中国黒竜江省酪農乳業発展計画
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中国黒竜江省酪農乳業発展計画のための
運営指導調査に関する協議覚書

国際協力事業団(以下「JICA」という)が組織し、石原哲雄氏を団長とする日本側運営指導調査団(以下「調査団」という)は、中国黒竜江省酪農乳業発展計画に関するこれまでの活動状況の把握、詳細な活動計画の作成、今後の運営に関する協議を行うため、2002年4月7日から同年4月19日まで中華人民共和国を訪問した。

調査団は、中華人民共和国滞在中に、当該計画に関する共通の理解と認識を得るために、中華人民共和国関係者と意見を交換し、一連の協議、現地調査を行った。協議の結果、双方はここに添付する付属文書に記載する諸事項について合意した。

本覚書は、協議結果をそれぞれ自国政府に報告することを以下の署名により確認するものであり、2002年4月17日に哈爾濱市にて等しく正文である日本語、中国語による各2通を作成した。

哈爾濱市
2002年4月17日
石原 哲雄
日本国国際協力事業団
運営指導調査団団長
董 瑞麟
中華人民共和国
黒竜江省科学技術庁
副庁長

付属文書

I. 当該計画の活動計画

中国黒竜江省酪農乳業発展計画(以下「当該計画」という)のプロジェクトデザインマトリクス(PDM)、活動計画(PO)、年次活動計画(APO)については、2002年4月17日に開催された合同調整委員会において、附表I、II、IIIのとおり承認された。PDM、PO、APOは、必要に応じて合同調整委員会で合意の上、2001年4月16日に署名された討議議事録の範囲内で修正することが出来る。

II. 主な協議事項

1. 基本計画の変更

PDM中の「プロジェクトの要約」欄について、日本側及び中国側は以下のとおり修正することで合意した。

  1. 酪農サイトにおける活動の結果、生乳の品質向上が期待されるため、成果3として加える。
  2. 技術移転の順番を考慮して「乳製品の品質向上・多様化が図られる」と修正し、成果4とする。
  3. 活動について、機械搾乳技術は搾乳衛生管理技術に含める。

2. モニタリング実施方法

当該計画を適切に運営・管理するため、日本側専門家及び中国側関係者は、附表IVに基づき当該計画のモニタリングを実施し、附表Vに示す様式にてモニタリング報告書を黒竜江省科学技術庁及びJICA中国事務所に提出する。モニタリング報告書に関しては、附表Vに示す項目以外に、以下の項目についても、必要に応じて記載する。

(1)当該計画の問題点とその解決法
(2)PDMの外部条件や前提条件における仮定に関する変更

3. 指標データ

日本側専門家及び中国側は、PDMに関する適正な指標を策定するため詳細なベースライン調査を実施し、第1回モニタリング委員会までにプロジェクト開始時における指標データを明示する。

4. 日本側投入

活動計画(PO)及び年次活動計画(APO)に記載されている投入については、活動上想定される機材等を意味しており、専門家とカウンターパートが十分に必要性を検討の上、日本側の予算の範囲内で別途供与の可否を決定する。

5. カウンターパートの安定的配置

中国側は、附表VIに示すカウンターパートについて、安定的に配置すべく必要な措置を講ずる。特に、調整員のカウンターパートについては、適切な人材が速やかに配置されるよう日中間で調整する。

6. 酪農サイトの活動

中国側は、安達市先源郷友誼牧場に対して当該計画に係る十分な予算措置を行う。また、酪農サイトの関連機関は、技術移転の効果を高めるため、活動上の連携をさらに深める。

7. 乳業サイトの活動

国家乳業工程技術センターにおける乳業分野の活動については、龍丹乳業科技有限公司と密な連携をとる必要があるものの、当該計画は特定企業の業績向上を目的とするものではなく、乳製品に係る基礎技術の移転を目的とする。

8. 農機具庫

安達市先源郷友誼牧場に設置予定の農機具庫については、日本側は予算の範囲内で施設整備を行い、中国側は暖房設備、施設外周鉄柵、燃料費を含む運営・維持管理費等を負担する。

9. 通訳の配置

中国側負担により、酪農サイト2名、乳業サイト2名の通訳が配置されており、専門家の協力のもと、引き続き能力の向上が図られ、円滑に業務が推進することが期待される。

III. 提言

  1. 当該計画の実施主体は中国側であり、予算措置、人員配置、当該計画の運営管理、活動終了後を見据えた人材育成に関し、主体性を持って実施する必要がある。さらに、日中双方が、成果の維持発展に関する具体的な方策を検討することが重要である。
  2. 日本人専門家及び中国側が定期的な会合の機会を設け、当該計画が円滑に運営されるために必要な調整を行う。特に、実施管理室は日中間及びサイト間の調整を積極的に行い、情報の共有に努めることが重要であることから、必要時に確実にコミュニケーションが取れるような体制を確立する必要がある。
  3. 指標の作成にあたっては、客観的かつ定量的な指標となるよう留意し、根拠となるデータの収集方法を明確化することが必要である。なお、統計資料の収集・提供にあたっては、中国側が必要なデータの提供に協力することが重要である。
  4. 機材供与については、日中双方が協力し、技術移転を円滑に進めるために、必要な措置を速やかに講ずることが重要である。
  5. 中国側は、当該計画で得られた成果を黒竜江省の酪農乳業の発展に供するため、黒竜江省、安達市、先源郷の酪農乳業振興計画の中の重要方策として位置づけ、長期にわたり移転された技術を発展・普及させる必要がある。
  6. 中国側は、酪農乳業関係者のみならず一般国民を含めて、当該計画に関する広報活動を積極的に展開する必要がある。

附表I プロジェクトデザインマトリクス(PDM)

プロジェクトデザインマトリクス(PDM)については、その後更に改訂されているため、最新版のPDMを参照されたい。
最新版のPDM

附表II 活動計画(PO)

活動計画(POについても、その後更に改訂されているため、最新版のPOを参照されたい。
最新版のPO

附表III 年次活動計画(APO、2002-2003)

年次活動計画(APO、2002-2003)

附表IV モニタリング・評価計画書

モニタリング・評価計画書

附表V モニタリング報告書

モニタリング報告書(記入様式)

>附表VI カウンターパートリスト

カウンターパーも、その後異動があるため、「カウンターパート」の項を参照されたい。
カウンターパート

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