ノゲシいろいろ

ノゲシ(ハルノゲシ)

ノゲシほど一年中散歩道で目に付く花も珍しい。 春から咲き始め、11月半ば過ぎにも帰り花であろうか、あちこちに咲いており、素人目には一年中咲いているように見える。
名前は野のケシであるが、花はタンポポのようで、実際にはタンポポと同じキク科の花であり、ケシとは何ら関係が無く、草姿がケシに似ているのでこの名がある。
貝原益軒の 「大和本草」 によると 「ケシにもアザミにも似て花は黄色く、花の後の冠毛が飛散して新苗になるのはタンポポのようだ。 葉や茎を切ると白い乳液を出し、食用にもなる。」 とある。
一般には表題の写真のハルノゲシのことをノゲシと呼んでいるが、オニノゲシ、アキノゲシもあり、これらをひっくるめた総称でもある。

ノゲシ(ハルノゲシ)

      オニノゲシ        オニノゲシ     ノゲシとオニノゲシの群生

アキノゲシ

ノゲシ(ハルノゲシ)の原産地はヨーロッパで、世界中に帰化し、日本には中国から麦などの畑作の伝来と共に入ってきた史前帰化植物であり、古くは食用にもなった。
オニノゲシは比較的新しく、明治時代に入って来たとされ、葉に刺(とげ)を持ち、全体に荒々しく大きいのでオニの名が付いている。
アキノゲシは秋に花を咲かせ、ノゲシ(ハルノゲシ)に似ているのでその名が付いたとされるが、実際にはハルノゲシやオニノゲシのノゲシ属とは別属のアキノゲシ属で、花の色や形も少し異なる。 ハルノゲシやオニノゲシの花が黄色に対し、白色ないしはクリーム色で、全体に大きく、秋の野や田の畦で良く目立つ花である。( 「アキノゲシとその仲間」 の項参照)

一年中見られる野の花は外来種が幅を利かせているタンポポとネンガラグサとも呼ばれるノボロギクとこのノゲシである。( 「ノボロギクとその仲間」 の項参照)

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