ヤブマメはツル性の一年草で藪(やぶ)等に多いのでヤブマメの名がある。
地上に開放花と閉鎖花、地下に閉鎖花と三種類の花を付ける珍しい植物であり、地下にできる豆は毎年同じ場所で生殖を確保し、地上の豆ははじけて分布を広げ、様々な状況に対応できるようになっている。 地上の豆はサヤエンドウに似た豆果を付け、又、地下の豆は地上の豆の5−7倍と大きく、食べても美味しいそうである。
万葉集の 「道の辺の 荊(うまら)の末に 這ほ豆の からまる君を 別れいかむ」 の豆はヤブマメのことであるとされており、古くから知られた植物である。 日本、朝鮮、中国に分布し、この地でも散歩道のいたるところに群生し、目立つ花である。
一方、ツルマメはヤブマメより少し早く咲き、花も小さく、雑草の陰に隠れてあまり目立たないが、大豆(ダイズ)の原種と考えられ、大豆に似た豆果を付ける。
日本、朝鮮、中国、シベリアに分布し、ツル性なのでツルマメの名があり、別名、ノマメ(野豆)とも呼ばれる。
春から初秋にかけての野のマメ科の花は黄色が主で秋も深まると紫色という自然の妙を教えてくれる花々である
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