ノボロギクとその仲間

ノボロギク

ノボロギクとは何ともかわいそうな名前の花であるが、この花ほど一年中見られる花も他には無い。
12月や1月の花の無い頃にもけなげに咲き、ネンガラグサの別名がある程である。 花は筒状花で写真の状態以上には開かないので、名前の通り見た目にもさえないが、それでも、土手や田の畦に咲くと目を楽しませてくれる。
ヨーロッパ原産のキク科の帰化植物で、明治初期に渡来したが、野に咲くサワギク(ボロギク)の意味でノボロギクと命名されたとする説が有力である。
サワギクは湿気のある林縁や山地に6月から7月にかけてその独特な姿を現し、果実期には白い冠毛がぼろくずのように見えるのでボロギクの別名がある。

サワギク          サワギク

ノボロギクも下の写真に見るようにサワギク(ボロギク)と同じ様に冠毛がぼろくず状になるので、野に咲くサワギク(ボロギク)からノボロギクになったとされるが、単純に冠毛の状態や姿、形からノボロギクと名付けられたとする説もある。

ノボロギクの花と冠毛と群生

同じボロギクの名が付く野の花の中にはアフリカ原産で、同じように命名されたベニバナボロギク、愛知県の段戸山で最初に発見された為その名がついた北アメリカ原産のダンドボロギクがある。

ベニバナボロギク

ダンドボロギク

いずれも日本在来種ではなく帰化種で、ベニバナボロギクの様に昭和二十年代に始めて帰化が確認された花が現在はいたるところで見られる等、この仲間は繁殖力が極めて強い。
すっかり日本の風土に馴染んで夏から秋にかけて野を彩るが、中でもノボロギクだけは一年中花を付け、日本の在来種でもあるかのようにいたるところに顔を出す。

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