『S−Report』  6/26号   地域通貨でスローライフ          もう一度地域通貨−3
                     −複数のコミュニティの交差点


 東京の国分寺の駅から歩いて15分程度のところにあるカフェがあります。
 府中市の住宅地の中にあり、店内は南米風でありながら、安っぽくなく落ち着けて、ゆったりとしたスペースで安らげます。 この頃は、単なるカフェから個人の嗜好に応じていろいろなカフェできていますが、この調布市のカフェスローも新しいカフェの一つでありながら、さらに進んだライフスタイル提案型のコミュニティスペースです。
 ここでは”ゆっくりは美しい”が合い言葉のスロー・カフェので、ここはナマケモノ倶楽部 のやっているナマケという地域通貨の拠点でもあるのですが、近所のひとが素敵なカフェとして利用しているといすばらしいところでもあります。

スロー・カフェ宣言 SLOW CAFE MANIFESTO

●ひとつ、スロー・カフェはオーガニック・カフェ●
  有機無農薬コーヒーの普及をつうじて「南」の生産者の持続可能な地域づくり、そして日本の消費者の健康な食生活に寄与することをめざします。

●ひとつ、スロー・カフェはフェアトレード・ショップ●
  環境を破壊し富と貧困の格差を拡大する一方のグロ−バル化のかわりに、生産者と消費者、都市と農村、「南」と「北」、今の世代と未来の世代、人と他の生物たちとの間のより公正な関係をめざします。

●ひとつ、スロー・カフェはスロー・フード●
  安全で新鮮な食材を使った手づくりのおいしい料理を、ゆっくりと楽しんでいただける場をめざします。

●ひとつ、スロー・カフェはスロー・マネー●
  利子を生まない通貨として今世界中で注目されている地域代替通貨を取り入れ、より公正でいきいきとした地域経済圏をつくり出すことをめざします。

●ひとつ、スロー・カフェはインフォ・カフェ●
  環境問題、「南北」問題をはじめとする様々な情報交換の場、そして音楽・映像 などの表現活動の場となることをめざします。

●ひとつ、スロー・カフェはナマケモノ的ライフスタイル●
  切迫する環境危機とは、他ならぬ私たち自身の文化の危機でありライフスタイルの破綻であると考え、自然と人との、人と人との、よりスローでエコロジカルな関係に基づく心豊かな生活文化を提案します。

●スロー・カフェは「私もこんなカフェをやってみたいな」という人たちを応援します●

  2002年1月  ナマケモノ倶楽部 カフェスロー  http://www.cafeslow.com/index.htm

  15日、このカフェスローで第一回地域通貨の集いが開かれました。
 この第一回地域通貨の集いはナマケモノ倶楽部地域通貨族が地域通貨の草の根的なつながりを育んでいくことを目的に開催し、講演会と地域通貨が使えるフリーマーケットが行われました。
 講演会では地域通貨研究者・実践者である嵯峨生馬さんが地域通貨の現状と展望について語り、携帯にも対応する地域通貨間ネット決済システムCCSP.JPについて同システムを開発・運営しているオージャス株式会社の梅山英行さんが説明しました。
 フリーマーケットでは自然食品、各地特産物、アクセサリー、CDの販売やマッサージなどにレンボーリング、Q、ナマケ、COMOなどの地域通貨を使うことができました。(地域情報研究所も出展しました。)
 また、イベント用の会場内地域通貨ゾクゾクを使うことによって地域通貨を知らない出展者・来場者にもわかりやすく地域通貨にコミットして理解できたようです。
 今後、ナマケモノ倶楽部地域通貨族はいろいろな地域通貨を使えるイベントやフリーマーケットを定期的に開くことを目指しており、カフェスローでもこの地域通貨の集いを定期的に開催していくとのことです。

 また、嵯峨生馬さんに今回のことに適切なコメントを頂きました。
  「今回のイベントは、地域通貨どうしの横のつながりが少ないのではないか、という問題意識から出発したものでした。確かに、どうしても、地域通貨というのは、ひとつひとつが独自の価値観を標榜しているだけに、他の地域通貨との交流にはつながりにくいのかもしれませんが、カフェスローさんのように、地域通貨をいくつも受け入れる場が出てくると、その場が複数のコミュニティの交差点になるわけですね。  カフェスローの店長の吉岡さんともお話しましたが、地域通貨には、「理解」というよりも、「コミット」に近いものを感じました。地域通貨受け入れ割合も、かなりの水準を設定していただいています。」

