昭和ミシンの画像を少し
紹介するすべてのミシンに辻永式手回しハンドルが取り付け可能です。
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日本の代表的なミシンメーカー ジャノメ
1960年頃のミシン
釜の中にクリーニング用の赤い樹脂部品がある
ベッドの下の釜の近くの足が他社よりも少し長いので
ケースを選ぶ時がある
ジャノメの源流となる会社は
PINEブランドのミシンを出していた時期もあるが
現在オークションなどで見るPINEはほとんど戦後の日鋼製のPINE
日鋼は後に日鋼シンガーとなり国産のシンガーミシンを作る
PINEには2種類あるのだ
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今はなきリッカー
HA1は各社共通の規格で作られたミシンだが
それでもメーカーにより違い出る
リッカーのデザインはまとまりがあり好きだ
面板や後面のハッチのフタのデザインもいい
そしてこの個体は手持ちのミシンの中で最も軽く動く
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福助はうちの教室では一番人気
良質なストッキングなどで良い企業イメージがあるという
ストッキングをはいてみればわかると言われたが・・・
ミシンだけ見ても この頃の福助のデザインはいい

福助のマーク 頭でかい
日本製って主張してる感がいい!
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これも福助
やはりデザインのまとまりがいい
メタリック感のあるグリーンが美しい
糸立て部分のハッチを開くと
上軸と下軸をつなぐクランク部を上から見ることができる
この構造は好ましいと思っている

こちらのマークはこじんまりとかわいらしい
JISマークも
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メタリックな青色系のブラザー
黒が圧倒的に多いが
青や緑といった色のミシンも少なくない
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これは定番の黒いブラザー
糸巻きの仕様で古い時期とわかるが
1950年・昭和25年頃のミシンのようだ
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昭和初期から活躍していたと思われるが
正確には昭和ミシンとは言いがたい
もっと古く 1922年・大正11年にアメリカで製造されたミシン
複雑な糸巻き機構を持っていて かっこいい
返し縫いの機能は この時代まだ実装されていない
当時は超高級な輸入品だったと思われるが
製造当時に輸入品か 後年の輸入品かはわからない
この時代のミシンもまだまだ現役で動く
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BANKOKUミシン
カッコ悪いプラスチックの白い面板外装が付いていたが
それをはずしたところいい顔のミシンになった
動きは軽快で
各部に独特の設計があっておもしろい
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店置きの手回しハンドルの見本にしたノーベルミシン
同じ型で複数のブランドがあるので
OEM型ミシンだと思われるが フォルムがかわいらしい
上糸を安定させるためにテンションを付け足した
ノーベル賞を受賞した山中伸弥氏のお父様が
ミシンの部品工場を経営していたとのことで
このノーベルミシンの部品にも使われていたら良いなと思っている
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各メーカーが独自のデザインで作るようになった時期のブラザー
一部樹脂部品が使われているが
まだまだ金属部品が多い
機械としての精度は高く安定して動く
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鮮やかなグリーンのジャノメ
このミシンも良く動く
返し縫いが押しボタン式になっている
洋裁ではバネで前進に戻る仕様のほうが能率がいい
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ハッピーのジグザグミシン
この時期のジグザグミシンのデザインは
総じて好きだ
なんておしゃれなんだろう
今のミシンにこの上品さは無いな
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これもハッピーのジグザグミシン
珍しい青系の淡い色
ハッピーのこの系列のジグザグミシンは
上から見た時に実にスマートなデザインなのだ
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トヨタのジグザグミシン
いかにもメカという面構えでかっこいい
動きも正確で振動が少ない
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ジャガーのジグザグミシン
レバー式の返し縫いが付いているジグザグミシンは少ない
押え金が工業用の規格になっている
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ミシンの先駆的メーカーだった
シンガーのジグザグミシン
外装に樹脂が多く使われているが
中身は鉄なのでけっこう重さがある
糸巻きの調整が 決まりにくい機種かな
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ジャノメ680 大好きなミシン
このミシンのために台の天板も作った
1970年発売の当時の高級機 外装が軽金属で軽い仕上がり
樹脂部品が多くなっている機種
完成度がとても高く ミシンのひとつの完成形だと思う
機械式制御でカムを交換して模様縫いも多彩にできる
こんなに優れたミシンが作られていたのかと
心からそう思った一台
こんなミシンをまた作って欲しいのだが・・・
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初めて手にした職業用ミシン
ブラザー TA2-B623 前期型
調整に苦戦したが 調整後はとても調子がいい
平ミシンの調整はこのミシンで覚えた
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シンガー終盤の鋳鉄製職業用ミシン
188プロフェッショナル 後期型
やはりデザインがおしゃれだ
かっちりした精密な仕上がりを感じる
この後のマイナーチェンジで
白い188プロフェッショナルも造られたが
ごく短期間 少ない台数であった
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ジューキのTL-82
私にとっては 調整が一筋縄では行かない時があるミシン
職業用としての共通規格で作られているはずなんだけど
何か微妙な違いを感じるミシン
普通に布を縫うには とても快調に動く
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ジャノメ766 後期型
小型モーター用の台座もなく 糸巻き装置も別付けで
設計は古いのだけど 私にとっては好感度抜群
いいミシンだ
何となく 少しだけだけど
当時の技術者の気持ちがわかるような気がするんだな
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このミシン、全部自分の?と聞かれると、台数が多くて恥ずかしいのですが、基本的には所有しているか過去に所有していたミシンです。そして実はもっとあります。昭和ミシンの話をすると、強い興味を示すのはどちらかというと男性です。クルマやバイクに通じる面白さがあるとおっしゃる人が少なくありません。女性は、様々な機種に興味を持ついうことは少ないようで、自分のミシンが動いて使えれば、それでいいとおっしゃる人が多いようです。
昭和ミシンはほどほどの値段で購入することができて、機械いじりが好きな人なら調整したり磨いたりで、楽しい時間を過ごすことができます。自分で楽しむことができて、良い状態で後世にミシンを残すことができるかもしれないのですから、ミシンもなかなか好ましい趣味ではないかと思います。ミシンに興味のない人から見れば、趣味がミシンというのは変かもしれませんが、奥深くて楽しい世界です。当時の設計者の意図を感じたりすると、なるほどと思ったりするのです。
自分なりにミシンを見てきて、現在のミシンメーカーの製品づくりの方向性は、少し物足りないような気がします。現行の家庭用ミシンに男性を意識したものはほとんどありません。でも、カメラの世界のように、古いメカニカルな製品を意識した製品づくりをすれば、現行のミシンもまた少し違った層にアピールできるのではないかと思ったりします。現在そしてこれから作られる家庭用ミシンの中に、後世に残したいと思うミシンがどのくらい現れるのだろうかと、そんなことを考えたりもします。
レザークラフト業界には、家庭用ミシンにレザーと名づけて販売されているミシンがありますが、もっと本気で作られたクラフト向けの家庭用ミシンを見てみたいものだと思います。
質実剛健メカニカル感満載の妄想クラフトミシンが、頭の中で軽快に縫製中です。
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