『S−Report』  7/31号   学生とこどもが変えるまちづくり −淵野辺と川口 
                    − まちづくりのあらたな展開を求めて−16


 子供たちと学生が地域のイベントでゴミを分別し子供たちは楽しそうにごみと取り組んでいる。
 これは神奈川県相模原市で26日(土)から27日(日)まで行われた「ふちのべ銀河まつり」で地元の麻布大学環境政策学科の学生たちとこどもたち、高校生が行ったゴミ分別ボランティアの光景です。

 子供たちが数多く参加しているのは学生たちが青空の下でこどもたちにも分かる事前説明会を行ったからです。この説明会を聞いて子供たちやボーイスカウトが積極的に参加したばかりでなく、子供たちが自ら募集のチラシをもってボランティアを集めたということです。
 このような学生ボランティアはあちこちで見かけられるますが、この学生たちは単なるお手伝いではなくこのまつりで使用する容器を環境に配慮したものにすることを商店街に提案もして採用されています。
 麻布大学の学生はこのようなエコロジーの手法を用いた学園祭を行っており、最近では大学という枠を越えて近隣の高校にこのやり方を広めてゆき、今回地域のお祭りにも広げていきました。
 同学科の学生たちはこれ以外にも総合的学習の時間や高校生と大学生の出前授業、市民ともに自然に親しむ自然まちづくりの会など学外で積極的に活動しており、5月には地元で交流のための「淵野辺ボンバイエ!」を行い、地域・商店街・NPOに協働・交流を呼びかけたのです。
 今回の分別ボランティアはこの協働のひとつで一種の情報発信・啓蒙であり、ゴミを捨てに来る人との対話を通して、足元の環境問題をともに考えてゆけることを意図したものです。  
 実際、一緒に分別をしながらいろいろな光景をみました。もちろん、めんどくさそうにイヤな顔をしているひともいましたが、小学生がお願いすると大人たちも嫌がらずちゃんと分別しました。小さな子も一回言うとちゃんとやろうとします。そして、ありがとうって言ってくれました。そして、この様子を見て親たちも小さな子に「ほらあそこにごみをもってきなさい」と言うようになりました。
 また、ボランティアとして参加していた子供たちもいつまでもやっていたいといってました。なによりも、参加した学生たちが試験中(土日は試験は無いにせよ)にも関わらず最後の片づけまでやってました。  
  現在のごみ処理は限界に来ており分別による再資源化、減量化は大きな問題です。そんな中、大人が地域のごみに対する意識はまだまだであると言っている間に、子供や学生たちはまちを変え始めています。

 19日に埼玉県川口市で「学生と考える中心市街地のまちづくり」が開かれた。これは早稲田大学の建築学科の学生が授業の一環として行った同市の中心市街地をテーマとした都市デザインの提案の公開講評会です。
 授業の一環とはいえ学生たちは川口のまちに入り込み住民たちに聴き周り、時には泊まり込み都市デザインを作成し、それを今回市民の前で発表したのですが、かなり斬新なプランや活気のなくなった鋳物工場地域の歴史文化を取り上げたプランもあり好評でした。
 また、学生たちがまちに入ったことで地域での問題があきらかになるととも、学生が媒介になり市内の地域間の相互理解が広がったようです。

 学生たちは大人が考えもつかないようなプランを考えたり、発見を行うばかりでなく、地域の媒介となってまちを変え始めています。  このようなことはこのふたつのまちに限らず全国で行われおり、学生とこどもがまちづくりを変えつつあり、いつまでもまちづくりの論議ばかりしている大人たちは各地の子供たちと学生の試みから学ぶことが多いのではないでしょうか。

  地域情報研究所の講座・出展予定  

 
□ 今後の予定について □

 第21回開発教育全国研究集会で自主ラウンドテーブルを開催予定です。 但し、全国研究集会自体の参加は締め切られました。

 「平和を築く学び〜世界の「現実」と開発教育」 第21回 開発教育全国研究集会  自主ラウンドテーブル

 「持続可能な地域開発におけるICTリテラシィー」
     eエンパワーメント −Beyond Digital Divide Vol1

  日時: 8月2日16:30-17:20

  場所: 立教大学池袋キャンパス

  内容:

  ここでは、持続可能な地域開発における情報をめぐる問題(デジタルデバイド等)を克服するための努力や試みを知り、これに参加できる能力と態度、特に、ICTリテラシィーの検討を行う。特に、国内外の現場が持つ経験をいかしながら「平和を築く学び」も含めて持続可能な地域開発におけるICTリテラシーを検討する。 具体的な事例を提示し、これに今年開かれた国連「世界情報社会サミット(WSIS)」の地域会合、国連地域開発センターe-ワークショップ「持続可能な地域開発におけるICT の活用戦略」の成果も加味し、参加者のもつ豊かな経験や知識によって持続可能な地域開発におけるICTリテラシーを検討したい。  このことにより、「地域開発」の進行により社会的格差や地域の不均衡を被り、さらにICTの進展によりデジタルデバイドをも被る可能性ある多くの人々がeエンパワーメントできる可能性について論議できればと考える。

  第21回 開発教育全国研究集会 概要

  ―平和を築く学び 〜世界の「現実」と開発教育〜 

○ 日 程: 2003年8月2日(土)・3(日) (8月1日にプレ・イベントがあります)
○ 場 所: 立教大学池袋キャンパス  (東京都豊島区/JR池袋駅から徒歩7分)
○ 主 催:(特活)開発教育協会(DEAR)         
〒169−0051 新宿区西早稲田2ー3ー18ー73 TEL: 03-3207-8085 FAX: 03-3207-8486
  http://www.dear.or.jp/zenken21.htm http://www.dear.or.jp


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