1999年に入り、5月に檜枝岐へ行く。例の脱輪事件の時だ。この時、必死でブナの新芽を探してコルリを見つけたときの感動は忘れられない。何もない葉先や枝先に、ふと黒い点が見えたときの喜びは何度味わっても飽きることはない。
そして、ヒメオオの本格シーズンが近づく。発生しているかどうかもわからない時期から林道に入った。この時には、まだ自分がヤナギ病に感染していることには気づいていない。何本もの空振りを繰り返し、ついに枝先についているヒメオオの♀が目に入ったとき、これもすごい感動があった。
そして本格シーズンに突入。これまでの鬱憤を晴らすかのように何頭も何頭も見つけ続けた。こうなると、今度は自分でポイントを見つけたくなる。「ヒメオオは福島で採るものだ」という常識を覆してクワ道さんと東北・上信越への旅に出たのであった。丸々二日ほど、何万本というヤナギを見てアカアシすら見つけられないという悲惨な状況の中で、最終日についに長野でヒメオオを見つけた。そしてその日のうちに新潟でも♀を採集し、完全にヤナギ病は悪化した。ここまでして、ようやく独り立ちできたという感触があった。たった1頭のヒメオオで、これほどまでに喜べる。新規開拓は結果が出ると本当に素晴らしい。
さらに、ヨメとの東北旅行で秋田、岩手でのヒメオオ採集に成功し、ここにきてようやく「重症ヤナギ病患者」を自覚した。
この秋、さらにクワ道さんと栃木と群馬の新規開拓に成功し、次の年の目標も定めることができた。
1999年 冬
99/9/xx他
★採集場所:福島県(4ヶ所)
★採集方法:樹液(ヤナギ、ブナ等)
ヒメオオを採集するには日本一メジャーな県であると思う。クワガタを本格的に始めたときにはここでしかヒメオオは採れないと思い込んでいたし、当時は全体的にもそういった風潮があった。各方面の書籍やインターネットで紹介されているため、年を追うごとに採集者は増加していて、不滅だと思われていた林道でもその数は激減している。
→採集記
99/8/2他
★採集場所:長野県某所(4ヶ所)
★採集方法:樹液(ブナ幼木、ヤナギ等)、材割
福島でしか採集できないと思い込んでいたヒメオオを知らない場所で採集したいと思い立ち、長い旅の果てについに見つけた1頭。新規開拓という概念自体を自分に植え付けたこの1頭が今の採集の原点となっている。
→採集記
99/8/2
★採集場所:新潟県某所
★採集方法:路上
上記長野産同様、全く手がかりのない場所を探すというこれまでなかった概念を確立し、具現化した1頭。地図1つで探しに行き、偶然にも拾うことができた。
→採集記
99/8/26
★採集場所:秋田県東成瀬村
★採集方法:樹液(樹種不明)
時間がなくてあまり本腰を入れて探すことができなかった秋田であるが、ヤナギのない場所で樹液採集を果たすことができた。
→採集記
99/8/26
★採集場所:岩手県沢内村
★採集方法:樹液(ヤナギ)
アカアシを探しに行って偶然見つけたもの。関東から見れば常識ハズレな標高で採集。棲息環境は至るところにあると思われる。
→採集記
99/10/2他
★採集場所:栃木県某所(4ヶ所)
★採集方法:樹液(ヤナギ)
採集開始後すぐに採集に成功した。その後、本県の数ヶ所ポイントを発見したが、ヒメオオ採集の目的であれば隣の福島に多産地があるため採集者はそちらへ流れるものの、難易度は低い。
→採集記
99/10/2他
★採集場所:群馬県某所(2ヶ所)
★採集方法:樹液(ヤナギ、ブナ)
「いてくれてありがとう!」という言葉も今は共通語になってしまった。この言葉を使うほど採集に苦労したわけではないが、10月にも入っており採集した際の条件はよくなかった。
その後、別のポイントでも採集に成功。難易度は高くない。
→採集記
8.【山梨産】
00/07/08他
★採集場所:山梨県某所(4ヶ所)
★採集方法:樹液(ヤナギ)、材割
ヤナギ病最高潮の時に待ちわびながら採集したもの。有名産地以外でも比較的容易に採集できるため、都心から狙うにはお手軽な県である。
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9.【山形産】
01/08/18
★採集場所:山形県某所
★採集方法:樹液(ヤナギ)
数年間かかってようやく採集に成功した。山岳地帯へのアクセスは時間的余裕がなければ意外に難しく、無駄足に終わることも多い。しかしながら、この県での採集成功に関してはその後の活動の指針となるひとつのノウハウを得られたため、非常に意味深いものであった。
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01/08/18
★採集場所:宮城県某所
★採集方法:樹液(ヤナギ)
2回目の挑戦で採集に成功したが、個体数としては非常に多い印象がある。
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11.【茨城産】
02/04/14
★採集場所:茨城県某所
★採集方法:材割
採集回数に比較すれば採集個体数は極めて少なく、難易度は高いと思われる。機会があれば樹液採集でも狙ってみたい。
→採集記
02/08/7
★採集場所:青森県某所
★採集方法:樹液(ヤナギ、ミズナラ)、灯下
棲息環境は至るところにあり、ポテンシャルは非常に高いと思われる。但し、逆に環境が良すぎて探す場所に目移りしてしまう可能性もある。灯下でも容易に採集ができるので、スタイルにこだわらないのであれば外灯での採集も手段としては有効である。
→採集記
02/11/17
★採集場所:神奈川県某所
★採集方法:材割(ブナ)
棲息環境はあまり多いとは思えないが、確実に本県にもヒメオオは棲息しているようだ。
→採集記
00/09/09
02/11/17
★採集場所:埼玉県
★採集方法:樹液/材割
2000年に発見した埼玉産であるが、これは落としてしまったので確認ができなかったものの、ヒメオオであると思われる。
2002年に材割で出した幼虫は他のヒメオオの顔と酷似しており、可能性は非常に高いと思われる。
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02/07/20
★採集場所:静岡県
★採集方法:材割
4年も通い続けている静岡で、5ヶ所めにしてようやく見つけたヒメオオであったが・・・♀の成虫はオノで傷つけてしまい、♂のサナギにも同様にオノが入ってしまった。幼虫は採集したものの、これでは記録に残すわけにはいかないだろう。
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02/12/7
★採集場所:東京都
★採集方法:材割
千葉を除く関東制覇に向けて、感触だけでも掴んでおきたいと臨んだ東京産ヒメオオのチャレンジであったが、幸運にも1回目で生息地を発見できた。小ぶりなアカアシばかり出てくる材でヒメオオ1頭だけが極端に大きく、材の中で砂状の木屑に埋もれて息耐えていた。2齢幼虫は採集したものの、これは話にもならない。
→採集記