「フロイトを読む会」は、2007年、若田恭二氏(関西大学名誉教授:政治心理学)、土倉莞爾氏(関西大学名誉教授:西洋政治史)を発起人としてスタートした研究会です。会の名称こそ「フロイトを読む会」ですが、参加者の雑多な(?)関心を反映して、これまで、さまざまなテーマで報告がなされてきました。
二十世紀の代表的な思想家フロイトの今年は生誕150周年にあたります。時代の思想家としてフロイトを読み直そうとする機運が高まる中で、フロイトの著作集が刊行されるのに歩調を合わせて、彼の著作を読んでゆく会を発足させることにしました。
時代が人間を押し潰しながら進んでゆくその様を書き記したフロイトの著作、そのすべてを思想の進展に沿い、著者の息づかいを感じながら読み解いていくことは、私たちの中に、歴史を畏怖し、愛し、時には反抗する気持ちを呼び醒ますことでありましょう。
ご参加を心からお待ち申し上げます。
発起人
若田恭二(関西大学法学部)
土倉莞爾(関西大学法学部)
*所属は2007年1月当時。
第1回(2007年1月20日)
若田恭二「フロイト『快原理の彼岸』(1920年)を読む」
第2回(2007年3月24日)
木村祐治「フロイト『集団心理学と自我分析』(初版1921年、第2版1923年)」
第3回(2007年5月12日)
河村厚「フロイト『女性同性愛の一事例の心的成因について』(1920年)」
第4回(2007年7月21日)
木村祐治「フロイト『モーセという男と一神教』(1939年)」
第5回(2007年10月13日)
木村祐治「フロイト『モーセという男と一神教』(その2)」
第6回
記録紛失
第7回(2008年2月23日)
若田恭二「フロイト『マゾヒズムの経済論的問題』(1924年)」
第8回(2008年4月26日)
木村祐治「フロイト『自我とエス』(1923年)」
第9回(2008年7月26日)
土倉莞爾「フロイト『文化への不満』」
第10回
河村厚「ドゥルーズ & ガタリにおけるフロイト批判―『アンチ・オイディプス』第一部・第二部を中心に―」
第11回(2009年1月31日)
若田恭二「「自我」、「主体」、「現存在」について―「わたし」をめぐるフロイト、フーコー、ハイデガーの解釈」
第12回(2009年5月30日)
木村祐治「フロイト『幻想の未来』(1937年)」
第13回(2009年7月4日)
土倉莞爾「オフェル・フェルドマン『政治心理学』(2007年)、永井陽之助『政治意識の研究』(1971年)」
第14回(2009年8月22日)
木村祐治「フロイト『トーテムとタブー―未開人の心の生活と神経症者の心の生活における若干の一致点』(1913年)」
第15回(2009年10月17日)
若田恭二「ハイデガーの現存在分析と世界内存在について―ハイデガー『カッセル講演』(1925年)を読む―」
第16回
河村厚「タナトス、戦争、民主主義 フロイトとラズウェル」
第17回(2010年4月17日)
捧堅二「ヴェーバー権力論の射程」
河村厚「フロイトとスピノザ」
第18回(2010年7月3日)
木村祐治「「ユダヤ人」フロイト」
第19回
記録紛失
第20回(2011年4月16日)
若田恭二「システム的思考の系譜―全体と個のありかたについて、古代ギリシアより現代思想まで―」
第21回(2011年7月30日)
長谷川高生「オルテガ生命論から人格発展論へ」
第22回(2011年10月29日)
木村祐治「「ユダヤ人」フロイト―ピーター・ゲイ『神なきユダヤ人』を手がかりに―」
第23回(2012年2月11日)
中川政樹「イタリアエリート理論と民主主義の陥穽」
第24回(2012年6月24日)
河村厚「国際政治学におけるスピノザ―カー、ウォルツ、キッシンジャー―」
木村祐治「ポピュリズムとリーダーシップ―『集団心理学と自我分析』『モーセという男と一神教』を手がかりに」
第25回(2012年10月20日)
中村隆志「異議申し立てと共和政―フィリップ・ペティットの議論を中心に―」
第26回(2013年1月26日)
捧堅二「初期マルクスの共和主義思想―『ライン新聞』時代から『ヘーゲル国法論批判』へ」
第27回(2013年4月27日)
河村厚「フロイトのレオナルド・ダ・ヴィンチ論について」
第28回(2013年10月19日)
若田恭二「反近代の思想の系譜と三つの特徴―システムの思考、自己への配慮、語りえぬもの―」
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