地域通貨というといろいろな活動があるが、最近は「地域経済活性化」のツールとして捉えられることも多く、一部には商店街の効果的な割引券のようなイメージさえもたれている。地域通貨は自由なものなのでどのような在り方であってもいいのだが、経済の活性化ばかりを強調するとおかしな事になる。 以前、こう紹介した。 「総務省では、民間が運営する地域通貨への財政支援などを含めた「新しい経済活動を伴う地域経済の活性化に関する研究会」を、千葉商科大学加藤寛学長を座長、堂本千葉県知事らをメンバーに設置を予定しており、早ければ来年度にもモデル事業の実用実験を行うようだ。」 (「日銀総裁と地域通貨ピーナッツ 商店街・地域通貨サミット開催」) この「新しい経済活動を伴う地域経済の活性化に関する研究会」は財団法人・地域活性化センターが事務局となり、堂本暁子千葉県知事、清原慶子三鷹市長、加藤国際大教授、丸山真人東京大学大学院教授など9人の委員で構成されている。総務省がオブザーバー。 この研究会の目的は、地域通貨を中心とした新しい経済活動の展開で「資金循環を円滑化」し、「地域経済を活性化するための方策」について地域金融や電子商取引の手法などを活用した経済活性化策を検討するとのこと。 この後、中小企業庁から8月に「地域通貨を活用した地域商業等の活性化に関するモデル提案」が出された。 「最近、地域通貨に対する取組が全国各地で行われており、国内の地域通貨の実践例は300ヵ所を超えるなど、その取組が注目されており、ここ1〜2年の傾向としては商店街や地域経済団体、地方公共団体等が地域経済活性化の手法として取り組む事例も見られるようになっています。 しかしながら、これまで明確に商業の活性化に結びついた事例がなかったため、中小企業庁において全国5箇所の地域と連携し、商業等の活性化に資するための地域通貨の仕組みについてのモデル提案を行いました」 (「地域通貨を活用した地域商業等の活性化に関するモデル提案」について) 地域通貨について政府・官庁では「時間、コストの割りに成果があがらない例も多い」という声もあり、このようなモデル提案や政治家・有識者・学者による研究会がつくられているようだ。 さて、地域通貨ピーナッツの海保眞氏は、三和商店街で空き店舗を改装して通所介護の施設「通所介護・デイサービスサロン アミーゴ」(有限会社アミーゴジャパン)を、定員12人で開業した。 地域通貨ピーナッツはこの「通所介護・デイサービスサロン アミーゴ」の改装費用約500万円の内200万円の無利子債(無利子の借り入れ)を支援するプランを発表した。 「無利子債を募集するに当って利子相当分をピーナッツでお支払いすることにしました。ピーナッツバンクからのピーナッツ無利子融資をその原資とします。わが国での地域通貨の融資の嚆矢(こうし)と考えます」(村山和彦・地域通貨ピーナッツ) 政府の中で財務省とは関係なく、総務省や中小企業庁が有識者による研究会や地域金融、商業等の活性化ための地域通貨の仕組みのモデル提案を行っている間に、市民は地域通貨で地域金融、商業等の活性化も図り始めている。 これに対し、日本銀行券を発行する日銀総裁までもが地域通貨に積極的な姿勢を示すようになったのにも関わらず、何の反応も無い財務省など大方の政府の姿勢は地域通貨を「地域経済活性化」の道具としてしか捉えていないのではないかと思われる。 日本銀行券での融資を貸渋り、預金にも利子が付かない、キャシュカードで時間外に引き出すと手数料を取る金融機関をあてにした地域融資や、商売をしたことのないお役人の官製地域通貨政策?に未来はあるのだろうか。 さて、年末にこんなご案内を頂いた。 「12月の豆々のイベントやりまーす。 生地からピザ作りましょう。粉は『ライ小麦』と『小麦』を用意。皆さん、小麦でもないライ麦でもない『ライ小麦』、食べたことありますか? ないでしょう? 