タムラソウ

タムラソウは一見するとアザミの花と思ってしまうが葉にトゲが無くアザミではない。
アザミにそっくりで、トゲのない野の花が、春に咲くキツネアザミと秋に咲くタムラソウである。( 「キツネアザミは偽アザミ」 の項参照)
トゲで有名なアザミは世界に300種ほどありアザミ属をなすが、キツネアザミはキツネアザミ属、タムラソウはタムラソウ属で、同じキク科でもアザミ属では無い。( 「ノアザミとノハラアザミ」 の項参照)
しかもキツネアザミの場合は花も含めて全体像が柔らかく、アザミとは雰囲気が少し異なるが、タムラソウの場合はアザミそっくりで、葉を良く見ないと区別できない.。 葉は羽状に深裂し、縁に荒い鋸葉があるが、トゲは無い。

タムラソウの花と羽状深裂の葉

日本の本州、四国、九州及び朝鮮に分布し、8月から10月にかけ、湿生平原や棚田の畦に生える多年草である。
田村草(タムラソウ)と書くが、名の由来ははっきりしない。 田村と言う人の名、あるいは人里の意味で田村、はたまた多紫草から来たと諸説あるが、不明と言うのが真実らしい。
全体像を箒に見立ててタマボウキ(玉箒)の別称がある。

次へ

最初のページへ戻る