『S−Report』  12/11号  お江戸町衆のまちづくり  まちづくりのあらたな展開を求めて−19


 お江戸の真ん中の千代田区では今年は江戸開府400年記念ということでまちも町衆も威勢のいい年でした。

 今回は千代田区のまちづくりへの試み(千代田まちづくりサポート事業活動成果発表会)と江戸天下祭です。    
  東京・千代田区。丸の内・大手町のオフィス街、霞ヶ関の官庁街、神田に代表される下町、番町・麹町の山の手、飯田橋や神保町の学生街、そして皇居、さまざまな生活が集約される街である。

 昼間人口は100万人を越すとも言われるが、住民は約4万人。こうした多様性の中でのまちづくりへの試みが5年前から始まった。(財)千代田街づくり推進公社が進める千代田まちづくりサポート事業である。  
 千代田を活気ある、住みよい、魅力的なまちにしていこうという市民レベルの取り組みに対し、公社が50万円を限度に助成を行うという制度である。通常こうした助成は公的予算の中に組み込まれるのが普通だが、千代田区の場合は区内企業の寄付金により賄われている。
 助成の対象は1年間の活動に対してであり、毎年の審査を通過できれば最大3年の助成を受けることができる。ただし、公開審査会を通しての選考、公開中間発表会、そして活動の締めくくりとしての公開活動成果発表会とすべてが公開の場で行われる。

 その第5回目の活動成果発表会が11月29日に千代田区中小企業センターで行われた。今年度は江戸開府400年記念支援事業の一環として区との合同開催となったため、助成総額が大幅に増額され、助成対象も大幅に増加した。  今年度助成を受けたのは、神田のビルの屋上で子供たちと蕎麦の栽培や蕎麦の絵のコンテストなどを行った「神田蕎麦の会」、区内で花づくりをすすめる「花・風の会」、週末を自転車で楽しむためのサイクリングマップづくりを進める「東京を自転車で走る会」、子供との遊びを通じて子供の環境デザインを考える学生グループ「子供と一緒にデザインしよう会」など20グループ。
 環境、アート、産業、住宅、安全などさまざまな視点からの活動報告がなされた。また、参加グループも地元のお蕎麦屋さん、学生、NPOなどバラエティに富んでいた。このうち、3年間の助成を満了した「神田蕎麦の会」に対して審査委員長の北沢猛東京大学助教授から終了証が授与された。
 また、今年度は地域にとけ込んだ活動や他グループと協力し、活動の幅を広げたとするグループに対し「江戸開府400年記念賞」が授与された。審査委員および参加グループの投票により、「神田蕎麦の会」「花・風の会」「子供と一緒にデザインしよう会」に賞が贈られた。

 千代田まちづくりサポート事業が他地域のサポート事業と一線を画しているのは、何も基金の面だけではない。すべて公開という公明性、他グループや地域の人・企業などとの連携や協力、活動の深化や広がりがなければ翌年の公開審査では落選するかも知れないという発展性や継続性、活動のオリジナル性や成長性などが考慮されている。しかも、その活動を”楽しく”やろうという、底が深い事業となっている。(田中恒明)


 江戸天下祭、小江戸サミットと町衆

 東京丸の内界隈を巨大な山車が練り歩いた。
 11月24日に行われた「江戸天下祭」の光景である。

  今年は江戸開府400年記念としていろいろなイベントがあり、「江戸天下祭」はその集大成ともいえる。日比谷公園では江戸フェスティバルが開かれ、各地や江戸下屋敷から江戸城を目指す江戸登城ウォークなども行われた。  江戸時代の天下祭(神田祭)は、江戸型山車と大きなはりぼての人形などが乗った曳物(ひきもの)に曳き手と踊り子が行列するものであったという。

  ここまではテレビでも紹介されたが、この「江戸天下祭」は、区民が以前から提案していたものであることはあまり知られていない。
 江都天下祭研究会神田倶楽部の田畑秀二会長によると「江戸天下祭」のために区民が区内ばかりでなく各地の江戸型山車があるまちに出かけて交流を持ち、地道な活動を続けてきたことにより、今回、江戸開府400年記念事業として実現したという。

  「江戸天下祭」と同じ24日、小江戸サミット大江戸大会が日枝神社で開かれた。小江戸サミットとは「大江戸との舟運で栄えた街、伝統の町並みのある街、山車祭りのある街」という小江戸の共通点を持つ栃木県栃木市、千葉県佐原市、埼玉県川越市が行っているまちサミットのことで、毎年この3市の町衆が交流を深めている。今回は「江戸天下祭」に合わせて、例年3市で行っている小江戸サミットを、江戸のまちで行った。

  『S−Report』  2002/10/30  祭り − 伝承から共創へ

 「江戸天下祭」では小江戸川越の「弁慶の山車」など各地から運ばれた江戸型山車が出た。この山車もまた各地の町衆が参加して行われたものである。

 まちづくりというと新たにまちをつくりあげるというイメージがあるらしいが、成功したまちづくりでは「まちの伝統」の再生したものが多い。今回の「江戸天下祭」はまさに江戸の町衆が各地の町衆と連携して成功したものである。
 このようにまちづくりを行う「市民」の底には町衆の伝統が生きている。

