「二の峠 三の峠も 野菊かな」・・・・青畝
野菊と一口に言っても、紺色をしたヨメナ、カントウヨメナ、ノコンギク、又、白い花を付けるリュウノウギク、シラヤマギク、シロヨメナ、基本的には白であるが少し青みがかるユウガギク等、様々である。 いずれも秋の山野を彩るキク科の花であるが、古来よりひっくるめて野菊と呼ばれている。 又、ミヤマヨメナのように初夏の頃に咲く例外的な野菊もある。
どれも似ていて、色、冠毛、葉のざらつき、葉の切れ込み具合等で区別は可能であるが、素人では難しく、上記の青畝の句や、伊藤左千夫の小説 「野菊の墓」 の野菊がどの花であるか詮索する必要も無かろう。 又、ノコンギクやシロヨメナ等のシオン属はキクではないと無粋な事を言う学者もいるが、これらをひっくるめて野菊と呼んで差し支えはない。
この地方の散歩道で見られる野菊は大半がカントウヨメナであるが、それ以外の野菊も近くの古墳程度の山裾を散策すれば見つけられる。
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