私もありません!! この「ライ小麦」は吉田農園の奥様がいろんな人に勧めているもので、パンやピザに向いているようです。トッピングは、参加者みんなで思い思いに!! それぞれの好みで楽しく作りたいので、「こんなピザ作りたーい」という意見大募集。皆さんの意見をうかがって、共通に使用するもの、作成が決まっているピザの材料は、運営側で用意するようにします。 それ以外のおもしろそうなものは、それぞれでお持ちください。納豆だろうが、キムチだろうが大歓迎(^_^\;)。もちろん、オーソドックスなピザだっていいですよ♪ できれば生地作りから参加していただけるともっと楽しめると思います。工作みたいなものですからね〜。」 (「豆々プレゼンツ 手作りピザの会」 <豆々・地域通貨みたか会議>より) この「豆々」は地域通貨SEEDSを運営している地域通貨みたか会議の有志グループの名前で、コンセプトは「食からまちを考える」ある。 地域通貨みたか会議はみたか市民プラン21会議からの提言を受け、東京都三鷹市の第3次基本計画<協働型まちづくりの推進>で表明された「地域通貨導入の支援」を実践するために市民有志により2001年に発足した会議である。 2002年11月には三鷹市民への地域通貨の理解と普及を呼びかけるため「第1回地域通貨みたかフォーラム」が開催された。そのフォーラムでは以下の趣旨が掲げられた。 「フォーラム開催に合わせ、三鷹に地域通貨の種(Seed)を蒔くということで、期間限定の地域通貨『SEEDS』を用意しました。この種は、三鷹で初めて生まれた地域通貨の種です。どこに蒔けばよいのか、どんな芽を出すのか、どんな実を付けるのか、そしてどのように育てればよいのかなど、フォーラム開催期間中を通して、広く三鷹市民に体験してもらい、三鷹市の地域通貨の「種」を大きく育てるきっかけにしたいと思っています。」 (地域通貨みたか会議) その後、地域通貨SEEDSの「葉っぱも少し大きくなって」、現在は会員相互のやりとりの他に、会員となっている地元三鷹の商店や、整体院、果樹園、カウンセリングルーム、床屋なとでも使えるようになった。三鷹の「くにうみまつり」というイベントでも、「くにうみ用ポンド」(Bond:小切手紙幣)を発行、使用された。 また「三鷹の“野良しごと”」(Seeds Farm)という地域通貨による地域通貨版地産地消の仕組みもつくりだしている。(三鷹の“野良しごと”- Seeds FarmのHP) 「豆々」は三鷹で大豆をつくりたいと願って発足、“野良しごと”以外にも地域通貨を使うイベントを企画している。それが援農たったり、三鷹の野菜を使った鍋パーティーなどのイベントだったりする。 そして12月28日、この「豆々プレゼンツ 手作りピザの会」が東京三鷹市社会教育会館本館であった。 地域通貨で援農している農家などから入手した地粉や野菜でピザをつくった。社会教育会館の調理室で生地を作り、普通のガスコンロの魚焼き器でピザを焼いた。 調理室でピザを食べながらいろいろな話した後、残った生地をパスタマシンにかけ、トマトソースと材料をすべて使ってパスタをつくった。 最後に準備にかかったものに地域通貨SEEDSの通帳で支払いを行った。 忘年会やパーティで「誰かが料理をつくる」のではなく、それぞれが楽しんでつくるというこの豆々スタイルは楽しい。初体験のライ小麦の味のピザとバスタは美味しかった。 地域通貨SEEDSの会員ではない私の手元には通帳を持っていない人用のボンド(Bond:小切手紙幣)が残った。 こうして、官がどうであれ、地域通貨は地域通貨の種(SEEDS)を蒔いていく。
