○今号のPASSION IN ACTION:
The Green Institute(Minneapolis, U.S.A.)
○事業/活動内容:
The Green Instituteは、リサイクル可能な建材や部品を売るThe ReUse Centerと、人手による建物の解体により雇用を生み出しかつ建材をリサイクル可能な形で残すという「DeConstructionService」を手がけている。
もともとは、住宅街に計画されたごみ処理場建設への反対運動から生まれた組織で、現在その予定地だった土地にはEco-Enterprise Centerという自然の力を生かした冷暖房や100%の雨水利用などの工夫を兼ね備えたエコビジネスセンターが建っている。
この建物、もちろんリサイクル建材で建てられたのは言うまでもない。
The Green Instituteが面白いのは、もともとビジネスをしようと思って始まった組織ではないところだ。ごみ処理場建設への反対運動から市民の意識が高まり、リサイクルショップの運営や、そのショップへのサプライを維持するための解体サービスまで作ってしまった。
これは、反対運動が成功したことにより、「自分達でも社会を変えていける」という自信が市民の中に根付いたことが大きいのではないだろうか。
また、「ごみをリサイクルしましょう」とはよく使われる言葉だが、リサイクルに出す側もリサイクルする側もあまり得したなぁ!という感覚を得ることはない。
その点The Green Instituteを通してリサイクルすると税金面で優遇されたり、次の家のための安価なリサイクル商品が手に入ったりする。特に建材なんかは直接目にするわけではないのだから、同じ機能であれば安いほうがうれしい。さらにリサイクルをするThe
Green Instituteも安い調達が保証されているようなものだから、安定した商売ができるというものだ。 リサイクル商品を考えるときに、値段、機能、デザイン性などを総合して元々の商品よりも優れているかどうか、というのはひとつの指標になるのではないかと思う。
○リンク: http://www.greeninstitute.org
須子はるかさんへ
社会起業スピリットに溢れた企業やNPOを紹介するというのは重要ですね。
日本では企業起業とNPOの創出は別のものと捉えられ、分けられています。
世界ではそんな区別などある意味あまり意味がなくなってきた部分もあります。
その意味でもThe Green Institute(Minneapolis, U.S.A.)の事例はおもしろかったです。