今週「彩の国観光創造塾シンポジウム」(埼玉県観光連盟)が開かれ、基調発表・パネリストをつとめました。 ここでは埼玉県各地の観光を名栗村・長瀞町の首長や専門家を招いて開催しました。全体のテーマは新しい観光でしたが、基調発表は 「彩の国の新しい観光を目指して−参加型オルタナティブツーリズムの可能性」でした。 私の趣旨は埼玉県各地の観光を地域交流と新しい観光(オルタナティブツーリズム)を目指して、各地のまちづくり、経済活性化や市民(県民)参加の活動と連携・協働して行うような新しい観光の可能性を実例で探るというものでした。 まず、新しい観光(オルタナティブツーリズム)について説明しました。 1)エコツーリズム −環境に配慮した観光 エコミュージアム −環境を保全しながら地域丸ごと博物館とするもの 2)グリーンツーリズム−農村おける農村資源を活用した観光 3)歴史的景観観光 −まちの発見と保存による風格ある町並みづくりと観光 4)産業遺産ツーリズム−産業遺産の保存と活用を行うもの (テクノヘリテージツーリズム) 次に、具体例として「4つの地域でのこの4つのあたらしい観光・オルタナティブツーリズムの可能性」 として下記の事例で説明しました。 1)自然型 ・秩父・長瀞町 ・入間・名栗村 2)都市型 ・所沢市 ・川口市 1)自然型 自然やその特性や首都圏の特性を活かした日帰りを中心にしたオルタナティブツーリズムを市民(県民)参加で行う可能性をの実例で御紹介し、提案しました。 ・秩父・長瀞町−「エコミュージアム的展開」 埼玉県では都市ばかりでなく、県内にも豊かな自然の中に自然施設が整っている地域が多くあります。また、まちづくりの観点からも自然と歴史的景観の保存活用が言われており、自然の中の「エコミュージアム的展開」は埼玉県の各地の共通の課題だと考えられます。 その例として長瀞町自然の中の「エコミュージアム的展開」の紹介とその中の「エコミュージアム」の可能性について報告しました。 ・入間・名栗村−「エコツーリズム・グリーンツーリズム」 埼玉県では、県内にも歴史や由緒ある自然豊かな地域が多くあります。また、まちづくりの観点からも自然と歴史・文化の活用が言われており、山林保全も含めて「エコツーリズム・グリーンツーリズム」は埼玉県の各地の共通の課題だと考えられます。 その例として名栗村の古くから木の村として自然を生かした各種自然施設の紹介とカヌー工房、やませみについて報告しました。 2)都市型 都市で歴史やその特性や首都圏の特性を活かした日帰りを中心にしたオルタナティブツーリズムを市民(県民)参加で行う可能を昨年度の実例で御紹介し、提案しました。 ・所沢市−「歴史的景観観光」 埼玉県では「歴史的景観観光」というと蔵づくり・小江戸川越が有名ですが県内各地には数多くの歴史や由緒ある歴史的景観のある地域が多くあります。また、まちづくりの観点からも歴史的景観の保存活用が言われており、「歴史的景観観光」は埼玉県の各地の共通の課題だと考えられます。 その例として所沢市の蔵づくりの景観、まちづくり活動の紹介と具体的な2002年度開催の市民の「まちづくり」としての『粋なところざわ』について報告しました。 ・川口市−「産業遺産(テクノヘリテージ)ツーリズム」 埼玉県では「産業遺産(テクノヘリテージ)ツーリズム」はまだありませんが、深谷市のレンガ産業、秩父市の繊維産業など、県内各地には数多くの歴史や由緒ある歴史的景観のある地域が多くあります。また、まちづくりの観点からも各種産業が衰退した地域の歴史や産業遺産の保存活用が言われており、「テクノヘリテージ(産業遺産)ツーリズム」は埼玉県の各地の共通の課題だと考えられます。 その例として川口市のまちづくり活動の紹介と商店街の街なかのギャラリーと鋳造モニュメントとアートについて報告しました。 そして、観光のあり方を考えるとして、ユニバーサルデザインやe情報ネットワーク・映像メディア、まちごと出前・地域交流なども御紹介しました。 