『S−Report』  12/25号  持続可能な社会・経済−地域通貨の集い−もう一度地域通貨−4


 12月10日、「地域通貨の集い 特別講演会」が東京府中市府中グリーンプラザで開かれた。この特別講演は社会経済学者シュテファン・ブルンフーバー氏(欧州科学アカデミー金融部門代表)により「世界経済の将来……お金と持続可能性との失われた関連性」というテーマで行われた。
 まず、『パン屋のお金とカジノのお金はどう違う?』の著者で地域通貨研究者の廣田裕之氏による講演があった。  廣田氏はアルゼンチンやヨーロッパの例などを引きながら不況下の日本での地域通貨の可能性について語った。成長のない時代の補完通貨としての地域通貨の効用と女子高校生が運営しているドイツのキムガウワー、フランスの連帯経済などの新しい地域通貨・経済などの例を紹介した。

 ブルンフーバー氏は1973年ローマクラブが発表したレポート「成長の限界」を30年ぶりに見なおしている。その中で、通貨と持続可能性の関連性が失われていたことを発見し、地域通貨の重要性について提言している。  ブルンフーバー氏はグローバルゼーションの中で多国籍企業が力をもち貧富の差が激しくなってきており、現在のマネーシステムは公平でも持続可能なものでもないと指摘した。そして、このことが社会や社会資本の基本にある連帯、相互信用、連帯を損なっていると。
 そのために通貨以外に相互信用による社会の問題を解決する地域通貨・補完通貨が要請され、地域通貨・補完通貨が広がっていくと思われること、市場経済と非市場経済、通貨と地域通貨・補完通貨がお互いにバランスを保つことが重要でこれらは東洋の陰陽のように補いあうことが必要だ、と主張した。

 昨年来日したユーロ創設に関係したベルナルド・リエター氏も同じことを指摘していた。ユーロの創設や「成長の限界」の見直しから生まれたこのような地域通貨に関する指摘には耳を傾ける価値があるのではないか。  この地域通貨の集いは「府中市・NPOとの協働事業」の一環として実施され、たま地域通貨の集い実行委員会(ナマケモノ倶楽部府中)、東京農工大学朝岡研究室・たまユネスコ倶楽部の主催で開かれた。地域通貨を学習、体験することを目的としている。会場では地域通貨も使えるカフェスローのドリンクコーナーやお茶のコーナーも設けられた。
 地域通貨の集いはいろいろな形で毎月行なわれており、地域の活性化や地域通貨の普及の力となっている。  首都圏でも、千葉の商店街・地域通貨サミット、東京の史上最大の商店街まつりなど、地域通貨は活発化している。
 また、埼玉でも来年3月14日に特定非営利活動法人彩の子ネットワーク主催のさいたま地域通貨ワークショップ「地域通貨”彩”考」が開かれる。

概要

  地域通貨ワークショップ 「地域通貨”彩”考」

  主催 こども夢未来交換リング コミュニティ通貨“彩”推進委員会

 ●開催日時  2004年3月14日(日) 10:00〜

 ●会場    こども夢未来フェスティバル2004内      
          埼玉県県民活動総合センター(伊奈町)

 ●内容

 第一部 *事例報告* 10:00〜12:00     
         各地域通貨の取組み事例を報告して頂きます。
  
       *インターミッション* 12:00〜13:00
         ポスターセッション(展示)、地域通貨ワークショップ

 第二部 *輪になったワークショップ* 13:00〜14:30
      事例報告者及び地域通貨に関心のある人大勢及び
      小池清一(ぶぎん地域経済研究所)
       嵯峨生馬(日本総合研究所)
      長岡素彦(地域情報研究所)

      *ラストセッション* 14:30〜
       ポスターセッション(展示)、地域通貨ワークショップ

参考  チイキツウカゾクゾク(>_<) −ナマケモノ倶楽部 地域通貨族の公式サイト
 http://homepage2.nifty.com/houganet/cc/  

