジェクトin愛・地球博」(愛・地球博の市民プロジェクト認定)では随時市民パビリオンの様子などをライブ配信するほか、「日韓交流プロジェクト」、「子ども教育サミット」などのプログラムでは各国・各地を映像で結びながらその様子を一般に公開する。

 今回の市民発信デーは「市民発信『京都三条ラジオカフェ』3Days」の一つとして行われ、「市民がつくるメディアと市民発信」をテーマに行われた。  第1ステージのトークライブでは市民が放送する市民ラジオ局「京都三条ラジオカフェ 」(運営 )の番組「難民ナウ!」の宗田勝也氏と放送の運営にあたる特定非営利活動法人京都コミュニティ放送の福井文雄理事などが市民放送について討論した。

 第2ステージ、第3ステージではミニライブをはさみながら、アクセスグリッドを使って、全国市民メディア交流大会に参加している各地の市民メディアを映像で結びながら、日本における「市民メディア」のあり方を討論した。    今回、このイベントに参加した市民メディアは「ラジオメディア」の京都三条ラジオカフェ(中継点は万博会場)、「インターネットメディア」の横浜市民メディア連絡会(横浜市)、「デジタルアーカイブ」のHakodadigital(函館市)、「TVメディア」の中海テレビ(米子市)、「住民番組製作組織」(住民ディレクター)のマロンてれび、プリズム(山江村/熊本)と多様であり、単一メディアの論議にとどまらない事例が紹介された。

 これらの市民メディアはそれぞれメディアとして新たな試みを行っているばかりでなく、その手法においても新しいメディアの可能性を示唆している。  市民がつくった番組をテレビ局が放送するという制度であるパブリックアクセスを実践している中海テレビや市民が放送する京都三条ラジオカフェ、住民ディレクターという手法を持つプリズム、マロンてれび、地域の歴史や情報をデジタル化することを地域づくりに結びつけるHakodadigital、そして、市民が自由に市民メディアを活用してメンバーが協働して行政への政策提言や社会的実験などを行なう横浜市民メディア連絡会など、これらの手法はこれからのオルタナティブメディアを築く重要な要素である。  

 愛・地球博でも愛・地球博市民放送局があり、「愛・地球博市民プロジェクトの一つとして、市民プロジェクトや地球市民村など市民参加の多彩なプログラムや愛・地球博の様々な側面を市民の独自の視点から伝えていきます。  「あなたがレポーター、市民がつくる放送局」というキャッチフレーズ通り、学生、会社員、他の市民プロジェクトのリーダー、フリーのライターなど様々な立場の人たちが会場の内外で取材して番組・記事を送り出すとともに、来場者にも写真や記事を投稿してもらえる仕組みを取り入れています。また、全国各地の市民メディアとも連携し、番組・記事の交流も行っていきます。」(愛・地球博市民放送局サイト)

 愛・地球博のあり方の是非はともかく、この愛・地球博市民放送局にも、そのコンテンツコーディネ−トを行っている特定非営利活動法人ボランタリーネイバーズや特定非営利活動法人アースディエブリディが試みているオルタナティブメディアのあり方の一端がみてとれる。

 尚、9月に熊本で開かれる第3回市民メディア全国交流集会の参加拠点のひとつとして愛・地球博対話劇場が使われ、アクセスグリッドで結ばれる全国の市民メディアの交流が再び行われる予定とのこと。

 「市場原理とメディア」?とか「テレビとIT」?といった”ホリエモン”堀江貴文氏の宿題を今頃やってる既成メディアや「市民が発信する」こと意味への理解が充分とはいえない”ホリエモン”堀江貴文氏は、これからの市民メディアやオルタナティブメディアについてこれるだろうか。

 

  関係イベント


 杉並区教育委員会   すぎなみコミュニティカレッジ


   子ども・おとな学びあい〜地域にある学びの種を見つけよう

  子どもの目線を学び、子ども・おとなが一緒になってフィールドワークすることで、子どもを社会の構成員とした位置づけ、地域の素材をもとにした学びのありようを考えていく講座です。 地域にある「学びの種」を一緒に見つけてみませんか
 杉並区児童課や本天沼児童館と連携しながら、地域に存在する様々な資産を発掘し、地域社会のありようなどを子どもの目線に立って検証し、地域から学ぶ人材を養成する。