最後に、展望として首都圏にありながら古代よりの長い歴史・文化を育み、自然も豊かな埼玉県は豊富な歴史文化的観光資源や自然環境観光資源を有していますが、県内各地域の多くの皆さんの努力もありながら、その活用がいまひとつでした。 従来観光と結びつけられていなかった県内各地のまちづくりの試みを”その地域の市民が望む場合は”「新しい観光−オルタナティブツーリズム」として豊かな新しい彩の国の観光を創造していくことが必要ではないか提案しました。 (言うまでもなくそれを決めるのは地域の市民です。) また、立教大学観光学部長・溝尾良隆教授や参加された両首長を始めとしたパネリストや参加者からも有益なご意見を頂きました。 さて、「まちづくりのあらたな展開」の11は「参加型オルタナティブツーリズムの可能性」です。 今回、参加者から「観光・観光開発というと一部の業者が勝手に行ったり、ひどい例では行政と結託して自然破壊や景観を損ねることではないか。そういうことなら断固反対である」というような意見もありました。 それはその通りです。 しかし、今回は新しい観光を市民(県民)参加の活動と連携・協働して行うようなことで提案しましたので、それとは反対の方向で進めることが大事だということはその場での共通理解となりました。 しかし、今回取り上げさせて頂いた地域の方々から事前に頂いた参考意見にはやはり「観光」に関する厳しいながらも適切なご意見がありました。 1.自然の豊かな地域の方からは ・自然史の地球と、環境の地球を、かけて考えていきたいと思っています。 ・コンセプト、キーワード等になれない町の人たちに説明して展開していくということを考えています。 2.都市部の地域の方からは ・私たちとしては、まちづくりよってまちの人がまちに誇りを持つことがまず第一と考えております。 ・イベントに外から人を呼び込むための第一ステップという発想は今のところはありません。 ・このようなことは地域間の相互交流というようなものなのではないかと思ってい ます。 「観光開発」や「安易なまちづくりと観光」といったものはもちろん、「参加型オルタナティブツーリズム」とまちづくりとの協働関係であってもこのように気を付けていかないことがあります。 (付記) 今回は、ほとんどが観光関係の方々でしたが、県のまちづくり関係の方々は多く関心の高さが伺われました。
NPO法人てこネットから【アクセシビリティセミナー】のご案内 アクセシビリティガイドって何? 私たちにできることは? アクセシビリティとは、あらゆる年齢・能力の人にとって、施設や情報がどれぐらい利用できるのかの程度、使い勝手を言います。日本全国の公共交通機関や施設のアクセシビリティ情報をインターネット上で、みんなで集め、みんなで利用しよう、というのがアクセシビリティガイドです。 昨年、「バリアフリー推進ネットワーク」(事務局:交通エコロジー/モビリティ財団)より、バリアフリー優秀活動大賞が贈られました。 現在、バリアフリー化の流れの中で多くの福祉マップが出ています。しかし、地域によって偏在していたり、調査項目や判断基準に統一性がなかったり、更新されずに古びてしまったりと、多くの問題も抱えているようです。そうした中でのアクセシビリティガイドの可能性を、またこの杉並の地で私たちができることを共に考えていけたら、と思います。 <日時>2003年3月28日(金) 19:00〜21:00 <場所>阿佐谷地域区民センター第4・第5集会室 <内容>・アクセシビリティガイドの活動 ・「駅たんけん隊」「キッズイベント」とは ・杉並でこれから始められること <講師>萩野美有紀さん(ACG事務局) http://www.a-guide.org <参加費>500円(資料代) <主催>アクセシビリティガイド事務局/NPO法人てこネット <申込み>Fax:03-5306-6597/メールボックス8番「てこネット」 Eメール:teconet@globetown.net <問合せ>090-1428-1611(渡辺) 当日のセミナーと翌週予定のワークショップ=「キッズイベント」をお手伝い下さる方大募集中 ! 以上、ご案内致します。ぜひご参加下さい!