ミゾコウジュ

晩春から初夏にかけ、田の畦や川岸に茎が細長く個々の花は余り目立たないが、群生すると全体が薄紫にかすみ、遠くからでも気になる花があらわれる。 
最初はトウバナかその仲間と勘違いしていたが、環境庁のレッドデ−タ−ブックで準絶滅危惧種に指定されているミゾコウジュと呼ばれる花で各地で保護が検討されているらしい。
この花は増水すれば水につかり雨が降らなければ乾燥するような河川敷に生え、近年の河川敷の改修で数が激減しているようである。
この地方の田の畦の周囲には毎年花を付け、準絶滅危惧種の感覚は今でもないが、あまりのんきな事を言っている状況では無さそうである。
シソ科の特徴である四角い茎と唇形花を持つアキギリ属の花で、園芸種のサルビアの仲間であるが、名前の由来は漢方薬 「香需(こうじゅ)」 を作る植物に似てミゾ(溝)等の湿地に生える事からミゾコウジュと名付けられた。( 「キバナアキギリは日本のサルビア」 、 「芳香の薬草ナギナタコウジュ」 の項参照)

淡い小さな唇形花を沢山付け、花冠は淡紫色で、長さ4−5mm、下唇は大きく、紫色の斑点がある。
30cm−40cm程度の高さになるが、花自体は大変小さく、目立つ花ではないけれど、群生すると、全体が薄紫色にかすむ。
この花の行く末を心配しなければいけないとなると散歩道での花の見方も変わってくる。

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