 そのために児童館での子どもとのふれあいを組み込んだ講座です。

期間: 7月〜9月(全6回)

場所: 杉並区科学館(杉並区清水3-3-13)
      杉並区本天沼児童館(杉並区本天沼3-34-35) 他、区内公共施設
                       
(1)講座の方針・目的・ガイダンス
 7月19日(火)10:00〜12:00 井草地域区民センター

講座の方針・目的・ガイダンスなどを通した参加者どうしのさまざまな共有と児童館職員からの子どもの現状についての講義。 担当 企画者および児童館職員

(2)児童館と地域の関係など
  7月26日(火)10:00〜12:00 杉並科学館 

児童館館長から児童館と地域の関係などの話と、それをもとにした子どもとの接し方の検討。 担当 企画者および児童館館長

(3)フィールドワークと児童館で子どもの目線を把握する実習(その1)
  8月9日(火)13:00〜16:30 本天沼児童館および周辺地域 担当 田中恒明(地域情報研究所)長岡素彦(地域情報研究所)

(4)フィールドワークと児童館で子どもの目線を把握する実習(その2)
  8月16日(火)10:00〜12:00 本天沼児童館および周辺地域 担当 田中恒明(地域情報研究所)長岡素彦(地域情報研究所)

(5)振り返りを通して、地域での学びのあり方を考えるプランニングの練習
  9月 6日(火)10:00〜12:00 杉並科学館 担当 山田清(人イエまちネットワーク)

(6)地域での学びのあり方のプランニング作成 参加者の意向により決定  担当 山田清(人イエまちネットワーク)

受講料:無料    教材費:1000円

定員:各15名(応募多数の場合は抽選)
参加ご希望の方は往復はがき・電話・FAX・E―mailでお願いします。 申し込み〆切 10月28日まで
 〒166-0004杉並区阿佐谷南1-1-5 巨lイエまちネットワーク
TEL(5377)7166 FAX(5377)7167 marukomex.jp@nifty.ne.jp

 参加と協働を考えるサロン in わこう「子育て支援」編 ご案内

●日時:2005年7月6日(水)午後7時00分〜8時30分

●場所:「おやこの広場 もくれんハウス」(和光市)  東武東上線・和光駅東口下車5分  
  http://www15.ocn.ne.jp/~mkrn55/

●定員;20名(先着順)

●主催 協働→参加のまちづくり市民研究会

●参加費:500円(資料代)

●内容 子どもの目線で「まち」を見直したら、新しいまちのつくり方が見えてきた──。 「子育て支援」は、いままさに旬の課題。市民による「子育てネットワーク」 のひろがり、役所にあっては次世代育成支援計画の策定と実施。NPOによるサ ロンの運営、保育所の民間企業への委託などなど……新しい子育て支援・まち づくりの姿を求めて「走る和光市」。そのまっただ中で奮闘されてきたお二人 をゲストに迎えて、「協働による参加のまちづくり」を考えてみたいと思いま す。ご参加おまちしています。 * サロンの後は恒例のオフサイトミーティングを予定しています。 * お時間にゆとりのある方は是非、こちらの方もご参加ください。

□■guest■□

●…荒木保敏さん/和光市市民環境部長 市役所に入庁以来、福祉畑一筋30年、近年は子育て支援を市民との協働によって積極的にすすめてきた。 昨年春から市民活動支援を管轄する市民環境部長に就任。 ご自身の体験から協働→参加のまちづくりについて語っていただきます。

●…森田圭子さん/NPO法人わこう子育てネットワーク代表 共に子育てをする仲間つくりたいという思いから2000年5月「わこう子育てネットワーク」の立ち上げに参画。「支援する側・される側」ではなく、「子育てを通したコミュニティーづくりを」という視点から、サロンや情報誌づくりなど、当事者ならではのさまざまな活動を展開。04年度からは和光市の事業を受託し、「「おやこの広場 もくれんハウス」の運営を開始。市民参加の子育ての現場で何を感じできたのかお話いただきます。 *今回特別に「おやこの広場 もくれんハウス」をお借りすることができました。  子育て支援の「最前線基地」で話しましょう!

●「お出かけサロンin和光」の申し込みは・・・ ・

参加→協働のまちづくり市民研究会(http://machiken.org)まで ・ E-mail:in-fo@machiken.org ・

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