『S−Report』 5/5号 こどもとともに −こども環境学会・2005年度大会
こどもの日ですね。先月の3日間、こどものことをいろいろと考えました。 4月22日〜24日、こども環境学会・2005年度大会が東京港区建築会館等で開かれた。 昨年5月の設立されたこども環境学会の設立総会では「こどもと環境:都市化の中のこどもたち」をテーマとしてロビン・ムーア氏(ノースカロライナ州立大学教授)、ロジャー・ハート氏(ニューヨーク市立大学教授)らを招いて国際シンポジウムを開催した。 2005年度大会では「こどもの安全と健康のための環境」をテーマとして、基調講演イアン・ロバーツ氏(ロンドン大学教授)の「こどもと交通戦争」では交通事故では大人の考える道や車の構造や社会制度はいつも正しいとされ事故の原因はこどもの不注意などこどもせいにされることが多いという指摘や事例検証があり、また、同学会会長の仙田満氏から車に占拠され道が通れなくなったことで、道という遊び場がなくなり、遊び場間の「交通」が分断され、こども環境にも大きな影響を与えているという指摘もされた。 これをもとに分科会『こどもが事故にあわないまちづくり』ではクルマ社会や事故の問題をテーマに活動している団体や国土交通省や研究者が車の速度の制限をして道という遊び場を復活するなどの具体的な論議が行われた。 特別講演では日本子ども家庭総合研究所所長平山宗宏氏による「わが国の母子保健の流れと今後の展望」があった。国際シンポジウムでは神戸のWHO健康開発総合研究センター(WKC)のスーザン・メルカド氏のこどもの健康、イ・スンヒョン氏(ソウル大学教授、前韓国児童学会会長)によるサイバースペースの問題、アリ・モアザム氏(東京大学客員研究員)の母子保健、国内研究者などの報告などでこどもの安全と健康を守る環境づくりを論議した。 そのほかにも、「こどもから大人へのメッセージ」というこどもの意見を神谷明宏氏(聖徳大学助教授)、汐見稔幸氏(東京大学)のファシリテートでこどもが発言するこどもシンポジウムもあった。 また、22日に行われたエクスカーション「こども主体の運営を試みる3つの施設の見学会」では玉川学園子どもクラブころころ児童館、児童青少年センターゆう杉並を見学し、羽根木プレーパークでウェルカムパーティーが開かれた。 学者と市民・NPOなどで構成される各分科会では先の『こどもが事故にあわないまちづくり』以外にも秋津コミュニティなどのスクールコミュニティを提起した『環境としての学校』、高層住宅の問題を捉えた『住環境と母子の健康生活』、マンガやゲーム、ネットなどの問題を取りあげた『こどもの情報文化環境』『安全で楽しいあそび環境づくり』、『こどもを犯罪から守るまちづくり』などが行われこどもを中心においた議論を行った。 こども環境学会ではこれらの討議やこどもシンポジウムのこどもの意見をもとに「事故」「学校」、「住環境」、「あそび環境」、「犯罪」、「情報文化環境」などのテーマごとに具体的な行動計画を策定し、社会への提言を行う予定である。 この大会では、学術ポスターセッションの他に学会では例のない会員ではないこどもに関わる実践団体の展示や「スピーカーズコーナー」という実践団体の発表もあった。 また、この大会中、会場の中庭では、子どもバザーが開かれ、遊具でこどもが遊び、こどもと大人が一緒に行う遊びワークショップが行われた。 単なる学会の枠を超えたこのこども環境学会・2005年度大会で研究者、実践者を問わず大人たちは「こどもとともに」を目指しているのではないか。 とかく、「こどものことを考えるている大人」は「こどものために」とか「こどもの立場に立って」ということを口にするが、このように「こどもとともに」を実践してみては如何だろうか。 こども環境学会 http://www.children-environment.org こども環境学会の最新情報(BLOG版) http://www.children-environment.org/blog