地域通貨の集い  http://homepage2.nifty.com/houganet/cc/info.html  

Miguelの雑学広場−広田裕之氏のサイト  http://www3.plala.or.jp/mig/index-j

  地域情報研究所の講座・出展予定  

 
 □ 今後の予定について □

「まちじゅう**(こめこめ)マッブ」特別まちあるきフィールドワーク
   無意識の地域を発見するフィールドワーク − ライフスライスカメラによる試み  


【日時】1月10日(土)13:00〜17:00
【場所】東京都杉並区  
【申込・問合】    参加希望者は準備の都合がありますので、あらかじめメールでご連絡下さい
   地域情報研究所(NGO) info@e-tiiki.net 長岡  

【内容】−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

  人イエまちネットワークと地域情報研究所(NGO)は共催で「まちじゅう**(こめこめ)マッブ まちづくりコーディネーター講座」を12月から開始しています。  
  これ市民がまちづくりコーディネーターを目指したこの地域情報コーディネータ講座を通じて、まちを活性化し、情報を活用したまちづくりをすすめるためです。  
 今回、ライフスライス研究所のユビキタスマン・カワイ所長のご協力を得て世界初のライフスライスカメラによる無意識の地域を発見するフィールドワークを実施します。

 まちじゅう**(こめこめ)マップ 「すぎなみコミュニティカレッジ」 

  「まちじゅう**(こめこめ)マップ」  
   ―地域の情報を読み取り、加工し、発信していく「地域情報コーディネータ」養成講座―

  講座の目的  社会の大きな変わり目にあたり、さまざまな分野で水平的な関係性の整備が今求められている。それは都市化の急速な進行により引き起こされた関係性の不具合などを、一人ひとりの自発的な取り組みによって解消していこうとする市民の近年の行動に現れている。これをより実りあるものとする基礎の一つとして、地域の情報が共有されていくことが大切である。そのためには地域の情報を読み取り、加工し、発信していく情報の取り扱い技術の獲得と、その担い手の育成が欠かせない。
  本講座は経年的に開催することを通して、当事者参加型のマップづくりという手法で杉並のさまざまな情報を整理し、市民の手によるデータベース構築を図るとともに、それを伝達し連続させていく地域情報コーディネータの養成をねらいとしている。今年度の企画はそのための基盤づくりに重点を置き、多様なテーマを貫く共通言語として「杉並アイコン」の提案も柱の一つとして位置づけている。

 

第35回 全国小中学校環境教育研究大会 
 全国小中学校環境教育研究会事務局

 研究主題 「豊かな人間性を育む環境教育」  

期  日 平成16年1月23日(金) 午後12時30分〜午後4時30分  
会  場 東京都新宿区立大久保小学校  
      〒169-0072 東京都新宿区大久保1−1−21  
内  容 展示・ワークショップ       

地域情報研究所(NGO)・彩コミュニティSCOネットワーク


彩の国観光創造塾

期  日 平成16年1月15日 10時00分〜3時00分  
会  場 埼玉県長瀞町 長生館  
内  容 彩の国観光創造塾の長瀞町の観光振興プラン       
・長瀞町の観光とユニバーサルデザイン担当

  コミュニティ・ビジネス関連の書籍 

 
  鵜飼さんからです。 小生が携わりましたコミュニティ・ビジネス関連の書籍が 出版されましたのでご案内申し上げます。 忌憚のないご意見賜れば幸いです。

<新書案内>

書名:「3日でマスターできる コミュニティ・ビジネス起業マニュアル」

著者:細内信孝(コミュニティ・ビジネス・ネットワーク理事長)
    鵜飼修(コミュニティ・ビジネス・ネットワーク事務局長)

体裁:B5判・100頁 定価:1,300円(本体1,238円)

内容:全国各地で盛んなコミュニティ・ビジネスを起業したい人のために−。
「基礎」を知り、「仕組み」を学び、「事業企画」を作成するまでの3ステップで 実践を可能にする初のマニュアルです。 詳しくは  http://www.cbn.jp (表紙がご覧になれます)

ご購入は最寄りのインターネット書店でお願いいたします

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コミュニティ・ビジネス・ネットワーク  http://www.cbn.jp  
    事務局長  鵜飼 修  YRP00224@nifty.ne.jp

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