カナビキソウ

普段は小さくてほとんど目に付くこともないが、他の目立つ野の花にカメラを向けてしゃがんだ時にふと目に留まり、拡大すると以外に可愛い野草がある。 カナビキソウもそんな野の花の一つである。
花びらの様に見えるのはガクで、写真のものは五枚有るが3−5枚といろいろである。
日当たりの良い草地に生え、自分自身も葉緑素を持って光合成を行うが、他の植物からも栄養をとる半寄生植物とされる。 ビャクダン科に属し、この科の植物はビャクダンやツクバネ等いずれも半寄生植物であるが、ビャクダンやツクバネ等は寄生する相手もはっきりしているのに対し、カナビキソウの寄生先の植物は調べても良く分からない。
寄生植物には自分では全く光合成を行わず全面的に寄主に頼る全寄生植物と、カナビキソウの様に自分でも光合成を行う半寄生植物に分けられるが、その比率は全寄生20%、半寄生80%とされている。
野の花の中ではネナシカズラが全寄生の代表種、ママコナやカナビキソウが半寄生の代表種である。( 「ネナシカズラはエイリアン」 「ママコナとミヤマママコナ」 の項参照)

全寄生のネナシカズラの場合は葉緑素を持たず寄主に総て頼っている事は一目瞭然であるが、ママコナやカナビキソウの半寄生植物は葉緑素を持っていることは明白で、見ただけでは寄生している事は分からない。


カナビキソウは鉄引草(カナビキソウ)と書くが、名の由来は不明である。 韓国や中国では利尿や解毒等に効く漢方薬として用いられるそうである。

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