ママコナとミヤマママコナ

ミヤマママコナ

晩夏から初秋にかけて、山裾を散策するとママコナ、ミヤマママコナと呼ばれる奇妙な名前と面白い形をしたゴマノハグサ科の花に出会う事がある。
名の由来は花唇にある二つの隆起を米粒に見立てて飯子菜(ママコナ)と名付けられたとする説が有力であるが、種を米粒に見立てたとの説もある。
ゴマノハグサ科ママコナ属の花であるが、この属には大きく分けてママコナとミヤマママコナがあり、ミヤマママコナの変種で四国を中心とした関西に多いシコクママコナもある。 写真の様にママコナの花唇の隆起は白く、ミヤマママコナやシコクママコナは黄色である。
ミヤマママコナは深山飯子菜(ミヤマママコナ)と書き、山深いところに多い花ではあるが、里山程度の小さな山裾にも見られる。 ママコナの方がミヤマママコナより少し花期が早く、夏の盛り頃見かける事もある。

ママコナ

 ミヤマママコナ

半寄生の一年草で、イネ科やカヤツリグサ科の植物の根に寄生するとされる面白い生殖の仕方をする花でもある。 半寄生と言うからには自立もできるという事で、自らも葉緑素を持ち光合成を行うが、他の植物からも栄養を取り、宿主がいない場合には全体も小さく、宿主がいる場合には大きくなるそうである。 寄生植物にはネナシカズラの様に全寄生するものとママコナの様に半寄生する植物が有り、半寄生が80%を占めるが、それでもほとんどは熱帯地方の植物で、散歩道で見られるのはこのママコナとカナビキソウ程度である。( 「ネナシカズラはエイリアン」 「カナビキソウは半寄生植物」 の項参照)
ママコナ、ミヤマママコナ、シコクママコナ等、ママコナ類はその独特な形で目を引く花であると同時にその生き方で興味を引く花でもある。

次へ

最初のページへ戻る