さて、国連「世界情報社会サミット(WSIS)」のテーマ会合「ユビキタスネット社会の実現に向けて」のお知らせです。 今回のテーマ会合「ユビキタスネット社会の実現に向けて」では政府と国際機関が主催ですが、そのWSIS日本NGO委員会を基礎に「市民が企画する市民社会セッション」として 『人間中心の包括的な開発志向のユビキタスネット社会』の企画をしてまいりました。 世界情報社会サミット(WSIS)東京ユビキタス会議 「ユビキタスネット社会の実現に向けて」 2005年5月16日(月)、17日(火) 東京(京王プラザホテル) 主催者(共催)総務省、ITU、国連大学 会 場 東京 京王プラザホテル(東京都新宿区西新宿2-2-1 TEL:03-3344-0111) 参加者 各国政府、国際機関、民間企業、シビルソサイエティー(市民社会)等から約400名程度 「ユビキタスネット社会の実現に向けて」 http://www.wsis-japan.jp/index_j.html 2005年11月に「世界情報社会サミット(WSIS)」を国連がチュニジアのチュニスで開催します。 これに先だって、国連「世界情報社会サミット(WSIS)」のテーマ別会合の東京ユビキタス会議が世界各国、数多くの国際機関・地域の代表や企業のほか、日本も含めNGO・市民団体が参加してユピキタス社会や情報社会に関する有益な論議が2005年5月16日から17日まで東京・京王プラザホテルで開催されます。 これに関連して5月15日・18日には「サイドイベント」が開催され、世界各地の市民・NGOの人々が参加します。 この国連「世界情報社会サミット(WSIS)」の東京ユビキタス会議の市民社会セクションの準備過程で日本の市民・NGOが集まり、東京ユビキタス会議市民社会準備委員会結成されており、市民・NGOが東京ユビキタス会議の市民社会セクションの企画と東京ユビキタス会議のサイドイベントを企画・実施します。 2003年2月に第1回「世界情報社会サミット(WSIS)」の準備過程で日本のNGOが集まり、WSIS日本NGO委員会(Japan NGO Coordination Committee for WSIS)を形成しました。 今回のテーマ会合「ユビキタスネット社会の実現に向けて」では政府と国際機関が主催ですが、そのWSIS日本NGO委員会を基礎に「市民が企画する市民社会セッション」として 『市民社会にとってのユビキタスネットワークのために−人間中心の包括的な開発志向のユビキタスネット社会』の企画をしてまいりました。 国連サミットの会合で政府と国際機関が主催ですが、市民とNGOは前回と同じく”WSIS 4 ALL” の原則でおこなっています。 ”WSIS 4 ALL” この意味を私はこう解釈しています。 "The World Summit on the Information Society For All" 「世界情報社会サミットはNation (国)、International organization(国際機関)、Private sector (民間、私企業等)、Civil society・NGO's(市民社会・NGO)の4者すべてのためのものである。 「ユビキタスネット社会の実現に向けて」 WSISテーマ別会議「ユビキタスネット社会の実現に向けて」 −いつでも、どこでも、何でも、誰でも− 目的 「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」簡単にネットワークに接続できる「ユビキタスネット社会」の概念が、各国の政府や産業において大きな注目を浴びている。ユビキタスネット社会では、あらゆる人や物が結びつき、これまでとはまったく次元の異なるICT利活用の新たな革命が起こることが予想される。そこでは、人に優しい心と心の触れ合いが実現し、利用者の視点、利便性が融けこむとともに、個性ある活力が湧き上がる社会が実現されることが期待されている。 世界情報社会サミット(WSIS)ジュネーブ基本宣言及び行動計画でも、全ての人々が、ユビキタスに手頃な料金でアクセスが可能となる情報通信インフラを開発すること等の重要性が強調されている。この考えは、ユビキタスネット社会のビジョンとまさに共通するものである。そこで、ユビキタスネット社会に関するWSISのテーマ別会議を日本において開催することとし、その実現に向けた具体的方策や想定される課題への取組みについて提言をまとめる。 開催時期及び場所 2005年5月16日(月)、17日(火) 東京(京王プラザホテル) 主催者(共催)総務省、ITU、国連大学 会 場 東京 京王プラザホテル(東京都新宿区西新宿2-2-1 TEL:03-3344-0111) 参加者 各国政府、国際機関、民間企業、シビルソサイエティー(市民社会)等から約400名程度 会議構成 ・開会式 ・オープニングプレゼンテーション ・オープニングステートメント ・プレナリー ・分科会 (1)技術が拓く情報社会への展望 (2)人材育成(知識共有) (3)デジタル・ディバイドへの取組 (4)人間中心の包括的な開発志向のユビキタスネット社会-市民社会セッション (5)ユビキタスネット社会の実現に向けて 展示会場内で、ブロードバンド・モバイル・電子タグ等、ユビキタスネット社会に関連する最新技術、サービス、アプリケーションなどの展示を行う。