『S−Report』  8/5 想像力(思いやり・共感)

 
  瀬戸内の島、山口県の周防大島で小さな学習塾を営む木村重樹さんと教育のお話をしました。

 今回は木村重樹さんの小さな学習塾の通信『むすび』の253号より「想像力(思いやり・共感)」をおおくりします。


 長崎県佐世保市で悲しい事件が起きました。被害者・加害者ともに小学六年生のクラスメート。こうした事件から私たちは何を学ぶべきでしょうか。事件から二ヶ月が経とうとしています。その間いろいろなことが報道され、議論もたくさんなされています。いくつか整理してみます。

 インターネットをはじめとする情報社会のあり方が議論されました。チャット・メールの情報は、面と向かってのおしゃべりと違って感情が伝わりにくいとの指摘はもっ ともです。

  でも私たちは、「便利だから」と子どもたちにも携帯を持たせ、定額制という無制限 の情報アクセス権を与えてしまいました。情報やモノのやりとりが手軽にできること が「便利さ」として広まる一方、人と人との関係が希薄になっていきます。パソコンに向かい無言でボタン操作をし、カード決済で数日のうちに欲しいものが宅配で届 く。私もネット・ショッピングでよく書籍を購入します。地域の書店が成り立たなく なっていきます。そうした動きを「便利だから」と受け入れてきました。

  教育評論家・尾木直樹さんは言います。「どんなに車社会が発展しても、私たちは小学生に車を運転させたり、ましてや車を与えたりはしません。同様に、どんなにIT社会が進んでも、子どもが勝手にインターネットに接続していいということにはなら ないのです。」

  次に、事件の起きた小学校は各学年一クラスでした。少子化に伴って規模の小さくなった子ども集団、クラス替えの無い学校がどんどん増えています。そのクラスでの子どもたちの人間関係のつくりにくさも指摘されました。

  小さなクラスにも当然集団・グループができます。そのグループに所属すること・しないこと、をはじめ、他人の評価をそれぞれがすごく気にしながら毎日を過ごすことになります。そのようにして、自己を確立していくことと同時進行で友人関係を築いていくのが小学高学年からの子どもたちです。クラス替えがあれば、子どもたち同士がお互いの距離を確認し合い、トラブルも避けやすい。けれど、ずっと固定された集団では、「ちょっと集団から離れること」ができにくいので、とてもしんどい毎日を送らざるをえません。

 子どもたちの生活の大半は家庭と学校。「心の逃げ場」「心の休憩場所」がどこかに必要です。ストレスになる人間関係をちょっとの間忘れることができれば、また元気 も出てきます。これは決して「逃げ」ではなく、力を蓄える時間として必要なことです。趣味や遊びのように我を忘れる時間や、家族で夢中になれること。大人だって、そうしながら人間関係をやりくりしているはずです。「勝ち組・負け組み」と公然と弱者を切り捨ていじめるような社会、子どもたちだけの世界ではありません。

  こうした事件が起こる度に、心の教育が叫ばれます。心の教育によって、みんなが悪いことを考えない心の持ち主になると考えているようです。だけど、人の心に枠をはめたり、道をつけたりは決してできません。悪いことを考えるのも自由です。ひとりひとりの心は宇宙の広さと同じほどだと私は考えます。ひとの心に介入などできません。ひとりひとりかけがえが無いのがいのちの尊さ、ひとりひとりが尊いのは心に自由をもっているから。私はそう考えます。だから、心は一律の教育の対象にしてはいけないのです。

  だから、大切なことは、心のおもむくままというのではなく、自分の行為がどういう 結果をもたらすかを想像することが必要なのです。自分の行動の結果はまわりの人にかかわってきます。まわりの人のことを想像するその力を私たちはしっかりと身につけなければなりません。その力が思いやり・共感です。子どもたちには未来があります。子どもたちはこれから大人になっていきます。どんな大人になって欲しいかと問われたら、私は思いやりのある人、心から共感できる人になってほしいと答えます。

  子どもたちは成長過程にあります。その途上を大人になった私たちは一緒に歩ませてもらっています。生身の人間関係を体当たりで見せることの出来るのが家庭です。洗濯・掃除・洗い物・・・生活するということは面倒でもあるけれど、豊かなことなのです。日常生活を通じて、一人で生きているのではないことを解ることが思いやりの 始まりです。

