カリガネソウとダンギク

カリガネソウ

カリガネソウは夏から秋にかけて日本各地の原野や低山の林縁に咲き、その特異な花の形と独特な臭気で目立つ花であるが、近年はその数を減らしつつあり、埼玉県を含め、数県で絶滅危惧種に指定されている。
最近では斑入り葉のカリガネソウ等、むしろ園芸種として植物園や公園等に植栽されたものを見る機会が多く、自生のものを見るのは難しくなってきている。

カリガネソウと斑入り葉のカリガネソウ

花びらは5枚で下の一枚が大きく白い斑点が入る。 下の花びらが大きいのは昆虫が蜜を吸うとき留まりやすく、雄しべと雌しべが湾曲するのは留まった昆虫の背中に花粉をつける為と考えられており、植物の知恵である。
カリガネソウ(雁金草)と面白い名前が付いているが、花の形を雁に見立てたとか、雁金の家紋からとか諸説あり、別名のホカケソウ(帆掛草)の方がしっくりくる。

このカリガネソウ科カリガネソウ属の花にはもう一つダンギクがあり、花の形からはとても同属には見えない。
古くから日本に自生している花であるが、九州地方に限られ、この地方で自生種を見ることは難しい。 しかし、カリガネソウと同様に園芸種として昔から好まれ、江戸時代の園芸書 「花壇細目」(1681年)に登場する等、そのユニークな形と紫色の色合いが好まれる。 従って、園芸種は日本各地でカリガネソウと同じ時期に見ることができ、白花もある。

ダンギクと白花のダンギク

ダンギク(段菊)と名付けられているがキク科ではなく、葉の形からキクを連想し、花が段々に茎に付くことからその名が付けられたようであるが、れっきとしたカリガネソウ科カリガネソウ属の花である。

次へ

最初のページへ戻る