「まちじゅう**(こめこめ)マッブ」特別まちあるきフィールドワーク 無意識の地域を発見するフィールドワーク − ライフスライスカメラによる試み 【日時】1月10日(土)13:00〜17:00 【場所】東京都杉並区 【申込・問合】 参加希望者は準備の都合がありますので、あらかじめメールでご連絡下さい 地域情報研究所(NGO) info@e-tiiki.net 長岡 【内容】−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 人イエまちネットワークと地域情報研究所(NGO)は共催で「まちじゅう**(こめこめ)マッブ まちづくりコーディネーター講座」を12月から開始しています。 これ市民がまちづくりコーディネーターを目指したこの地域情報コーディネータ講座を通じて、まちを活性化し、情報を活用したまちづくりをすすめるためです。 今回、ライフスライス研究所のユビキタスマン・カワイ所長のご協力を得て世界初のライフスライスカメラによる無意識の地域を発見するフィールドワークを実施します。 まちじゅう**(こめこめ)マップ 「すぎなみコミュニティカレッジ」 「まちじゅう**(こめこめ)マップ」 ―地域の情報を読み取り、加工し、発信していく「地域情報コーディネータ」養成講座― 講座の目的 社会の大きな変わり目にあたり、さまざまな分野で水平的な関係性の整備が今求められている。それは都市化の急速な進行により引き起こされた関係性の不具合などを、一人ひとりの自発的な取り組みによって解消していこうとする市民の近年の行動に現れている。これをより実りあるものとする基礎の一つとして、地域の情報が共有されていくことが大切である。そのためには地域の情報を読み取り、加工し、発信していく情報の取り扱い技術の獲得と、その担い手の育成が欠かせない。 本講座は経年的に開催することを通して、当事者参加型のマップづくりという手法で杉並のさまざまな情報を整理し、市民の手によるデータベース構築を図るとともに、それを伝達し連続させていく地域情報コーディネータの養成をねらいとしている。今年度の企画はそのための基盤づくりに重点を置き、多様なテーマを貫く共通言語として「杉並アイコン」の提案も柱の一つとして位置づけている。 彩の国観光創造塾 期 日 平成16年1月15日 10時00分〜3時00分 会 場 埼玉県長瀞町 長生館 内 容 彩の国観光創造塾の長瀞町の観光振興プラン ・ 長瀞町の観光とユニバーサルデザイン担当 第35回 全国小中学校環境教育研究大会 全国小中学校環境教育研究会事務局 研究主題 「豊かな人間性を育む環境教育」 期 日 平成16年1月23日(金) 午後12時30分〜午後4時30分 会 場 東京都新宿区立大久保小学校 〒169-0072 東京都新宿区大久保1−1−21 内 容 展示・ワークショップ 地域情報研究所(NGO)・彩コミュニティSCOネットワーク 埼玉NPOフォーラム2004 主 催 埼玉NPOフォーラム2004実行委員会 日 時 2月15日(日) 9:30〜 場 所 会場 さいたま市 浦和一帯 内 容 展示・ワークショップ
地域通貨ワークショップ 「地域通貨”彩”考」 主催 こども夢未来交換リング コミュニティ通貨“彩”推進委員会 ●開催日時 2004年3月14日(日) 10:00〜 ●会場 こども夢未来フェスティバル2004内 埼玉県県民活動総合センター(伊奈町) ●内容 第一部 *事例報告* 10:00〜12:00 各地域通貨の取組み事例を報告して頂きます。 *インターミッション* 12:00〜13:00 ポスターセッション(展示)、地域通貨ワークショップ 第二部 *輪になったワークショップ* 13:00〜14:30 事例報告者及び地域通貨に関心のある人大勢及び 小池清一(ぶぎん地域経済研究所) 嵯峨生馬(日本総合研究所) 長岡素彦(地域情報研究所) *ラストセッション* 14:30〜 ポスターセッション(展示)、地域通貨ワークショップ