 最後に、御手洗さんのお別れの会でのあいさつから。「子どもたちにお願いがあります」と、心の底からの呼びかけです。 「あなたたちのすぐそばに一番愛している人がいることを忘れないで下さい。あなた たちが目の前からいなくなったら悲しむ人がいることを忘れないで下さい。そして自分の人生を大切に生きてください。」(「新聞の時間」で全学年読みました。要旨全文は7月19日朝刊に。)



『むすび』

<教える−教わる>の関係から、ひとり一人が結び合った関係に。子どもも大人も。 そんな願いを込めて『むすび』 過疎地域の小さな学習塾の通信です。

 地域情報研究所内  http://www.e-tiiki.net/index2.htm

『S−Report』    2002/4/4号   冬のスイカ、月のリズム
 http://www.ne.jp/asahi/cyber/lab/news/0404.htm

  地域情報研究所予定


 ホームページのユニーサルデザインをすすめるJISの改訂にともない、県内でも自治体や事業者はJISに基づいてホームページのユニーサルデザインをすすめることが推奨されることとなりました。

 私たち地域情報研究所及びNPO ユニバーサルデザイン・ステップでは専門家と共催で社会福祉法人 埼玉県社会福祉協議会(予定)後援を頂き下記のような無料セミナーを開催します。

 ウェブアクセシビリティセミナー開催!@彩の国すこやか
      ウェブコンテンツJIS準拠と情報バリアフリー社会を目指して

 開催日時 9月8日 午後1:30〜16:30
 場   所 彩の国すこやかプラザ(さいたま市浦和区針ヶ谷4丁目2番65号)   
 対 象 者  自治体、社会福祉協議会、社会福祉法人、公益団体、NPO、企業、ICT(IT関連)関係者
 会   費  無料(定員:先着80名
 共   催 アライド・ブレインズ株式会社、地域情報研究所、NPO ユニバーサルデザイン・ステップ
 後   援 社会福祉法人 埼玉県社会福祉協議会(予定)
 内   容

 13:30 開催挨拶
 13:35 アクセシブルなWeb社会への願い   地域情報研究所所長 田中恒明
 13:45 情報アクセシビリティの普及に向けた取り組み   総務省課長補佐 有馬伸明氏
 14:10 高齢者・障害者等にも使いやすいWebとは
 15:00 ウェブコンテンツJISが求める要件
 16:00 JIS準拠に向けた実践例の紹介   アライド・ブレインズ代表取締役 内田斉他
 16:30 閉会

 お申込方法は私に「申込書」用紙を請求頂き、用紙をメールでお送りしますので郵送・FAX・電子メールでお申し込み下さい。(後日サイトにアップします。)

  千代田こどもまちの記者


 千代田こどもまちの記者の取材が始まります。以下、8月の取材予定です。

  「新聞はこうしてできる」「国会議事堂に行こう」 「区役所って何をするところ」 「環境について知ろう」 「KIDS festival in 大手町」  
 

  NPOユニバーサルデザイン・ステップ

 

  NPOユニバーサルデザイン・ステップの活動が埼玉新聞で紹介されました。

  「車いすで買物できるか点検 川越の量販店でNPO」

 川越市泉町のショッピングセンター「UNICUS南古谷」でこのほど、バリアフリーチェックが行われた。 耳が不自由な人、目が不自由な人が二人、高齢者、二人の幼児を持つお母さん、ボランティアなど、色々なケースから十人あまりが参加して、それぞれの立場で、広いショッピングセンターの駐車場、二階建ての店内などを点検した。  車いすは、NPOユニバーサルデザイン・ステップ(さいたま市)代表の小澤勇さんが体験乗車しながら、陳列棚の高さ、深さ、とりやすさ、駐車場からの導入路などをチェックした。

   以下記事  http://www.saitama-np.co.jp/news07/25/17l.htm

  ユニバーサル デザイン ステップでは社会福祉法人さいたま市社会福祉協議会の「いってみよう!やってみよう!」でユニバーサルデザインのお話、体験ワークショップをします。 
  また、トイレプロジェクトに参加します。