 ナマケモノ倶楽部・地域通貨族
 http://homepage2.nifty.com/houganet/cc/  
 http://www.sloth.gr.jp/namakeshop.htm

 さて、来月には地域通貨ピーナッツで有名な千葉市のゆりの木商店街周辺で、まちと商店街の活性化を考える「商店街・地域通貨サミットwithピーナッツ」が特定非営利活動法人千葉まちづくりサポートセンターの主催、千葉県、千葉市後援で行われる予定です。
 この商店街・地域通貨サミットでは実際に地域通貨が運用されている全国各地の商店街や地域の講師による導入の経緯や現在の活動報告を受けながら、これからの地域通貨について議論がされるでしょう。  地域通貨はブームといわれているが、その性質上地域に深く関係しているためか、地域通貨同士の横のつながりは意外と乏しいのが現状です。

 しかし、このような地域通貨間ネット決済システムや地域通貨同士の草の根的な交流イベントによって、これから地域通貨の横のつながりが生まれていくではないでしょうか。
 そして、身近なカフェ(5/ 1号 「お金で買えない幸せを」)やフリーマーケットが嵯峨さんのいう「複数のコミュニティの交差点」になることで地域通貨が広がっていくことでしょう。

 ナマケモノ倶楽部 


 レポートで取り上げた「ナマケモノ倶楽部」ってなに?と思った人に

 「ナマケモノ倶楽部」

 「ナマケモノ倶楽部」(通称「ナマクラ」)は、学生・社会人・自由人などそれぞれの立場、また様々な国を超えて手をつなぎ、1999年7月に発足した非営利団体です。その思いはひとつ。" Love, Peace & Life" 「ナマケモノになろう!」 「クジラを救おう」とか「ゾウを守ろう」など、絶滅の危機にある動植物を保護する運動は数多く存在しています。しかし、わがナマクラでは、世界で初めて、ある動物を守るだけではなく、ついでに「それになってしまう」という運動を展開しようと思うのです!

 とは言いながら、これだけでなく環境文化運動+フェアトレードを推進する国際協力NGOです。  また、WORLD PEACE NOWの呼びかけ団体でもあるという奥深さがあります。

  詳しくは、   ナマケモノ倶楽部   http://www.sloth.gr.jp/J-index.htm

  地域情報研究所の講座・出展予定



 □ 今後の予定について □

  おぎくぼ塾 2003  7月9日 18:00 講座  阿佐ヶ谷地域区民センター

  「まちづくりの動向−自転車と学生」 (地域情報研究所)  

  現在の過度の自動車中心社会は中心市街地の衰退を引き起こすばかりでなく、現在の地球環境のもとでは環境の著しい悪化の要因のひとつでもあります。  地域の歩行者と自転車優先の地域づくりをすすめるのは、人と自然の共生のためでもありますが、これから住民の高齢化や障害を持つ方々との共生を考えると歩行者と自転車優先の街づくりはこれからのまちづくりには欠かせないものです  また、最近傾向として、まちづくり・地域づくり、NPO・NGOや市民活動で大学や学生との「地域での協力」も数多く行われていますが、それをさらに進めて学生の自主的な活動を尊重し、地域やNPO・市民活動の側も学生を単なるお手伝いとしてではなく、インターン・パートーナーとして迎え入れる体制づくりを考えなくてはならないのではないでしょうか。  
 

  商店街・地域通貨サミットwithピーナッツ



  −まちと商店街の活性化を考える− 商店街・地域通貨サミットwithピーナッツ

《 ご案内 》

  このイベントは全国各地の商店街や地域で実際に運用されている「地域通貨」について、現地から講師を招き、活動実態や導入過程などの報告を受けながら、これからの可能性などについて議論をしたりするものです。
 商店街を核に、「地域通貨」を活用したコミュニティづくりの可能性についても踏み込んで展開します。
 会場は、地域通貨“ピーナッツ”を導入してまちの活性化に成果を上げている、“ゆりの木商店街”(千葉市)周辺です。  参加者の皆様どうしや、地元商店の方との交流もこの企画の大きな目的です。
 これから「地域通貨」を導入したいとお考えの商業関係者や行政職員の方、あるいは導入したけれどどうもうまくいかないとお悩みの実践者の方など、多くの皆さんのご参加をお待ちしています!

