フランスギク

フランスギクは花も大きく見栄えも良いので園芸種と思い込んでしまうがれっきとした野の花で、あちこちに自生している。
ヨ−ロッパ原産で江戸末期観賞用に持ち込まれ、寒さに強く日本の冬を越せる事とその強い繁殖力で野生化し、現代では暑い地方を除いて日本中に広がっている。
ただ、この花と花の形がそっくりで葉の形が異なるマーガレットと呼ばれる園芸種の花があるので、普段フランスギクを見ても誰かがマーガレットを植えたと思い込んで自生種とは考えない。 しかも、ややこしい事にはフランスギクもかってはマーガレットと呼ばれたいきさつもあって話が複雑である。
フランス語でMargueritaeと呼ばれ、これから日本でもマーガレットと呼ばれ、今でもマーガレットと呼ぶ人も多い。
一方、マーガレットはカナリア半島原産で明治時代渡来し、日本名はモクシュンギク(木春菊)と呼ばれ、羽状に裂ける葉の形が春菊に似て、茎が木質化するのでこの名がある。 原産地からも分かるように暖地の花で、日本の冬を越す事はできず、野生化することはない。

フランスギクの花と葉

マーガレットの花と葉

マーガレットは主にフランス地域で改良がなされ、白ばかりでなく、ピンクや黄色の花もあり、八重のものも有る。 フランスで 「木のMarugueritae」 とも呼ばれ、日本でもモクシュンギクよりマーガレットの名が定着し、その為、本来のマーガレットがフランスギクと呼ばれるようになった。
フランスギクの葉はヘラ状で突起は有るが、マーガレットのように羽状に切れ込む事はない。
日本の野の花といえば、小さな楚々とした花を想像しがちであるが、近年はフランスギク、オオキンケイギク、ビロードモウズイカ等、外来種によって日本の野の花も様変わりの様相を見せ始めている。( 「オオキンケイギクと高速道」 「ビロードモウズイカの巨体」 の項参照)

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