  地域情報研究所の講座・出展予定  

 
 □ 今後の予定について □

 エコプロダクツ2003

日時: 12月11日-13日

場所:東京ビックサイト

内容: 今回、地域情報研究所(NGO)ではエコクリニックフェイシス・麻布大学環境政策学科の学生と「エコプロダクツ2003」に参加し、学生、NGOが子供や住民と共に地域、商店街において実施可能な方法で生きたエコプロダクツの活用を行うことを展示、発表します。

子どもと学生がすすめるエコプロダクツ   −環境・リサイクル活動をデザイン  

  現在、持続可能な環境社会のためにすばらしいエコプロダクツが開発されていますが、地域や生活者で充分に活用されているとは言えません。
 それは、熱心にすすめられているエコプロダクツの開発や流通に比べて、エコプロダクツを地域や生活者に広く理解してもらい活用し、行動に結びつける仕組みがあまりないのからではないでしょうか。
 もう既に、子どもと学生たちは地域に入り生活者とともにエコプロダクツを地域や生活者に広く理解してもらい活用し行動する仕組みも含めた環境・リサイクル活動をすすめています。  
 子どもと学生たちは環境・リサイクル活動を通じて地域やNPOとともに新しい持続可能な環境社会のための環境活動を実践し環境共育のデザインを始めています。
 今回この「子どもと学生がすすめるエコプロダクツ」(地域情報研究所・FACES)ではそのような試みをしている麻布大学環境政策学科の学生たち!FACESとともに「エコプロダクツ2003」で新しい持続可能な環境社会のための環境活動の実践と環境共育のデザインをご提案します。

展示内容

[1]環境・リサイクル活動デザイン

1.麻布大学環境政策学科方式(EPAU Channel =EPちゃん)の環境教育・研究・政策実践の紹介
2.大学・地域・NPOをつなぐ学生の環境・リサイクル活動デザイン
3.コミュニケーションツールとしての似顔絵カンバッジの、学生による制作実演・販売
 
[2]環境情報ネットワーク及び市民研究支援  −eコミュニティを支援するコミュニティウェア『コメット』の活用

 地域の情報循環により、情報共有をはかり、対話の「場」を作り、環境問題に取り組む仲間を広げる。

1.環境情報ネットワーク  
 1−自分のまわりの環境を知る
 2−環境の動きを知る
 3−仲間を知る

2.市民環境研究所
 1−市民、NPO、行政、大学、企業等の“個人”が参加する仕組み  
 2−個人が調べたこと(市民研究)や、意見を発表しあう場の提供
 3−ネットワ−キングの生成 3.eコミュニティを支援するコミュニティウェア『コメット』の活用
 Eジャパン協議会のコミュニティウェア『コメット』を活用してインターネット上で環境情報ネットワーク及び市民研究支援を行う仕組みを提供する。

 エコプロダクツ2003の当ブース http://xmldb.exism.co.jp/eco2003/search.asp?ID=85r0z


  NPO・NGOの大忘年会 


  NPOレインボーの古川さんからです。

 NPO・NGO大忘年会についてのご案内 「NPO・NGOがもっと協力しあって活動をしていくために、ネットワークをつくっていきたい。」というふうに考えられている方は多数いらっしゃいます。同じ趣旨で、「爆笑問題の田中」のお父さんで知られている田中正直さんが環境問題や平和をテーマにしたNPO・NGOの連合会を作ろうと今年の夏ころから各方面に働きかけています。

 この趣旨には多くの方が賛同されるものと思いますが、NPO・NGOと一言でいってもその種類や考えはさまざまです。そのためコンセンサスはなかなかとれません。また集まってもわずかな違いを延々と議論をしてしまいます。 そこで、まず難しいことを言わないで、NPO・NGOで活動されている方が一同に会して、一年間の活動を報告しコミュニケーションをはかってはどうかという案が出、時期的に忘年会がいいのではないかということになりました。

  この考えに賛同頂ける方はぜひ、ご協力頂きたくご案内させていただきました。

  内容・詳細は未定です。いいアイデアがある方はお教えください。

1目的
  NPO・NGOが一同に会して、一年間の活動を報告しあい、酒宴を通して親睦をはかる。  忘年会での経験をもとに今後、大花見などを行う。  このような場を設けることで、欧米のクラブ・サロンのようなものを創る。

2内容  

  大忘年会。 ただ、酒席を設けることでとどまらず、コミュニケーションがとれる工夫を凝らす。 さまざまな団体に働きかけ、担当者を募る。担当者を中心にMLを設け、準備してい く。 講演会・演奏などの企画を入れる。

3日時 12月23日 4参加条件  2000円+持ちより、ご祝儀歓迎

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