クサフジいろいろ

ナヨクサフジ

クサフジは春の終わりの頃から夏の初めにかけて、その派手な咲き方で散歩の途中の足を止めさせる。
名の通り藤に似た花序で、これが雑草の花?と思わせる咲き方をするが、藤とは異なり、上に向かって花穂が伸びる。。
マメ科のツル性植物で藤の様な花をつけるのでクサフジの名があるが、この仲間には日本原産のクサフジ、花期が少し遅いツルフジバカマやヨ−ロッパ原産で日本に帰化したナヨクサフジがあり、花の形や葉の数、花柄の付き方が少し異なる。
マメ科であるので、根にバクテリアが共生し、空気中の窒素を固定し、緑肥となり、その為牧草としても利用され、牧草としてヨ−ロッパから持ち込まれたナヨクサフジが日本に帰化し、現代ではむしろこちらを見る事の方が多い。

ナヨクサフジ

クサフジ

見かけもナヨクサフジのほうがクサフジよりずっとスマートである。 花の筒状の部分を足に例え、花弁が広がっている部分を胴から頭に例えるとクサフジが1:1に対し、ナヨクサフジは2:1近くになり、クサフジが日本人的な短足に対し、ナヨクサフジはヨ−ロッパ人の様に足長で見栄えが良いとも言えようか。 もっとも最近の若い人は長足なので老人のひがみかも知れない。
ナヨクサフジのナヨは弱弱しいと言う意味で、見かけが弱弱しい事からこの名が付いたが、繁殖力は旺盛で、クサフジの方は開発その他でどんどん追いやられているのに対し、ナヨクサフジの方は人家の近くにも咲いているのが見られる。
クサフジが終わった後、8月から10月にかけて、クサフジとそっくりなツルフジバカマと呼ばれる花が咲く。 クサフジの小葉が20枚前後に対し、ツルフジバカマは12枚前後で花期も8月から10月と遅く、咲く時期で区別が出来る。

ツルフジバカマ

蔓性でフジバカマの花の色に似ていることからツルフジバカマになったとする名の由来説や、托葉や花の様子を袴(はかま)に見立てて名付けられたとする両説がある。
これらクサフジの仲間には海岸近くに生えるヒロハクサフジもあり、その名の通り、葉が少し広いが、花は同じである
いずれも可愛い花を付けるが、見かけのスマ−トなナヨクサフジが、日本のクサフジの仲間を代表する花になりつつあるのは複雑な気持ちである。

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