タマスダレ

ヒガンバナが咲くころ、同じヒガンバナ科のタマスダレと呼ばれる白い目立つ花が庭や道端などあちこちに目につくようになる。
南米原産で、明治初期、観賞用に導入された花であるが、その強い繁殖力で全国で野生化しており、この地の散歩道のところどころでみられる。 
別名レインツリー(雨ユリ)とも呼ばれ、まとまった雨後に一斉に花を咲かせるのでこの名がある。
タマスダレ(玉簾)の名から、江戸時代から続いている大道芸である 「南京玉簾」 を連想される方も多いと思う。
「 あ さて あ さて さて さて さて さても南京玉簾 ちょいと伸ばせば ちょいと伸ばせば 浦島太郎さんの 魚釣竿にさも似たり・・・・」 と面白おかしく節をつけて囃し、簾(すだれ)をいろいろな形に変えてみせる。
大道芸の玉簾は簾の断面が球状(玉)になっている事からその名があるが、花のタマスダレ(玉簾)は葉が簾の様に見える事には異論が無いものの、玉は花を玉に例えたとする説や、球根、はたまた実(み)だと言う人もいてさまざまである。

タマスダレ

葉や麟茎にリコリンというアルカロイド成分が含まれており、葉はノビルと間違いやすく誤食すると嘔吐や麻痺の症状が現れる。
花の色や形はヒガンバナと全く異なるが、ヒガンバナと同じく毒をもち、ヒガンバナと共に近年の秋を彩り、群生するとなかなか見事である。

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