★メール紹介・Q&A 第12回 2001/07/08

●まりねこ さん [Mail] [HP] からのメール
 私は数年前から、小説を書き始めました。
 もともと読むほうが好きなので、それほどコンスタントに作品を書いていたわけではないのですが、今年の春から、周囲の勧めもあり、一念発起して「文学学校」なるところへ通うようになりました。
 そこではじめて、他の生徒さんの書いた作品を読んで評する機会を得、それまで自分の内にだけこもって「好きなものを好きに読んできた」私には、目からウロコが落ちる思いがしました。ひとりよがりな素人文章を読むことが、いかに苦痛か、ということが身にしみてわかったのです。
 とともに、自分が書いてきたものを振り返って、これでは駄目だと、あらためて思いましたし、また、自分の進むべきジャンルが、おぼろげにわかるようになってきました。
 恥ずかしながら、それまで、そんなことはあまり考えたことがなかったのです。
 それこそ、「好きなことを好きに書いてきた」だけなのでした。
 いま、ようやく「自分の書いたものを世の中に通じるカタチで残したい」と思うようになり、そんなとき、偶然、貴サイトに出会ったわけです。
 丁寧に、整然と無駄なく書かれた文章を、隅から隅まで読ませていただき、本当に、がんばっていい作品を書こう、という気持ちにさせられました。
 他人の作品を無理にでも読んで、評しなければならない立場に立たされたこと、そして、貴サイトとの出会いによって、はじめて、私にも文学賞の実質、その流れが、わずかながらでも理解できたように思います。

○和田曜介のコメント
 自分の作品を客観的に見るのはなかなか難しいことです。しかし、他人の作品を客観的に見るのはそれほど難しいことではありません。
 その同じ客観的な視線をそっくり自分の作品に向けることができた時に、初めて、プロの作家を目ざす本当のスタートラインに立てるのだと思います。
 まりねこさんは文学学校に行ってみて、本当に良かったですね。
 同人誌や相互批評サイトなどでも、同様の体験はできるかもしれません。しかし、創作教室が決定的に優れているのは、やはりプロの講師がいるということだと思います。
 プロの指導の下、同じ夢を追う仲間たちと共に過ごす、ライブな体験。良い創作教室を選べば、作家への道は飛躍的に短縮されます。
 せっかくの恵まれた環境ですから、是非、一回一回の授業を有意義なものにして、がんばってほしいと思います。


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