  タイトル「いってみよう!やってみよう!」 ボランティア・市民活動団体によるボランティア学習企画
 
  主催:ボランティア・市民活動団体と社会福祉法人さいたま市社会福祉協議会 
  企画:ボランティア・市民活動団体

  団体bQ4  「ユニバーサル デザイン ステップ 〜身近なユニバーサルデザインをみつけよう〜」

  親子で身近なユニバーサルデザインをみつけよう 親子対象
   8月14日−15日 浦和ふれあい館 10:00〜12:00 13:30〜16:00

  先生の障害者体験から見たユニバーサルデザイン 教員対象
   8月28日−29日 浦和ふれあい館 10:00〜16:00

  −ユニバーサル デザイン ステップより参加希望者へ−

  親子で障害者・介助者体験を通して今できることを親子で考えてもらいます。 幼稚園・学校の先生を対象に、体験を通して様々な立場の問題をワークショップで提案し、意見交換して今後に役立ててもらいたいと考えています。

いってみよう! やってみよう! さいたま市社会福祉協議会 http://www.saitama-j.or.jp/~ursyakyo/IY.html

トイレプロジェク ト
 トイレでまちづくり講座 9月より

目的

1)障害者スポーツ大会の参加者が、浦和を楽しんでいただけるよう、ユニバーサルなトイレ情報を収集しマップとして届ける。
2)講座参加者(岸町周辺の住民)といっしょにトイレを切り口に考え、マップづくりのプロセスをまちづくりのきっかけの一つとする。


  Act for the Earth 2004

 

  ▽▲▽ Act for the Earth 2004 ▽▲▽

    -演劇とワークショップを通じて環境問題を考える-

  高校演劇No.1を誇る京華学園演劇部と市民、研究者、教育者、学生がコラボレートし練り上げた、心で感じる人と環境の新時代・・!

 日時:2004年8月7日(土) 北区滝野川会館

 12:30 開場 13:00 演劇開演 14:45 ワークショップ開始 16:30 終了予定

 ★演劇「ホッチャレ〜森と川と鮭と〜」   京華学園演劇部(顧問:伊藤弘成)劇団文化座, 劇団FAN☆FARE
 ※優先券により中央付近の座席確保が可能です。ただし演劇が始まってからのご入場の場合無効となります。

  ★ワークショップ

  @<相手との理解をはかる>〜京華演劇の作り方〜 担当:朝倉暁生(江戸川大学社会学部教授)

  A<自分を表現する>環境問題の演劇的アプローチ 担当:ナガノユキノ(演出家)

  B<現場に向き合う>あなたの街にゴミ処理場がやってきた 〜合意形成体験ワークショップ〜 
    担当:川畑隆常(国立環境研究所NIESポスドクフェロー)
  ※ワークショップは3つの中から1つ選んでの参加となります。先着定員制ですが優先券により予約可能です。

  公演協力券(優先券):一般1000円、大学生500円 一般券:無料

  公演に関するお問い合わせ、チケット予約は  Email/info@act-earth.org FAX03(3293)4704
  いずれもAct for the Earth宛でお願いいたします。
 
  詳しくは・・・⇒http://www.act-earth.org/ 会場までの交通

 JR京浜東北線 上中里駅東口 徒歩7分  JR山手線 駒込駅東口 徒歩10分 地下鉄南北線 西ヶ原駅 徒歩7分

  主催:Act for the Earth 共催:(財)北区文化振興財団
  後援:環境省、東京都環境局,学校法人京華学園,北区生活環境部環境課,北区教育委員会,
      文京区教育委員会,東京私立中学高等学校協会,(社)日本環境教育フォーラム,劇団文化座,
      オーガニックシアター,劇団FAN☆FARE,北区子ども劇場,NPO法人Eco119
  協賛:トヨタ自動株式会社,INTEGRITY SCARAB Inc.


 上尾ビレッジカフェ「地域通貨で問題解決 −地域通貨の底力」


 上尾市依託生涯学習グループ 生涯学習講座

  上尾ビレッジカフェ「地域通貨で問題解決 −地域通貨の底力」

 この度上尾ビレッジという地域の問題解決のための新コミュニティが発足しました。6月5日、上尾市から委託生涯学習グループとしても認定されました。 上尾ビレッジとは、分かち合いのお金「地域通貨」によって、人と人の暖かいつながりをつくって行きたい、という想いから発足した会です。人やモノとのつながりを楽しみながら、同時に、地域通貨を活用しながら、ゴミ問題、子育て、地産地消等、地域のさまざまな問題の解決策を、皆で考えていきたいと思います。 上尾市を中心に活動予定ですが、市外のメンバーも多数おります。

  何だかちょっと面白そうと思った方、一緒に楽しんでくださる方、ぜひご一緒に上尾ビレッジにご参加ください! 上尾ビレッジでは、各地で地域通貨を実践されている方々をお招きして、上尾ビレッジカフェで公開学習会を行なっていきます。地域通貨体験ワークショップも随時行ないます。ぜひお気軽にご参加ください! 

