ツルドクダミ

中国には数千年に及ぶ薬草の歴史があって、種々の漢方薬が作られてきたが、中でも不老長寿の薬には強い憧れがあり、種々の伝承や伝説に基づいてその効能が謳われ、日本にも伝わってきている。
これらの不老長寿の薬草の中で日本に野生化している代表的な植物がこのツルドクダミとイカリソウ、ヤマノイモ、クコ等である( 「イカリソウと強壮剤」 「ヤマノイモと自然薯」 「クコは万病の薬」 の項参照)。
ツルドクダミは漢名で 「何首烏(かしゅう)」 と呼ばれ、 「何(か)と呼ばれる老人がツルドクダミの根を服用したところ白髪が黒髪に変り、顔色がつややかになり、何人もの子を儲け、長生きした」 とつたわる伝説が有り、何(か)の首(頭)が烏のように黒くなったことから何首烏(かしゅう)と名付けられたとされる。
日本には江戸時代の享保年間に渡来し、当時の全国の大名がこぞって栽培をしたと言われる。
現代でも秋に肥大した塊根を日干しにして作られた薬は漢方の生薬名で何首烏(かしゅう)と呼ばれ、整腸、緩下(かんげ)に用いられ、又、薬膳料理にも使われるが、強壮剤としての効果は定かでない。
和名のツルドクダミは葉がドクダミに似て蔓性であることからツルドクダミと呼ばれているが、ドクダミの名は付いてもドクダミ科では無く、タデ科の植物である。


花は小さく、拡大しないと花の形も定かには見えないが、写真のように鬱蒼と茂り、遠くからでも目立つ花である。

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