【日時・会場】
 7月16日 (水) 12:00〜17:00 篠原旅館 にて
 7月17日 (木)・18日 (金) 10:00〜16:45 松波公民館 にて
 7月19日 (土) 9:30〜13:00 松波公民館 にて

 ・16日〜18日の夕方からは、ゆりの木商店街の店舗にて、ピーナッツ体験交流会を行います。
   “ピーナッツ”実践の現場を肌で体験することができます。
 ・19日の午後は、ゆりの木商店街で恒例イベントの「第三土曜市」が開かれます。

【参加費】
10,000円−各コース共通。体験交流会費を含みます。

・コースは最長3日間ですが、参加日数、体験交流会の参加回数を問わず、参加費は一律となっています。
・宿泊をご希望の方は、会場に交通至便な宿(「篠原旅館」または「ホテルいこい」)を斡旋いたします。あわせてお申し込みください。  
 料金は別途で、1泊朝食付きで 5,000円+500ピーナッツです。

【参加申し込み】
 ・詳しい申し込み方法は、このご案内の最後をご覧ください。
 ・締切は 6月30日(月)です。

【主催】特定非営利活動法人千葉まちづくりサポートセンター

【後援】千葉県、千葉市、(財)千葉市産業振興財団、 (社)千葉県商工会議所連合会、千葉県商工会連合会  
  (※なおこの事業は、(財)ハウジングアンドコミュニティ財団の助成を受けて実施するものです。)

○ プログラム

・7月16日(水)〔1日目〕−会場:「篠原旅館」会議室  12:00  ガイダンス  12:30   昼食(ピーナッツ利用体験)  13:30  講演「ピーナッツの効果」  14:50   休憩  15:00  講演「ピーナッツ設計意図」  16:30  質疑等 [17:00終了予定]  17:30頃〜20:00 ピーナッツ体験交流会(ゆりの木商店街)

・7月17日(木)〔2日目〕− 会場:「松波公民館」集会室  10:00  講演・質疑−事例(1),(2)  12:00  ガイダンス  12:30   昼食(ピーナッツ利用体験)  13:30  講演・質疑−事例(3),(4)  15:30   休憩  15:40  縁側談義(懇談) [16:45終了予定]  17:15頃〜20:00 ピーナッツ体験交流会(ゆりの木商店街)

・7月18日(金)〔3日目〕−会場:「松波公民館」集会室  10:00  講演・質疑−事例(5),(6)  12:00  ガイダンス  12:30   昼食(ピーナッツ利用体験)  13:30  講演・質疑−事例(7),(8)  15:30   休憩  15:40  縁側談義(懇談) [16:45終了予定]  17:15頃〜20:00 ピーナッツ体験交流会(ゆりの木商店街)

・7月19日(土)〔4日目〕− 会場:「松波公民館」集会室   9:30  講演「ピーナッツの効果」  10:50   休憩  11:00  講演「ピーナッツ設計意図」  12:30  質疑等 [13:00終了予定] (午後−「ゆりの木商店街・第三土曜市」開催)

○ コースについて

  以下の4つのコースに分けて参加者を募集します。 参加費は各コースとも、参加日数に関わらず、ピーナッツ体験交流会費を含み 10,000円です。(宿泊費は別途。) なお、1日目と4日目のプログラム(講演内容)は同一です。

