★メール紹介・Q&A 第10回 2001/05/20
●ティアモナ さん からのメール
新しくできた賞の第1回目に応募する時には、その賞のカラーは、どんなふうに判断すればいいのでしょうか? 過去の入選作品がないので、何を参考にしたらいいのか、よくわからないのですが。
○和田曜介のコメント
応募要綱に書かれている内容、選考委員の顔ぶれ、出版社自体のカラー、などから判断するしかありません。
実は新設の賞のカラーの判断というのは、下読みさんにとっても難しく、事前に編集部と綿密な打ち合わせをしていても、やはり迷うことが多いんです。
下読みさんにとって絶対に許されないミスは「自分のところの賞で入選する可能性のある作品を見落としてしまうこと」なので、新設の賞の場合、普通の賞なら自信を持って落とすような作品も、もしかしたら、という不安で落とせなくなり、結局、指定よりも、かなり多い数の原稿を一次選考通過として残してしまう、という傾向があるんです。
私はある新設の賞の時に、4本残せという指示の時に悩んだ末13本も残してしまったことがあります。
それから、新設の賞の場合、編集部サイドでも、こんな感じの作品がほしい、という一応のイメージはあるのですが、実際にその通りの作品が来るとは限らないので、どんな作品が入選するかは、ふたを開けてみるまではわからない、という部分もあります。
応募された作品の中からしか選びようがないわけなので、新設の賞のカラーというのは、実際には、ある意味で、応募者自身によって決められるのだ、とも言えるかもしれません。
既成の賞の中に自分に合うカラーの賞がないと感じているような人にとっては、新設の賞というのは挑戦してみる価値があるだろうと思います。
また、編集部も新しい賞を創設したということで、はりきっていますから、第1回の入選者に対しては、二人三脚にも力が入るのが普通です。
同じジャンルに複数の賞があるような場合、歴史のある賞に比べて若い賞は応募総数も少なく、単純に競争倍率が低い、という利点もあります。
いろいろな意味で新設の賞というのは狙い目だと思います。