  (内容は若干変わる可能性があります。ご了承ください。そのため転載はご遠慮願います。)

■予定

上尾ビレッジカフェ Vol3 第3回公開学習会  

 日 時:8月29日(日) 13:30 〜 16:00
 場 所:上尾市プラザ22 第一会議室 (JR上尾駅 西口 徒歩3分) 048-777-4441
 内 容:○講義 『地域通貨で問題解決A・・・ 助け合い』
        講師:COMO倶楽部運営委員、ちょうふ地域通貨さ〜らの会企画委員 斎藤美冬  
       ○ミニワークショップ 『体験しよう!地域通貨』

上尾ビレッジカフェ Vol4 第4回公開学習会

 日 時:9月26日(日) 13:30 〜 16:00
 場 所:未定
 内 容:○講義『地域通貨で問題解決B・・・コミュニティづくり』     
        講師:地域通貨みたか会議 岡崎昌史   
      ○ミニワークショップ 『体験しよう!地域通貨』

上尾ビレッジカフェ Vol5 第5回公開学習会

 日 時:10月31日(日) 13:30 〜 16:00
 場 所:未定
 内 容:○講義『地域通貨で問題解決C・・・環境とフェアトレード』    
        講師:ナマケモノ倶楽部 間宮俊賢&関本洋司(地域通貨族)   
      ○ミニワークショップ 『体験しよう!!地域通貨』

上尾ビレッジカフェ Vol6 第6回公開学習会

 日 時:11月28日(日) 13:30 〜 16:00
 場 所:未定
 内 容:○講義『地域通貨で問題解決D・・・子育て』      
       講師:こども夢未来交換リングコミュニティ通貨"彩"推進委員会 鈴木玲子     
      ○ミニワークショップ 『体験しよう!地域通貨』

上尾ビレッジカフェ Vol7 第7回公開学習会

 日 時:12月26日(日) 13:30 〜 16:00
 場 所:未定
 内 容:○講義 『地域通貨で問題解決E・・・地域を越えて』      
       講師: レインボーリング運営委員会理事 伊藤義人  
      ○ミニワークショップ 『体験しよう!地域通貨』

上尾ビレッジカフェ Vol8 公開フォーラム

 日 時:1月30日(日) 13:30 〜 16:00
 場 所:未定  内 容:○『地域の問題解決  地域通貨In上尾』     
   コーデネーター:地域情報研究所 長岡素彦     
    ○ミニワークショップ 『体験しよう!地域通貨』

毎回、上尾ビレッジカフェトーク(インフォメーション)、ポトラックなどを行う予定です。

・上尾ビレッジカフェトーク(インフォメーション)  参加者の情報交換の場
・ポトラック−(関係資料等頒布−但し、上尾マネーを使用)  

上尾に関係することで、特定の宗教、特定の政治に関係なく、非営利であればお申し出下さい。

■各回参加料は300円+地域通貨上尾マネー(200a=アッピー)、又は、500円(200a=アッピー付き)となります。

  NPOユニバーサルデザイン・ステップのイべントのご紹介


 NPOユニバーサルデザイン・ステップでは川口ボランティアサポートステーションでの小学校の総合的学習の時間等でユニバーサルデザインのお話、体験ワークショップをします。
 

◆川口市 教員夏期講習◆  

川口市 教員夏期講習    7月22日(木)9時30分〜11時40分  

「教師のためのボランティア講座」教員夏期講習
 
 川口市内の小学校の先生の学習会(於.リリア11F大会議室)  
 「ボランティア活動の紹介」(体験事例として)    
  ・車イス体験発表場面
  ・パネルやパワーポイントによる発表


 NPOユニバーサルデザイン・ステップのサイト
  http://www.e-tiiki.net/u/

 NPOユニバーサルデザイン・ステップの活動のページを更新しました。
  http://www.doblog.com/weblog/myblog/11786

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