・1コース:1〜3日目の2泊3日。
・2コース:2〜4日目の2泊3日。
・3コース:1〜2日目の1泊2日。
・4コース:3〜4日目の1泊2日。

○ 発表事例と講師のご紹介
□ 事例(1) 「ガウ」 〜 東京都練馬区ニュー北町商店街 〜  −商店街で通貨と同様に使用でき、おつりも出る。ボランティアの謝礼にも。   会員制度はとっていない。  ・講師:村上 孝子 氏(NPO法人 北町大家族 理事長)
□ 事例(2) 「しるく」 〜 群馬県群馬郡群馬町周辺 〜  −福祉サービスの交換に多く使われている。商店等で100円の金券として使える「繭券」も別途発行している。  ・講師:井上 謙一 氏(NPO法人 じゃんけんぽん 理事長)
□ 事例(3) 「元気交換市場」 〜 山梨県甲府市周辺(山梨県内)〜  −WAT借用証書型。加盟店で代金の一部として使える他、非会員でも個人間の助け合いに使用できる。  ・講師:浦島 裕二 氏(地域通貨グループ 元気交換市場 事務局長)
□ 事例(4) 「エンバサ」 〜 高知市菜園場〈さえんば〉商店街 〜  −試験導入は平成12年8月と比較的早い。立地条件は良いが、大型店に顧客を吸引され空洞化が進んでいた。  ・講師:今城 逸雄 氏(高知商工会議所)
□ 事例(5) 「まちだ大福帳(花)」 〜 東京都町田市中心市街地周辺 〜  −減価方式を採用。通帳と紙券を併用していることも特徴。申し出れば、通帳の残高を紙券に交換できる。  ・講師:今井 啓子 氏(まちだ大福帳 代表)
□ 事例(6) 「らて」 〜 新潟県三条市内 〜  −三条市が発行、運営の一部をNPOに委託している。ボランティアに登録した個人や市民団体などに配布。  ・講師:野水 清隆 氏(新潟県三条市地域振興課 課長)
□ 事例(7) 「座・ハイカラ(ポートン)」 〜 宮城県登米郡登米町周辺 〜  −まちや世代の枠を越えたご縁づくりを目指す。誰でも気軽に参加できるよう、多様なイベントを行っている。  ・講師:鈴木 隆彦 氏(座・ハイカラ 代表世話人)、      千葉 政子 氏(座・ハイカラ)
□ 事例(8) 「クラ」 〜 神奈川県大和市北部 〜  −生活クラブの研究会が立ち上げた。会員の約8割は組合員。クラブの集会や機関誌を通じて活動を模索中。  ・講師:山口 久子 氏(クラブママーズ 代表)

■ 地域通貨「ピーナッツ」の紹介〜千葉市中央区ゆりの木商店街(千葉県内)  「ピーナッツの効果」  ・海保 眞 氏(千葉まちづくりサポートセンター運営委員、美容室MADOKA)  「ピーナッツ設計意図」  ・村山 和彦 氏(千葉まちづくりサポートセンター運営委員、みんなのまち)
■ 「縁側談義」コーディネーター  ・出塚 昭彦 氏(ピーナッツクラブ、サロン・デ・イデ) ○ 参加申し込み方法とご注意 ・参加をご希望される方は、下のフォーマットに従いメールでお申し込みいただくか、申し込み用紙(案内チラシ)をご請求のうえ、FAXまたは郵送でお申し込みください。
・申し込みをいただいた方には、折り返し確認のご連絡をいたします。

 あわせて、参加費の振込先をお知らせします。 参加費の入金をもって、参加申し込み受付完了といたします。
・参加申し込みの締切は、6月30日(月)です。 (締切を過ぎた場合でもお問い合わせください。)
・定員(各コース30名程度)に達し次第、申し込み受付を終了させていただく場合がございます。
・宿泊の申し込みは満室になり次第締め切りますので、斡旋をご希望の場合はお早めにどうぞ。

〔参加申込フォーマット〕 メール送信先:born@jca.apc.org

・氏名(フリガナ):
・性別:
・勤務先・所属団体・学校名等:
・連絡先住所(自宅、勤務先・所属団体・学校等の別を明記ください):
・連絡先電話番号:
・連絡先FAX番号:
・E-mailアドレス:
・参加コース(1から4のコースのいずれかを選択ください):
・ピーナッツ体験交流会の参加 (参加日(16日、17日、18日)をご記入ください):
・宿泊斡旋希望 (希望される場合、宿泊日(16日、17日、18日)をご記入ください):

【参加申し込み・お問い合わせ先】  千葉まちづくりサポートセンター(通称・ボーンセンター)〔担当:原田〕
  〒263−0024 千葉市稲毛区穴川1−3−1   TEL/FAX:043-206-7726 E-mail:born@jca.apc.org



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