★メール紹介・Q&A 第11回 2001/06/17
作家の鈴木輝一郎先生のサイト『小説家鈴木輝一郎は締切厳守』の日記コーナーにて、『下読みの鉄人』の内容に間違いがある、というご指摘をいただきました。主要部分を以下に転載します。
●「今日の鈴木輝一郎」5月19日(土)より
久しぶりに『下読みの鉄人』にアクセス。ここの筆者、どこの下読みをやっているのかさっぱり不明で、狭い業界だというのに筆者の名前をまったく聞いたことがなく、怪しきこと限りなしなんですが、書いてあることは側聞している諸事情と合致しています。たぶん本当にどこかの下読みをやっていて、仮名で運営しているのか、ぼくの知っている範囲とは別ジャンルの下読みをしてるか、ってところですか。
2001年5月19日現在の内容については、だいたい信用していいんじゃないかしらん。投稿にともなう疑問などについて、おおむね網羅されているので、小説家を志望されるかたは、投稿される前に、プリントアウトして一通り目を通しておいたほうがいいんじゃなかろうかと思います。
ただ、一箇所(http://www.sky.sannet.ne.jp/shitayomi/mail/u001-04.htm)、『そんなこたぁないよ』というところがありました。
Q.地方に在住していると、新人賞でデビューした後に、何か不利なことがあるでしょうか?
A.今は電話もFAXもネットもありますし、それに日本の編集者の多くは出張が大好きで、北海道でも沖縄でも、よろこんで飛んで行きます。また、作者に上京していただく際の旅費やホテル代なども編集部でご用意します。あなたに編集者を動かすだけの作家としての実力があるならば、どこに住んでいようと何ら問題はありません。(後略)
この答えで間違いなのは『作者に上京していただく際の旅費やホテル代なども編集部でご用意します』ですね。基本的に、出版業界の場合、打ちあわせの際の上京費や滞在費は小説家持ちです。もちろん、小説家の置かれているポジションによって、ここいらは大きく違ってきますし、企画の事情によっても違います。
ここから推測できるのは、この筆者が主たる下読みをしている世界(書店に並ぶ棚が違うと、同じ小説家の世界でも、業界慣習が驚くほど違う、と思っていただいていいっす)では、著者の旅費・滞在費を出版社が持つのが通例だ、ということで、そこからこの筆者がどこで下読みをしているのか、割り出せそうですね。
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